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シチリア「食」の旅
15 gennaio 2014

 四季編  <冬>
1ケ月続く長いクリスマス期間  



  文・写真/佐藤 礼子 


「シチリアは常夏の島」と思っている方も多いかも知れませんが、12月を過ぎるとシチリアもコートが必要な季節。最高気温は15度くらいあるものの寒い冬がやってきます。

市場には、カルチョーフィ(アーティチョーク)、フィノッキオ(フェンネル)、カーボロフィオーリ(カリフラワー)などの冬野菜が山積みに。そして、シチリアの冬と言えばオレンジ!木箱に入ったオレンジがズラリと並びます。旬の野菜や果物を中心に売られるため選択肢はそう多くないシチリアの市場。ですが、まだまだ季節の旬を感じることができます。  

写真トップ@イチジクのビスコッティ:干しイチジクのペーストがたっぷり入っています。 
写真上左Aフィノッキオ:日本ではあまり知られていないフェンネルはシチリアの冬を代表する野菜です。 写真上右Bオレンジ:市場に並ぶオレンジはシチリアの太陽を浴びてキラキラ光っています。


●12月8日のマリア様のお祭りでスタート
さて、冬の一大行事と言えば、、、クリスマス!イタリアでは12月8日のマリア様のお祭り(通称インマコラータ)から始まります。この日、マリア様はキリストをご懐妊されたと言われています。街ではこの日に向けてイルミネーションが準備され、家庭ではプレゼピオ(キリストの誕生を再現したミニチュア)やクリスマスツリーを飾ります。    

写真下左Cマルサラのイルミネーション:マルサラのドォーモ広場。美しいイルミネーションが輝きます。 写真下右Dプレゼピオ:・教会に飾られていたプレゼピオ。当時の暮らしぶりがうかがえます。


私が住むトラーパニでは祝日である12月8日にスフィンチという揚げ菓子を家族で作る習慣があります。「ただ単にお菓子を作るだけじゃないの。お菓子を作りながらおしゃべりをして、家族全員集まって時を一緒に過ごすに意味があるのよ。」と、知人のマンマ達は声を揃えます。12月25日、クリスマス当日を迎えるまでにスフィンチやイチジクのビスコッティというクリスマスのお菓子をマンマ達は何度も作るのです。    

写真下Eスフィンチ:揚げたてのスフィンチは食べ始めたら辞められないほど美味しい!


●12月25日お昼に家族全員でクリスマスの食事
日本では一番盛り上がるクリスマスイブですが、ここではあくまでもキリスト誕生の前夜祭。この日はカトリックの教えでは「肉を食べない日」とされていたため、魚料理を食ます。シチリアではバッカラ(干し鱈)を食べる習慣があります。そして迎えるクリスマス当日。この日のお昼がキリストを祝う食事です。この日は朝から礼拝に行く人も多く、家族全員が集まるのは14時過ぎ。シチリアでクリスマスの食事と言えば、ラザーニャ、カンネローニなどのパスタのオーブン焼きを作る人が多く。これはクリスマスだけに作るものではありませんが、手間がかかるためお祝いの料理とされています。   

写真下左Fラザーニャ:クリスマスの日はマンマが家族のために腕を振るいます。去年のクリスマスのプリモはラザーニャ。 写真下右Gセコンドは肉料理が中心。


普段は家庭では前菜を食べる習慣があまりないシチリアですが、この日ばかりは前菜、パスタ、メイン、、、とお食べ地獄。パスタやメインは多いときでは数種類準備をしたりもします。夕食が終わるのはいつも16時過ぎ、、、長い時では17時ごろまで食べていることもあります。その後、夜まで、カードで遊びながら家族揃って1日を過ごします。

●クリスマスは「家族でキリストの誕生を祝う日」
翌26日も祝日のイタリア。この日は友人とお昼ごはんを家やレストランで共にしたり、引き続き家族で過ごしたり、、、。 とにかくお食べ地獄が続きます。クリスマス期間は1月6日の「エピファニア(公現日=東方から三博士がキリストのお祝いに来た日)」まで続き、1ヶ月という長いクリスマス期間が終了します。翌1月7日から仕事も学校もようやく通常モードに戻ります。
日本ではイベント的な要素が強いクリスマスですが、イタリアではキリスト誕生を祝うという、本来の意味を持った大切な期間。イタリアの中でも信仰心がとても厚いと言われる南イタリアではクリスマスは「家族でキリストの誕生を祝う日」なのです。

2月になると太陽の陽射しも段々春っぽくなってくるシチリア。気温は年間通して一番低いものの輝く陽射しにちょっと心が躍りはじめます。1年を通して豊かな食に恵まれるシチリア。そしてその豊かな食で作られてきた食文化が今も尚、伝統として生活に根付いているシチリア。そんなところに少し目を向けて旅をすると、新たなシチリアの一面が発見できるかもしれません。


シチリア「食」の旅  著者プロフィール
佐藤 礼子 (Reiko Sato)
シチリア料理・菓子 スペシャリスト  イタリア政府公認オリーブオイルテイスター

東洋英和女学院大学卒業後、イタリア料理人の道を目指しイタリア料理店に入店。カメリエーレ、イタリア料理人を経た後、イタリアの郷土菓子に興味を持ち独自に研究を始める。その後、大手企業での洋菓子商品開発、店舗 企画などを経験。イタリア食文化を勉強する為、2004年イタリアに渡る。スローフード マスターイタリアンクッキング ディプロマ取得後、シチリアにて 研修を重ねる。10年を越える日本での食の仕事の経験と、1年半に渡るイタリアでの修行を終えて、2004年シチリア州トラーパニで「ラ ターボラ シチ リアーナ」を設立。シチリア料理教室、食に関するコーディネート、通訳を手掛ける。2012年には「イタリアで一番おいしい家庭料理 シチリアのおうちレシピ」(講談社)を出版。又、各種メディアに執筆活動も続ける。

ラ ターボラ シチリアーナHP:http://www.tavola-siciliana.com/index.html
シチリアの風景と旅ブログ「シチリア時間2」: http://trapani.exblog.jp/
シチリアの食ブログ「シチリア食通信」:http://cucisici.exblog.jp/

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