JAPANITALY Travel On-line

 
イタリア旅行情報サイトJAPAN-ITALY Travel On-line
ローマとその周辺の庭園めぐり
15 Dicembre 2015

第5回 
ヴィッラ・メディチ(メディチ家の別荘) 

  
文・写真/阿部美寿穂 
ローマの観光スポットの一つとして有名なスペイン階段から徒歩すぐのところに、美しい庭園を持つヴィッラ・メディチ(Villa Medici−メディチ家の別荘)があります。ヴィッラは現在フランス政府の管轄にあり、在ローマ・フランス・アカデミーとして使用されていますが、建物内ではイベント・展示会などの他にも毎日5回ガイドツアーが行われており、一般の方でも入場見学(ヴィッラと庭園)することができます。 

トップ写真:@ヴィッラ・メディチからのローマ夜景。左側にはヴェネツィア広場の美しくライトアップされたヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂が見える。   写真下:Aヴィッラ・メディチと正面に広がる庭園  (写真:http://www.villamedici.it/en/ より)

ローマ市内には多くのヴィッラがありますが、特にこのヴィッラは、ローマの七つの丘の一つピンチョの丘の高台にあることから、庭園からはローマの絶景を楽しむことができます。

●ルネサンス時代の瀟洒なヴィッラ
ローマに数多くある貴族のヴィッラの中でも最も美しいものの一つといわれる、ヴィッラ・メディチ。ピンチョの丘から下界を見下ろすように優雅に建つヴィッラとその庭園は、丘の上の開けた見晴らしの良い場所にあります。
ヴィッラの歴史は、1543年にマルチェッロ・クレシェンツィ枢機卿が建築家ナンニ・ディ・バッチョ・ビージョに初期のヴィッラの建築を依頼したことから始まります。その後、1564年にヴィッラと土地はモンテプルチャーノのジョヴァンニ・リッチ枢機卿の甥が購入し、アンニバーレ・リッピにより建築工事は続けられます。

写真下左:BViale Trinita dei Monti に面したヴィッラ・メディチの入口。   写真下右Cイタリア式庭園内部

現在のヴィッラの基礎となる形を持つのは、1576年に枢機卿フェルディナンド1世・デ・メディチが所有するようになってからのことです。建築家バルトロメオ・アンマナーティは、古代ローマ風の浮彫などを用い、ヴィッラの庭園に面した部分のファサードを完成させました。白さが美しいこの部分は、通りに面した建物外側の質素な装飾とは対照的な繊細で手の込んだ作りとなっています。
時は流れ、ヴィッラ・メディチはナポレオン・ボナパルトの所有となると、彼は1666年にルイ14世により創立された由緒ある芸術の研究・教育機関、フランス・アカデミーをヴィッラ内に移し、今に至ります。ヴィッラ・メディチには在ローマ・フランス・アカデミーとなった1803年以降、多くの芸術家達が留学・滞在しました。

写真下:D幾何学模様が特徴的なイタリア式庭園 (写真:http://www.villamedici.it/en/ より)

●ゆったりとしたイタリア式庭園
ヴィッラ・メディチの庭園は8ヘクタール(東京ドーム約1.7個分)の敷地を持ち、ほぼ1500年代の建設当時そのままの様相を残しています。

写真下左:Eイタリア式庭園園内  写真下右Fジャンボローニャ作のメルクリウス(コピー)。オリジナル像は1780年までヴィッラ・メディチが所有していた。現在はフィレンツェのバルジェッロ美術館に所蔵されている。 

このヴィッラ・メディチの庭園については、当時の人々の”イタリア日記”や”イタリア旅行記”からも記述が見つかっており、同時代の人達にとっても興味深い庭園であったと思われます。 イタリア式庭園の園内は、ツゲなどを刈り込んで長方形に16の区画が作られています。空から見るとまるで緑のパズルの様です。

