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イタリア小都市ガイド Piccole citta' italiane
15 aprile 2008

チェルヴェテリ Cerveteri
ローマ郊外にある
心なごむネクロポリの町



ラツィオ州 Lazio
ローマ県 Roma




ひらい ゆり

ローマの北40キロにある町チェルヴェテリは、日本ではあまり知られていないが、2004年にチェルヴェテリのネクロポリ(古代エトルリア人の死後の町)がユネスコの世界遺産に登録されたことからも分かるように、世界的にも重要な文化遺産が見られるところである。

●旧市街を散策
チェルヴェテリの市内観光はアルド・モロ広場Piazza Aldo Moroから始めたいと思う。3つの広場がくっついている木の茂る大きな広場だ。
アルド・モロ広場の中心から階段をのぼると、そこがまた広場。教会の名前から聖マリア広場Piazza S.Mariaというが、ここから旧市街になり、歩行者専用になっている。

広場内にある古い建物は12世紀につくられた要塞Roccaで、現在国立エトルリア博物館Museo Nazionale Etruscoが入っている。内部では、かつてこの場所にあった古代エトルリア人の町カエレから発掘された物が展示されているが、ロードス島やカルタゴ、キプロス島などから輸入されたものも多く、サンダルや装身具など身の回りのものを見ると、当時の彼らの生活がいかに豊かであったかが実感される。その他、チェルヴェテリで始まったと言われる陶器やブッケロという黒い陶器なども、やはり一見の価値があるだろう。

さて、カエレは、前9世紀から8世紀にかけて古代エトルリア人によって作られた。町は現在のチェルヴェテリとは比べ物にならないくらい大きく、450ヘクタールに及んだと言われている。中心部は凝灰岩でできた高台にあり、町のほぼ全域を前6世紀に作られた城壁(現在も町の上部に見られる)が囲んでいたという。中世の時代にカエレ・ヴェトウス(Caere Vetus)と呼ばれる地域が作られ、それが現在のチェルヴェテリの名につながっている。その中世時代のカエレが現在の旧市街にあたる。

マリア広場にある大きなポルティコ(前廊)をもつ建物が、ルスポリ館Palazzo Ruspoliである。中世時代の城壁を利用して建てられたもので、現在の建物は16世紀に遡る。当時この辺の当主であったオルシーニ家から17世紀ルスポリ家に所有が移ったためこの名があるが、現在も2階にルスポリ家の君主が夏期住んでいる。1階は当時馬屋、物置小屋、職人の店が入っていたが、現在は会議場などに使われている。

マリア広場から旧市街を散策すると、現在も残る狭い小路に昔ながらの職人の店が結構あり、金細工屋、額縁屋、薬草屋に靴屋など、なかなか面白い。
旧市街でお昼ご飯という場合には、先ほどの聖マリア広場内にある由緒あるレストラン、レ・ジネストレLe Ginestreか、市役所傍のカバリーノ・ビアンコCavallino Biancoがお勧めだ。

写真トップ:聖マリア広場にある要塞
下左:古墳が並ぶネクロポリは緑が多い、右:浮き彫り装飾墓

●最大の見所、ネクロポリへ
さて、ネクロポリへは、海を見て広場から右側のサッソSasso方面へ。500メートルのところでネクロポリの表示があるので、気をつけながらネクロポリ街道Via della Necropoliをとる。
ネクロポリ街道半ばは、みごとな松並木になっており、もうその辺からトゥムロtumulo(古墳)が沢山見えてくる。古墳の外側をみると昔見た奈良の古墳に似ていて何だか懐かしい。

この周辺には約5つの大きなネクロポリがある中、公開されているのはこのバンディタッチャのネクロポリNecropoli della Banditacciaである。
このネクロポリは大変大きい。柵をして内部を管理している部分が12ヘクタール、約2000の墓といった数字になるが、柵をしていない部分でも最近きれいにされて自由に散歩できるようになっているのが嬉しい。

このネクロポリで見られる古墳・墓は時代的には前7世紀から前2世紀に及ぶ。ひとつずつ見ていくと何時間もかかるので、チケット売り場で地図を貸して貰い、特に重要なものだけを見てもいいと思う。
例えば、ネクロポリ内部のメインストリートに沿って、カピテッリ:柱頭墓tomba dei Capitelli、ギリシャ壷墓Tomba dei Vasi Greci、浮き彫り装飾墓Tomba dei Rilievi、カセッタ:小さい家墓Tomba della Casettaなど。

豊かな暮らしをしていた古代エトルリア人だが、やはり貧富の差はここにも見られ、大金持ちは大きな古墳に内部も沢山の部屋がある墓を作っている。死後の生活を信じていた彼らは、生前の家に良く似た内部をここに作っており、現在見られない彼らの家がどんなものであったかをこれで想像することができるわけである。
大きな墓の場合、内部はまず入口から始まる。時には入口前がとても長い階段であったりして、ひとつひとつ石を動かしながら作っていった墓を見ると、いかに彼らが死後の生活を大事に思っていたかが分かる。時にいくつもの部屋になっている内部は、各部屋に石で作られた寝台がある。

