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ウンブリアの風 〜12ヶ月の歳時記〜
15 marzo 2010

第5回 アッシジ
訪れる人を癒す聖フランチェスコ縁の地


粉川 妙

イタリア文学史の礎を築いたダンテ・アリゲーリ。彼は故郷トスカーナの言葉で「神曲」を著し、一躍有名になります。実はその1世紀前に、アッシジの聖フランチェスコがウンブリア方言で「被造物の歌」を著し、イタリア文学の幕開けとして後世に多大な影響を残したことは、意外と知られていません。今回はその聖フランチェスコの聖地、アッシジにスポットをあててみましょう。
写真トップ@: サン・フランチェスコ聖堂
下左A: アッシジの「エレモ・デイ・カルチェリ」、右B: スバッシオ山のパノラマ

聖フランチェスコを求めて全世界から巡礼者が訪れるアッシジ。観光客は多いものの、街は静寂な雰囲気に満ち、賑やかな感じはありません。中世から残る石造りの町並みやスバッシオ山系の緑、町から見下ろすウンブリアの丘陵…。まさに平和という言葉がピッタリの風景です。街は端から端まで歩いても20分ほど。小さいですが駆け足で回るよりも、ゆったりと街歩きを楽しみたいものです。

まず訪れるべきは聖人が眠るサン・フランチェスコ聖堂。彼が没して2年後の1228年から11年かけて建設されました。聖堂は上部と下部に分かれていますが、一番の見所は上部聖堂のジョットのフレスコ画でしょう。28枚の巨大なフレスコ画に「聖フランチェスコの生涯」が見事に表されています。礼拝堂は早朝7時から開いているので、アッシジに宿をとれば、小鳥のさえずりを聞きつつ、美しいフレスコ画をゆっくり鑑賞できますよ。(彼に説教された小鳥の気持ちが分かるかな)
下部聖堂にはフランチェスコの墓があります。熱心に祈る信徒の様子から、没後約800年たっても衰えない彼の信望の厚さが伺えます。

写真左C: アッシジの街並み、中D: カレンディマッジョの風景、右E: レストラン・サントウッチ

サン・フランチェスコ聖堂の後は、聖堂前のサン・フランチェスコ通りを直進し、コムーネ広場へ。広場にはローマ時代のミネルヴァ神殿があります。土産物屋やパスティッチェリアを見て回るのも楽しいですね。アッシジ特産のクロスステッチの刺繍やヴェネチアン・グラスに似たガラス細工の小物はかわいらしいのでお土産にピッタリです。
フランチェスコと対になる聖人が聖女キアーラです。この通りの突き当たりにあるサンタ・キアーラ教会も必見ですよ。いずれの教会も外観にこの地方で採れるバラ色の石灰岩が使われており、穏やかな色あいです。街の上部にあるサン・ルフィーノ大聖堂もお見逃しなく。聖フランチェスコと聖キアーラもここで洗礼を受けました。

春に盛大に行われるアッシジの祭りを2つ紹介しましょう。まずイースター直前の金曜日に行われる「死せるキリスト」の行列 Processione del Cristo Morto(今年は4月2日・金)。
そして5月第1週末に行われるカレンディマッジョCalendimaggioは、中世の衣装に扮した町人たちが、アルトとバッソの2つに別れ、詩や歌で競い合います。事前のチケットの購入が必要。
カレンディマッジョの雰囲気は、私のブログにも掲載していますのでご参考に。
http://butako170.exblog.jp/7921044/

時間がある方は、フランチェスコと縁の深い、アッシジ旧市街から徒歩20分ほどのサン・ダミアーノ修道院(Convento di San Damiano)や国鉄アッシジ駅から徒歩10分のサンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会(Santa Maria degli Angeli)にも足を運んでみましょう。事前にフランコ・ゼフィレッリ監督の傑作「ブラザーサン・シスタームーン」の映画を見てから行くと魅力倍増です。
フランチェスコの生き方に想いを馳せると、自分の悩みがちっぽけに思えてきます。アッシジを訪れると、不思議と心が落ち着き平和になるのは、彼の精神が今も息づいているからなのでしょうね。

ウンブリアの風 〜12ヶ月の歳時記〜  著者プロフィール
粉川 妙 (Kokawa Tae)

中部イタリア、ウンブリア州スポレート市在住。ライター。
2005年スローフード協会の料理学校italcookのマスターコースを修了し、その後一年間のステージ(実地研修)を終え、イタリア地方料理を学んだ。地産地消、伝統料理の継承と革新、自給率など、関心テーマ。『ブタについての文化人類学的考察』を学士論文で書いて以来、ブタに関する食や文化をライフワークとする。最近はもっぱらAISのソムリエ資格を取るために奮闘中。
「スローフード」と「ウンブリア 美食の旅」情報満載のサイト 『ウンブリアの食卓から』 http://slowfood1.web.fc2.com/ 主宰。 日々の生活は『butakoの2年間の休暇』http://butako170.exblog.jp をどうぞ。
2008年8月に発売したフォトエッセイ『スロー風土の食卓から』(扶桑社)も、好評発売中。

* 著者からのメッセージ
ウンブリア地方の自由な旅の提案をはじめました。ウンブリアの田舎街の紹介や知られざるご当地グルメ情報、マンマから学ぶ伝統料理教室など掲載しています。詳しくは『ウンブリアの食卓から』http://slowfood1.web.fc2.com/をご覧下さい。


データ
Dati
Todi アッシジ Assisi

■アッシジへのアクセス:電車の場合
国鉄でローマからアンコナ行きに乗りフォリーニョで乗り換え、アッシジで下車。
もしくは直通でローマからペルージャ行き、もしくはテロントラ行きに乗り、アッシジで下車。
IC、Rとも所要時間およそ2時間30分〜3時間

■主な行事
「死せるキリスト」の行列 Processione del Cristo Morto
2010年4月2日(金):キリストの受難を偲んでパレードする
<カレンディマッジョ>Calendimaggio 毎年5月第一週目の週末
2010年5月6〜8日  中世の雰囲気漂う華やかな春祭り
アッシジ旧市街 
1ヶ月前くらいからプログラムの公開とチケットの予約を開始するので、入場を希望する人は事前にチケット購入をおすすめします。
サイト:http://www.calendimaggiodiassisi.it/
コムーネでも予約を受け付けています。
http://www.comune.assisi.pg.it/servizi/servizio-turismo/

聖フランチェスコの日
10月4日のフランチェスコの日には、街中に市場が立ち、特産品が一同に集まります。

■ウンブリア州観光サイト
http://www.paesaggi.regioneumbria.eu/?territorio=ASSISANO ■旧市街にあるレストラン
MagnaVino
住所Francalancia, 2 Assisi (PG) - 06081
TEL: +39 075 816814
定休日: 月曜日
(昼食)12:00-14:30、(ハッピーアワー)16:30-18:30、(夕食)18:30-20:30
予算:20ユーロくらい(飲み物抜きで)

駅から近いおすすめのレストラン
Trattoria Santucci
住所: Via Patrono d'Italia, 40 Assisi - Santa Maria degli Angeli (PG) - 06088
TEL: +39 075 8042835
定休日: 水曜日
(昼食)12:00-15:00、(夕食)19:00-21:00
予算:20ユーロくらい(飲み物抜きで)
http://www.cameresantucci.com/

写真:AB アッシジ市提供
@CDE 筆者(粉川妙)撮影

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