JAPANITALY Travel On-line

 
イタリア旅行情報サイトJAPAN-ITALY Travel On-line
ウンブリアの風 〜12ヶ月の歳時記〜
15 novembre 2010

第12回 デルータ
マヨリカの陶器にあふれた色彩豊かな街


粉川 妙

ペルージャから南へわずか15km。テヴェレ平野とウンブラ谷を区切るように、デルータの街は丘の上にたたずんでいます。昔からペルージャとの結びつきが強く、南方面を防御する砦(とりで)としての役割を担っていました。デルータといえば、ウンブリア屈指のマヨリカ焼きの産地。現存する最古の記録により、1290年には陶器作りが行われていることがわかっています。

写真トップ@: 地中海の美しい色彩の広がるデルータの焼き物
写真左A: デルータの絵付け風景、右B: デルータ焼き物店 

デルータの街は、平地部の新市街と丘上の旧市街に別れています。焼き釜などを有する工房は、新市街に集中しています。それまで旧市街にあった工房が、1960年代から新市街に移動し、規模を大きくし、全世界に輸出するまでに成長してきました。一つひとつ手作りなのは今も変わりません。ろくろでの形成や、手描きの絵付けなど、伝統の技が受け継がれています。

一方、旧市街に行くと、マヨリカ焼きで作られた街の標識や役所やお店の看板がたくさんあり、黄色や青、緑の美しい地中海の色彩が広がります。陶器店が町中にひしめいて、店内で職人が絵付けする風景を見ることができるかもしれませんよ。店ごとにデザインや風合いが違うので、いろいろ見ながら、お気に入りの品を見つけるのも楽しみの一つですね。陶器に描かれるデザインは、『孔雀の羽の模様』や『小鳥の群れの模様』、かつてラファエロが考案したという、ドラゴンを模した『グロテスク模様』など伝統的なモチーフが多彩です。また、職人のファンタジーにより産みだされる模様もあります。

写真左C: フランチェスコ教会外観、中D: フランチェスコ教会小礼拝堂
写真右E: アントニオ教会の「慈愛なる聖母マリア」のフレスコ画

街中の散策は、半日もあれば十分でしょう。大天使ミカエル門を入ると、1848年作られた噴水があり、街の広場へといざないます。広場にあるゴシック様式の聖フランチェスコ教会(1388年)は、その鐘楼と塔が町のシンボルになっています。教会内のシエナ派のフレスコ画や、小礼拝堂の壁をおおうマヨリカ焼きの聖画が見所です。その隣に位置する聖フランチェスコ修道院は、現在、マヨリカ焼きの博物館になっており、ここの焼き物の変遷や往時の素晴らしい作品がじっくりと鑑賞できるので、おすすめです。

そして是非、訪れたいのが、聖アントニオ教会でしょう。普段は、閉鎖されていますが、コンソリ広場にある観光案内所(Proloco)に行けば、鍵を開けてくれます。運がよければ、案内所のサンドロさんが解説してくれるかもしれませんよ。教会内のニッチにあるカポラーリ作の『慈愛なる聖母マリア』(15世紀後半)のフレスコ画は、生き生きとした表情のマリアと当時の風俗を繁栄した描写が、見るものを釘づけにします。
小さいけれど、半日は十分楽しめるデルータの町。町の人も優しくて、とても好感が持てます。ウンブリア屈指の焼き物の町を訪ねれば、旅の思い出として鮮やかに残るにちがいありません。
写真左F: デルータの街の様子、右G: デルータの焼き物店

今回で、ウンブリアの風〜12ヶ月の歳時記〜連載は、今月で終了です。いかがでしたか。なだらかな丘や中世の小都市に彩られたウンブリアの風景、豊かな食、そして静寂…訪れる人を豊かに満たしてくれ、リフレッシュできる魅力がここにはあります。
ローマからも電車でアクセスがいいので、この連載を通して、ウンブリアに来てくださる人が増えればいいな、と思います。私もウンブリアに住んで5年、住めば住むほど、愛着が増してくるし、日々新たな発見があってとてもエキサイティングです。
何か質問などありましたら、butako170@hotmail.co.jpまでお気軽に質問をお寄せくださいね。

ウンブリアの風 〜12ヶ月の歳時記〜  著者プロフィール
粉川 妙 (Kokawa Tae)

中部イタリア、ウンブリア州スポレート市在住。ライター。
2005年スローフード協会の料理学校italcookのマスターコースを修了し、その後一年間のステージ(実地研修)を終え、イタリア地方料理を学んだ。地産地消、伝統料理の継承と革新、自給率など、関心テーマ。『ブタについての文化人類学的考察』を学士論文で書いて以来、ブタに関する食や文化をライフワークとする。最近はもっぱらAISのソムリエ資格を取るために奮闘中。
「スローフード」と「ウンブリア 美食の旅」情報満載のサイト 『ウンブリアの食卓から』 http://slowfood1.web.fc2.com/ 主宰。 日々の生活は『butakoの2年間の休暇』http://butako170.exblog.jp をどうぞ。
2008年8月に発売したフォトエッセイ『スロー風土の食卓から』(扶桑社)も、好評発売中。

* 著者からのメッセージ
ウンブリア地方の自由な旅の提案をはじめました。ウンブリアの田舎街の紹介や知られざるご当地グルメ情報、マンマから学ぶ伝統料理教室など掲載しています。詳しくは『ウンブリアの食卓から』http://slowfood1.web.fc2.com/をご覧下さい。


データ
Dati
デルータ Deruta

■ペデルータへのアクセス  
バス ペルージャ〜デルータ〜トーディ
http://217.141.151.2/orari/extraurbani/pdf/E012.pdf

<イヴェント>
■ペルージャ〜デルータ 25分
パルティジャーニ広場(Piazza Partigiani)より

■トーディ〜デルータ 50分
http://217.141.151.2/orari/extraurbani/pdf/E012.pdf

<お勧めレストラン>
Taberna del gusto
広場から1分、味も雰囲気も抜群のトラットリア
住所via Mastrogiorgio,7
電話:075.9724120
定休日:水曜日(全日)、日・月・火の夜
予算:およそ20ユーロ〜
営業時間:12:30-15:00 19:30-22:00    

ウンブリアの風 〜12ヶ月の歳時記〜
小都市を訪ねる旅 アルキーヴィオへ このページのTOPへ HOME PAGEへ

http://www.japanitalytravel.com
©  JAPANITALY.COM srl - MILANO 2000 All rights reserved.