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イタリア世界遺産の旅
5 Settembre 2018
20世紀の工業都市イヴレア
Ivrea, citta industriale del XX secolo 


ピエモンテ州Piemonte
登録年 2018年
登録基準 文化遺産(v)  




牧野宣彦

2018年7月に開催されたバーレンのマナマで開催された第42回の世界遺産の会議でイタリアのイヴレアがイタリア54番目の世界遺産として登録された。                                              

写真トップ:オリベッティ社の「レジデンス・センター」


●20世紀に農村地帯が産業都市に変貌
イヴレアはピエモンテ州トリノ県にあり、ドーラ・バルテア河畔に位置する2万4000人の小さな街であるが、町の起源は古代ローマ時代に遡る。中世以来の旧市街地と20世紀の産業革命以後の過程で、農村地帯は、近代工業の発達に伴い、産業都市に変貌して行った。街の歴史的中心部には中世のドゥオーモや城塞などが残っている。

写真上:イヴレア市内中心部

世界遺産に登録されたオリヴェッティ社の建設した施設は歴史的地区から南、河の反対側の鉄道駅に近い駅南西エリアにあり、今回世界遺産に登録されたのは20世紀の工業都市である。
写真上:イヴレアのオリベッティ社施設パノラマ  

イヴレアが登録されたのは、登録基準のVにあたりそれは 「あるひとつの文化(または複数の文化)を特徴づけるような伝統的居住形態若しくは陸上・海上の土地利用形態を代表する顕著な見本である。又は、人類と環境とのふれあいを代表する顕著な見本である(特に不可逆的な変化によりその存続が危ぶまれているもの、代表的なもの:アルベルベッロのトゥルッリ)

●オリヴェッティ社発祥の地
20世紀の工業都市として登録されたイヴレアは、オリベッティ社発祥の地であり、20世紀に発明されたタイプライター、電算機、オフィスコンピュータなどがここの工場で作られた。特に1930年から1960年にかけて素晴らしいデザインの産業施設が建設された。そこにある大工場やビルは住宅施設も含めて経営と福祉事業のため設計された、その多くが一流の都市計画家や建築家により設計されたのもので、「コミュニティ運動」の精神を映し出している。

写真上:オリベッティ社本社 

●同社の建設した産業・生活関連・文化施設に新たな価値を見直す
イヴレアは工業生産と建築を近代的ビジョンで表現した、社会プロジェクトの模範的な存在である。1990年代半ばオリヴェッティ社は操業を中止したが、オリヴェッティ社の建設した生活関連施設、文化施設、産業施設は、あらたな価値が見直され、今回イタリア54番目の世界遺産に登録された。

写真上:赤レンガの工場       

イヴレアでは、イヴレアの近代産業、デザイン、文化活動などの発展を多面的に見る事が出来るように下記の施設を公開している。また文化施設の保存などにも力を入れている。

写真上:オフィスビル   

●毎年3月には恒例の「オレンジ合戦」も開催
私は、イヴレアを一度訪れた事がある。今から17年位前で、毎年3月初旬に開催される「オレンジ合戦」を見る為だった。毎年ここでは「ムニャイア」という物語の主人公の女性が選ばれる。そしてナポレオン時代の衣装に身を固めた兵士や衣装を着た人たちの行進があり、それは歴史絵巻の様に美しい。そして午後激しいオレンジの投げ合いがあり、広場にはオレンジのアマ酸っぱい香りにあふれていた。

イヴレア市の世界遺産関連施設
●Associazione Archivio Storico Olivetti  オリヴェッティ歴史資料館

Via Miniere, 31 - 10015 Ivrea (TO)
TEL: (+39)0125-641238
メール: segreteria@archiviostoricolivetti.it  
入場料:5ユーロ
開館日時:月-金 (要予約) 8.30-12.30/13.30-17:00

●MAAM - MUSEO A CIELO APERTO DELL’ARCHITETTURA MODERNA 
近代建築野外ミュージアム 

いつでもオリヴェッティの企業文化建築を見ることができる野外ミュージアム。
Via Jervisを中心とする約2kmにわたるエリア。
Via Jervis 26, 10015 Ivrea (To)
TEL: (+39)0125-410-311 /313
メール: musei@comune.Ivrea.to.it  

  


著者プロフィール

牧野宣彦(まきの のぶひこ)

早大卒。1974年旅行会社にて日本初のニューイヤー・スカラ座オペラツァーを企画。その後コンピュータ会社を経て、1998年によりイタリア、ボローニャ在住。フリーのトラベルライターとして、旅行、音楽、グルメ関係の執筆、写真撮影をする。 2003年オーストリアのエリザベート皇妃、2004年ゲーテのイタリア紀行、2005年モーツァルトのイタリア旅行とオーストリア、2006年はイタリアの世界遺産など毎年テーマを決めて写真撮影を行っている。著書「イタリアの歴史的ホテル・レストラン・カフェ」(三修社)、「イタリアオペラツァー」(あんず堂)「イタリアのベストレストラン」(透土社)「音楽と美術の旅、イタリア」(共著、音楽之友社)などがある。
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