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イタリア小都市ガイド Piccole citta' italiane
15 dicembre 2008

ボルツァーノ Bolzano
ドロミテ山塊への玄関口
美しい南チロルの町



トレンティーノ - アルト・アディジェ州
Trentino Alto Adige
アルト・アディジェ自治県 Alto Adige




澤山 桂子

「私にとって、ボルツァーノは町に姿を変えた山だ。場所を移動すると表情が変化する。遠ざかると外観が変わり、近づくとまた新しい側面を発見する。異なった言語を話す。魅力的で一貫性がなく、誇り高く協力的、親睦的で冷たい。まさに山の姿をした女優だ。」 登山家 ラインホルト・メスナー 

イタリア北東部のアルト・アディジェ自治県の県都ボルツァーノは、オーストリアの国境から約50キロの距離にあり、1918年まではオーストリア領チロル地方であった。現在でも南チロルとも呼ばれ、ドイツ、オーストリアの影響を強く受ける町で、イタリア語と同様にドイツ語も公用語として話される。町の背景は3000メートル級の山々が連なり、ドロミテ山塊への玄関口として知られる。町には、3つのロープウェイがあり、レノン(Renon)、コッレ(Colle) 、サン・ジェネジオ(San Genesio)につながっており、簡単に山頂に到着でき、壮大なパノラマを気軽に楽しめる。夏はハイキングやトレッキングを楽しむ人々で賑わう。

写真トップ:ボルツァーノのドゥオーモと大きなクリスマスツリー(2008年12月撮影)
下左:町の中心、ヴァルテル広場   右:果物と野菜の市で賑わうエルベ広場

●旧市街を歩いてみよう。
町はこぢんまりとしていて、見所が集中しているのでほとんど徒歩で観光できる。国鉄駅をでて公園の間を通る駅前通りをまっすぐ進むと、町の中心、ヴァルテル広場 Piazza Waltherに突き当たる。途中、左へ曲がるとカナツェイ Canazei やオルティゼイ Ortisei 方面などへのバスが発着するバスターミナルがある。広場の中央には中世ドイツの吟遊詩人ヴァルテル Walther von der Vogelweide像があり、ここでは4月末に花祭り、5月にスペック(燻製生ハム)祭り、10月にカボチャ祭り、そして12月にはイタリアで一番古く、伝統的なクリスマス市が開かれ、毎年、多くの観光客で賑わう。ホットワインを片手に山小屋で作られたチーズを火であぶって、とろとろに溶けたチーズとスペック(燻製生ハム)を挟んだパニーノをぜひ、味わって頂きたい。

ヴァルテル広場の正面には、13世紀初頭から建設が始められたロマネスク・ゴシック様式の教会、ドゥオーモ Duomoがある。繊細な透かし細工を施した62メートルの尖塔(鐘楼)が聳え立ち、緑、黄色、黒の多色の瓦の屋根が非イタリア的でウィーンの聖シュテファン教会 Stephansdom を思わせる。正面の扉と二頭の獅子像とバラ窓は13世紀のロマネスク様式。
広場近くのドメニカーニ教会 Chiesa dei Domenicaniサン・ジョバンニ礼拝堂 Capella di San Giovanniには14〜15世紀のジョット派のフレスコ画があり、みものだ。

写真下左: ロマネスク・ゴシック様式の教会 ドゥオーモ  中:ボルツアーノの目抜き通り ポルティチ通り
右:クリスマスの飾りつけの美しい市内

ドメニカーニ教会の先を右折すると、イタリア語、ドイツ語、英語の3言語にて授業が行われるボルツァーノ大学 Libera Università di Bolzano がある。その先には、大型の日除け傘が立ち並び、日曜日以外は果物や野菜の市がたつエルベ広場 Piazza delle Erbeが見えてくる。18世紀のブロンズ製のネプチューンの噴水のあるカラフルで活気に満ちた広場である。陳列台の向こう側から、青いエプロン der blaue Schurz をした店員が親切に応対する。このエプロンは、この地方独特で農作業時に主に男性が身に着ける。エプロンの右端の裾をまくり上げていると、休憩中又は仕事が終わったという意味。広場の奥のフランチェスカーニ教会 Chiesa dei Francesaniには、14世紀のフレスコ画が描かれた回廊がある。

