3月19日はサンジュゼッペの日。イタリアには日替わりで「その日の聖人」が定められています。3月19日はSan(サン=聖人) Giuseppe(ジュゼッペ=ヨセフ)の日で、ジュゼッペはキリストのお父さんだった事からこの日はイタリアでは父の日でもあるのですが、私の住むトラーパニの近くのサレミという小さな村では「Cena di San Giuseppe(チェーナ ディ サンジュゼッペ=サンジュゼッペの夕食)」というお祭りが毎年行われます。
●古くから伝わる「飾りパン」の伝統
「サンジュゼッペは貧しい人や弱いもの味方で、パンを与えたり食事を与えたりしていた。」
写真トップ 写真@祭壇:飾りパンで祭壇一面が飾られそれは見事に美しく。
写真下AB飾りパン:色々なデザインの飾りパン。
サンジュゼッペの夕食はこんな言い伝えから生まれた伝統行事で、100食の夕食を準備し貧しい民に配給すると言うものでした。その際に、女性達は細かい細工をした「飾りパン」やオレンジで祭壇を飾るのが習慣でしたが、現在は夕食を準備する習慣は無くなり「飾りパン」の伝統だけが残りました。
写真左Cアーチ:街の中は飾りパンであふれています。 写真中Dお土産:村の中ではお土産用の飾りパンも販売していました。
サレミまではトラーパニから約50キロ、車で40分ほどの内陸部にあります。街の中に入ると、ショーウィンドウやお店の入り口、至る所に飾りパンが飾られています。
街中には教会や集会場など何ヶ所かに再現しているところがありましが、それはそれは圧巻で、、、、。
パン飾りは、花、ブドウ、太陽、くじゃく、天使、太陽、かたつむり、、、、無限のデザインがありました。お花は”春”を意味し、かたつむりを”繁栄”を意味する など、シンボルそれぞれにきちんと意味があるそうです。小さなものから大きなものまで、お花だけを見てみても本当にたくさんのデザインがあり、どれも手が 込んでいて、パンを作る人がとっても細かい作業をしている姿が思い浮かびます。
写真下EFショーケース:街のお店のショーケースにも飾りパンが。
●街の女性たちが総出で「飾りパン」づくり
街の女性に「このパンは誰が作るの?」と聞いてみると、「皆で参加して作るのよ」と。時間のある女性が集まって一緒に作るそうです。細かい細工をするためのパンの生地はとても固いそうで、捏ねるだけでも一苦労。それに加えてこれだけの細かい細工をするかと思うと、気が遠くなってきます。
写真左G道具:飾りパンを作る道具達。 写真右Hお持ち帰りパン:教会でいただいてきた飾りパン。家に飾っています。
教会ではオッフェルタ(寄付金)をすると飾りパンを2〜3個もらう事ができます。私も数箇所でオッフェルタをして色々な形のパンをいただいてきました。お花や果物など色々な形をしたものがあり、見れば見るほど作る苦労が分かるような気がします。
●シチリアに多い宗教行事にまつわる食文化
イタリアは南に下れば下るほどキリスト教への信仰心が強い、、、と言われますが、それは一概にウソではなく、シチリアには宗教行事にまつわる食文化が北の地方に比べ非常に多い気がします。いや、北にも色々とあるのだと思いますが、南ではその習慣が今も根強く残っている、と言ったほうが正しいでしょうか。古くから伝わる伝統行事、生活習慣も段々変わってきている今日この頃ですが、時代に合わせる形で続いていってほしいものだと心から思うのでした。
■ ラ ターボラ シチリアーナ
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