写真下左:G庭園内の果樹園。”フランス”をイメージさせる為、縁取りとして各所に植栽されているラベンダー。ガイドさんによると、このフランスのラベンダーはローマの土壌とあまり相性が良くないらしく、蕾を付けたことがほとんどないそう 写真下右Hギリシャ神話に登場するニオベ―の息子達を主題にした庭園の装飾(コピー)。日本人画家出田節子氏を妻とし、1960年代に館長を務めていたシュルレアリズムの巨匠、バルテュスによる。

●一日の中で色を変えるローマ
夕方出発するヴィッラのガイドツアー(詳細は下記の関連データ)に参加すると、庭園から日没のローマの様子を見ることができます。大聖堂や教会が多くあり、別名”クーポラ(丸屋根)の町”とも呼ばれるローマ。夕暮れ時は赤とんぼ色の空をバックに、大小様々な大きさのクーポラがくっきりと見え、とてもロマンティックです。   

写真下左:I庭園から望むバチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂(昼間)   写真下右:J庭園からの美しいローマ夜景

ローマのパノラマを楽しめるスポットは市内にも色々ありますが、ここからの眺めはバチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂と、ヴェネツィア広場のヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂の両方がとても良い位置に見えます。

今回は、ローマにおいて当時のメディチ家の威勢を示すシンボルでもあった“ヴィッラ・メディチ”をご紹介しました。 ローマ中心部にありながらヴィッラ・メディチのすぐ北側には80ヘクタールの森が広がるボルゲーゼ公園(Villa Borghese)があります。自然がお好きな方にはこの辺りの散策はとても楽しめると思います。

著者紹介
阿部美寿穂(あべみずほ)

ローマ県公認観光通訳。ローマ大学卒。地球の歩き方ローマ特派員、公益財団法人日伊協会コラムニスト、たびねすイタリアガイド。植物の専門知識を活かしてイタリアの庭園等も専門的に案内しています。グリーンアドバイザー。

ヴィッラ・メディチ Villa Medici 関連データ
Dati
■住所
Viale Trinita dei Monti, 1 Roma, Italy

■ヴィッラのガイドツアー
ヴィッラの見学にあたっては、一般の方用に下記のガイドツアーが実施されています。

<歴史訪問ツアー (Visite storiche)>
ヴィッラの庭園、枢機卿の居室などをガイド付きで見学するツアー。

入場料は一人12ユーロ。ただし、展示会が開催されている場合は展示会の入場料込み。 所要時間90分。毎週月曜日を除き、毎日5回催行。一ツアーにつき最大25名まで受付け。切符は予約なしでも空きがあればツアー時間の30分前から購入することができる。

タイムテーブル(4-5月)
10:00(フランス語)
11:00(フランス語、イタリア語)
12:00(英語)
14:30(フランス語)
15:00(フランス語)
16:30(イタリア語)
18:00(フランス語)

タイムテーブル(6-8月)
10:00(フランス語)
11:00(フランス語、イタリア語)
12:00(英語)
15:00(フランス語)
16:30(フランス語、イタリア語)
18:00(フランス語) 

タイムテーブル(9-10月)
10:00(フランス語)
11:00(フランス語、イタリア語)
12:00(英語)
14:30(フランス語)
15:00(フランス語)
16:30(イタリア語)
18:00(フランス語)

タイムテーブル(11-3月)
10:00(フランス語)
11:00(フランス語、イタリア語)
12:00(英語)
14:30(フランス語)
16:00(フランス語とイタリア語) 

*その他のツアーの詳細は下記のホームページをご覧下さい。

■各種展示会の開催時間
毎週火-日曜日 10-19:00。入場料は展示会により異なる。

■休館日
毎週月曜日。1月1日、5月1日、12月25日。

■ヴィッラ・メディチホームページ  
http://www.villamedici.it/en/ (英語)

■お問い合わせ
電話 +39-06-67611
Email visiteguidate@villamedici.it

■行き方
地下鉄A線スパーニャ駅(Spagna)で下車し徒歩すぐ。またはA線バルベリーニ駅(Barberini)から徒歩約10分。

http://www.japanitalytravel.com
©  JAPAN PLUS ITALY - MILANO 2013 All rights reserved.