特に有名なのは、ネクロポリ前半にある浮き彫り装飾の墓である。ここだけガラス越しに見える内部は、およそ前4世紀から2世紀頃の美しい浮き彫りにヘレニズム文化の影響が見られると言われる。浮き彫りは生活用品や犬、武器など彼らが死後必要だと思っていたものになっていて大変興味深い。

また前5世紀に入ると、貴族やお金持ちだけに限らず中産階級の墓が増えてくる。そういった墓をさいころ墓tombe a dadoと呼んでいるが、実際に同じような墓がいくつも並んでいる。ネクロポリ後半部モンテ・チェリテイ通りVia dei Monti Ceritiには20以上ものさいころ墓があるので、ここも一見の価値がある。

緑の多いこのネクロポリはいつ行っても心がなごむ。春には水仙やアヤメが咲き乱れるネクロポリ内部はまるで古代エトルリア人の美しいアルカディア(桃源郷)のようだ。興味深い古墳を見る価値は大いにあるだろう。

著者プロフィール

ひらい ゆり

在伊14年。現在チェルヴェテリ郊外に子供ふたりに夫と住んでいる。春はサンタ・セヴェラの海岸でジョギングをしようと張り切っている。趣味はスキーや温泉めぐり、編物、読書、美術鑑賞など。

データ
Dati
■アクセス
<チェルヴェテリ旧市街へ>
ローマRoma/チヴィタヴェッキアCivitavecchia間の普通列車でローマ・テルミニ駅からマリーナ・ディ・チェルヴェテリMarina di Cerveteriまで約50分。列車はローマ・テルミニ駅、オスティエンセ駅、トラステヴェレ駅、サン・ピエトロ駅に停まる。列車は20分から30分ごとにある。(電車の時刻は、www.fs-on-line.itで確認できる。)

マリーナ・ディ・チェルヴェテリからはATIという市内バスがあり、バス番号DかD/で旧市街まで約10分。
(時刻は6:40、7:30、8:20、9:20、10:20、11:50、12:40、13:50、14:40、15:30、16:30、17:10、18:10、19:10、20:10、21:10
帰りの時刻表は、旧市街発 6:15、6:55、7:45、8:50、10:00、10:30、11:25、12:20、13:30、14:10、15:05、16:00、16:45、17:50、18:45、19:50、20:50)

車の場合、ローマからは、大きな港のあるチヴィタヴェッキアへの高速道路かアウレリア街道Via Aureliaを北上し、チェルヴェテリ旧市街方面(海側ではなく内陸部)に入る。メインストリートを上っていくと、アルド・モロ広場にぶつかる。アルド・モロ広場は駐車場にもなっており、バスの停留所もここにある。

<旧市街からネクロポリへ>
チェルヴェテリ旧市街からネクロポリまでのバスは番号G。時刻は、8:30、9:00、10:20、11:05、11:55、12:40、14:30、15:30、17:00
ネクロポリからの帰りは、8:35、9:35、10:25、11:10、12:00、12:45、14:35、15:35、17:05
また、少し距離はあるが歩いても行ける。20〜30分くらい。歩くのが好きな方向け。

■インフォメーション
P.I.T. Punto di Informazioni Turistiche
Piazza Aldo Moro1
Tel: 06-9942034

Associazione Pro Loco Cerveteri
Piazza Risorgimento 19
Tel: 06-99551971

チェルヴェテリ市のサイト www.comune.cerveteri.it

■主な見所
国立エトルリア博物館 Museo Nazionale Etrusco
Piazza S.Maria
Tel: 06-9941354
開: 火〜日 8:30-19:00、月休

バンディタッチャのネクロポリ Necropoli della Banditaccia
Tel: 06-9940001
開: (冬季)8:30-16:00、(夏季)8:30-19:30、月休

■おすすめレストラン
レ・ジネストレ Le Ginestre
Piazza S.Maria 5
Tel: 06-9940672
月曜休

カバリーノ・ビアンコ Cavallino Bianco
Piazza Risorgimento 7
Tel: 06-9943693
火曜休

■その他
お土産などにエトルリア時代から有名なチェルヴェテリ特産のワインはどうだろうか。
試飲も出来る、我が家御用達のワイン工場をふたつ紹介しよう。ただし、どちらもアウレリア街道にあるので車利用の人向け。
Cantina Sociale Cerveteri
Via Aurelia km42,700
Tel: 06-994441
値段的には手頃なワインが多い。アリタリアの白ワインはここから。

Casale Cento Corvi
Via Aurelia km45,500
Tel: 06-9903902
少し高級ワイン





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