エルベ広場から西にのびるポルティチ通りVia dei Porticiは、ボルツァーノの目抜き通り。ポルティコ(柱廊)がある為、雨や雪が降っても安心してショッピングができる。柱廊にそって並ぶ建物は後期ゴシック建築のもの。ポルティチ通りを半分程行くと南側にバロック様式の建物がある。商業会議所であったメルカンティーレ宮殿 Palazzo Mercantile だ。

写真下: イタリアで一番古く、伝統的なボルツァーノのクリスマス市

●世界最古のミイラやコンコロ城も見もの
さて、ここでエルベ広場に戻ってタルヴェラ川 Fiume Talvera の方向に進み、約5300年前の世界最古のミイラ、アイスマンが展示されている南チロル考古学博物館へ行こう。エッツィ Ötzi(エッツ渓谷Ötztal で発見された為)の愛称で親しまれ、天気の悪い日は、ドロミティ渓谷への観光客が博物館へ押し寄せるため長い行列ができることもしばしば。エッツ渓谷でアイスマンとともに発見された衣類、装具などがみられるだけでなく、アイスマンの生活、素性、彼の死についての最新の研究結果が分かるようになっており、非常に興味深い。

博物館をでて少し行くとタルヴェラ橋 Ponte Talveraにでる。橋の向こう側は、1930年以降に開けた、整然とした町並みの新市街だ。ファシズム時代の建築物が多くみられる。ビットリア広場 Piazza Vittoria には、ムッソリーニにより建てられた第一次世界大戦の記念碑が住民の間で常に論争の種となっており、ドイツ系住民が撤去を希望し、2001年に前市長が広場の名前を『勝利の広場 Piazza Vittoria』から『平和の広場 Piazza della Pace』に変更したものの、住民投票の上、再度ビットリア広場に戻すことになった。

時間があれば、是非ロンコロ城 Castel Roncoloを訪れたい。タルヴェラ川 Fiume Talvera 沿いの花と緑があふれる遊歩道を北へ20分〜25分歩くとロンコロ城 に到着する。内部には、14〜15世紀のフレスコ画が残っており、狩りや漁、貴族の遊び、馬上試合の様子等、中世後期の貴族の生活が色鮮やかに描かれている。

●おすすめレストランとカフェ
ヴァルテル広場の正面奥にあるホテル チッタ1階に併設されたカフェのケーキは甘さ控えめで美味。ホテルのパティシェが毎日作るフレッシュケーキで、林檎のストゥルーデルStrudel di mele、そば粉のケーキTorta di grano saraceno、フルーツタルトなど、どれもおいしい。栗の時期になると、大きな栗の形をしたチョコレートの中に栗のクリームがぎっしり詰まったクオーレ ディ カスターニャCuore di castagnaが絶品。

ホテル チッタの隣には本場ウィーン「ホテル ザッハー Hotel Sacher」の直営店があり、チョコレートケーキの王様といわれる濃厚なザッハトルテSachertorteが売っている。

ボッタイ通りVia dei Bottaiにあるカヴァッリーノ ビアンコ Cavallino Biancoは手頃な値段でおいしいチロル料理が食べられることで定評がある。シュピナッツシュペッツレSpinatsp?tzle(ほうれん草のニョッキを生クリームとスペックで和えたもの)、シュルッツクラッフェン Schulutzkrapfen(ほうれん草とリコッタチーズのラビオリ)、グーラッシュ Gulasch di cervo(鹿肉のシチュー)からポレンタ Polenta やカネーデリ Canederli (パンの団子。カネーデリの中の具は、スペック、ほうれん草、チーズ、赤かぶなど)のようなの家庭料理まで庶民的な料理が味わえる。

ドットール シュトライター通り Via Dr. Streiter には地中海料理レストラン、コロナ Coronaがある。魚介類が充実した一軒。前菜からセコンドまで魚づくしの料理が食べられる。

エルベ広場にあるホップフェン アンド コー Hopfen & Coでは、おいしい地ビールが飲める。カミンヴュルスト Kaminwurst(細い燻製サラミ)やスペック Speck(燻製生ハム)やチーズをつまみながらグラスを傾ける客で賑わう。アルコールに弱い女性には、ラードラー Radler といってビールを同量のレモネードで割る飲み物がおすすめ。

●ショッピングを楽しもう
ポルティチ通りにあるサイプシュトック Seibstockは、老舗のデリカ・テッセン。アルト・アディジェ特産のチーズ、ハム、スペックをはじめイタリア各地で生産される高級オリーブオイル、バルサミコ酢、パスタをはじめ高級食材がそろう。

グランディ・ヨハン・パニフィーチオ Grandi Johann Panificioには、この地方独特の黒パン、パリパリと歯ごたえのある乾燥パン、シュッテルブロート Sch?ttelbrot 、ライ麦を混ぜたフォーシュロック パアール Vorschlag paarl やカボチャ、くるみ、フルーツなどが入った自家製パンが店頭に並び、小さな店内はいつも常連客でいっぱい。

リッツォッリ F.RIZZOLLI は4世代続く老舗店で南チロルの伝統的なマントやフェルト素材で作られた帽子、スリッパを売っている。

著者プロフィール

澤山 桂子 (さわやま けいこ)

愛知県出身。アルプスの南に他と完全に分離して聳えるドロミテ岩峰群、その麓に広がるの どかな牧草地、そして今なお独自の文化・習慣を守り、暮らす素朴な南チロルの人々に魅せられ、ボルツァーノに住んで約6年。現地高校にて、又、社会人向けに日 本文化・日本語セミナー、短期コースを受け持ち、週末は一年を通して山に出向く山好き。イタリア政府公認、旅行業務取引管理者の資格を取得し、2008年10月 に念願のツアーオペレーター「オイデンツアー」を設立。 ホームページ: www.oidentour.com メールアドレス:keiko@oidentour.com
JITRAに「ようこそドロミテ!」を2011年2月から連載 

データ
Dati
■アクセス
(飛行機の場合)ローマ又はヨーロッパの各都市から乗り継ぎでボルツァーノ空港へ。空港から市内中心地までタクシーで10〜15分。

(列車の場合)ミラノからECで3時間20分、ヴェローナからECで約1時間30分、Rで約1時間40分〜2時間10分。ただし、ミラノからボルツアーノへの直通ECは本数が少ないので、時間帯によってはミラノからヴェローナに行き、乗り換える必要あり。
オーストリア・インスブルックから約2時間、ドイツ・ミュンヘンから約4時間。駅から旧市街まで徒歩3分。

(車の場合) 高速道路A22をボルツァーノで降りる。

■インフォーメーション
ボルツァーノ観光インフォメーションオフィス 
Azienda di Soggiorno e Turismo
Piazza Walther 8
Tel. 0471 307000
Fax 0471 980128
www.bolzano-bozen.it
info@bolzano-bozen.it

■主なモニュメントの情報
ドゥオ-モ Duomo
Piazza Duomo
Tel: 0471 978676
開館時間:月曜-金曜 9:45-12:00/14:00-17:00
土曜10:00-12:00/14:00-16:00 日曜 13:00-17:00

ドメニカーニ教会 Chiesa dei Domenicani
Piazza Domenicani
Tel: 0471 973133
開館時間:月曜-土曜 9:30-17:00 日曜10:00-17:00

メルカンティーレ宮殿 Palazzo Mercantile
Via dei Portici 39
Tel: 0471 945702
開館時間:月曜-土曜 10:00-12.30

南チロル考古学博物館 Museo Archeologico dell'Alto Adige
Via Museo 43
Tel: 0471 320100
Fax: 0471 320122
www.iceman.it
museum@iceman.it
開館時間:火曜-日曜 10:00-17:00  木曜 10:00-20:00
休館日:月曜、1月1日、5月1日、12月25日
JITRAの同博物館紹介ページ 
http://www.japanitalytravel.com/iceman/top.html

フランチェスカーニ教会 Chiesa e chiostro dei Francescani
Via dei Francescani
開館時間:月曜-土曜 10:00-12:00/14:30-18:00

ロンコロ城 Castel Roncolo
Via Castello 14
Tel: 0471 329808
開館時間:火曜-日曜 10:00-18:00

■レストラン・バール
ホテル チッタ Hotel Città
Piazza Walther 21
Tel. 0471 975221
Fax 0471 976688
www.citta.sudtirol.com

カヴァッリーノ ビアンコ Cavallino Bianco
Via dei Bottai 6
Tel.0471 973367
土曜夜、日曜休

コロナ Corona
Via Dr. Streiter 21
Tel.0471 972624
日曜休

ホップフェン アンド コー Hopfen & Co.
Piazza delle Erbe 17
Tel. 0471 300788
www.boznerbier.it

サイプシュトック Seibstock - Delicatessen
Via dei Portici 50
Tel. 0471 324072

グランディ ヨハン パニフィーチィオ Grandi Johann Panificio
Via dei Bottai 18
Tel: 0471 978143

リッツォッリ F. RIZZOLLI
Via dei Portici 60
Tel 0471 973560





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