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ローマとその周辺の庭園めぐり
15 Gennaio 2017

第8回 
ヴィッラ・ボルゲーゼ(ボルゲーゼ公園)  

  
文・写真/阿部美寿穂 
ローマには多くの美しいヴィッラがあります。ピンチャーナ地区にある「ヴィッラ・ボルゲーゼ(Villa Borghese)」は、ローマ中心部でヴィッラ・ドーリア・パンフィーリ、ヴィッラ・アーダに続いて3番目に広い敷地面積を持つ市民公園です。

●ローマ中心部にある緑溢れる公園
ローマの観光スポットの一つとして有名なスペイン階段から徒歩でアクセス出来る便利な距離にあり、中心部にあるこの緑溢れる公園は年間を通じて多くの市民、観光客に愛されています。80ヘクタール(東京ドーム17個分)の広大な敷地には、多種に渡る樹木が植栽され、まるで森の様なその木々の間に美術館、動物園、劇場などの建物が点在しています。

トップ写真:@ヴィッラ・ボルゲーゼ内の湖の庭園。中央に見えるのはエスクラピオの神殿。1786年にアントニオ・アスプルッチらにより建設。 写真下左:Aヴィッラはピンチャーナ門(Porta Pinciana)から入るのが分かりやすい。まずは左右に松林が広がるViale del Museo Borgheseを一直線にボルゲーゼ美術館の方向へ。天気の良い日には特にベンチで休む人々が多い。写真下右:B広い敷地内ではレンタサイクルやミニ遊覧バスを利用しての移動も可能。

広いのでどこから見学を始めたら良いのか戸惑われる方も多いですが、公園を初めて訪れる場合であれば、ピンチャーナ門からスタートされると一番分かりやすく、かつ主な見所を効率的に廻れると思います。

写真下:Cボルゲーゼ美術館。小さな美術館だが、プライベートコレクションの女王と呼ばれ、イタリアでも有数のギャラリーとなっている。建物の建築を担当したのはフラミニオ・ポンツィオ、ファサードはヨハン・ファン・サンテンによる。イタリアでは2014年7月以降、「文化遺産はみんなで享受しよう!」をモットーに文化財・文化活動と観光省が改革を打ち出しており、ボルゲーゼ美術館も毎月第一日曜日は入場料が無料(事前予約必須)。

●ボルゲーゼ家の緑のオアシス
今日のボルゲーゼ公園の大方の部分は、1600年代当時に造営されたものが核となっています。ヴィッラの歴史は、1606年にボルゲーゼ家のシピオーネ枢機卿がお抱え建築家フラミニオ・ポンツィオに初期のヴィッラの建築・設計を依頼したことから始まります。偉大なボルゲーゼ家に相応しい、「悦楽の別荘」を郊外に造ることを目的に建設が進められました。

その後、1613年にヨハン・ファン・サンテン、ジローラモ・ライナルディ、カルロ・ライナルディらに委ねられ、1633年にヴィッラは完成を遂げました。園内の植栽は、時代の流れと共に幾何学模様の植え込みなどを中心としたイタリア式庭園から、より自然なイギリス式庭園へと変遷して行きました。

写真下:DEボルゲーゼ美術館の両脇には柑橘類の庭などが広がる。この部分のスペースは、ヴィッラの建設当時は、144の柑橘類の鉢が24列に分かれて幾何学模様風に配置されていた。

慶長遣欧使節の支倉常長が謁見したことから日本とも縁の深い、ローマ教皇パウルス5世のお気に入りの甥シピオーネ枢機卿は、芸術の優れた目利きでもありました。ヴィッラの敷地内に1617年にはカジーノ・ノビレ(現在のボルゲーゼ美術館)が完成し、内部に古代彫刻や絵画などを数多く収集します。1600年代前半には、既に今日美術館で見られる作品がコレクションされていたと言われます。

写真下左:F日時計台の建物からレモンなどの柑橘類や花々が植栽されている中庭、奥には鳥小屋が見える。日時計台も鳥小屋も1600年代に建てられたもの。   写真下右:G園内の散策路。 

ヴィッラは長い間ボルゲーゼ家の私有地でしたが、1901年にローマ市が買い上げ、1906〜1908年には隣接しているピンチョの丘にある公園と繋げられました。今日ではポポロ広場からピンチョの丘へ上り、ボルゲーゼ公園内に入ることが出来ます。

●多目的に楽しめるボルゲーゼ家のヴィッラ
公園内には、ビオパルコ(動物園)、ボルゲーゼ美術館、ピエトロ・カノニカ美術館、カルロ・ビロッティ美術館、シルヴァーノ・トーティ・グローブ・シアターなどの文化施設があります。

写真下左:H1791年に完成の海馬の噴水。  写真下右:Iシエナ広場(写真左)周辺では多くの人が日光浴をしていた。写真右奥に見えるのは時計の館。1792-1807年まではガビィの考古学調査からの出土品を展示していたが、現在は市の事務所となっている。 

また園内の主な樹木は、ヒマラヤスギ、モミの木、トキワガシ、クルミ、ナラ、ニレ、クリ、ポプラ、ボダイジュ、マグノリア、カエデ、草花はポピー、ヒナギク、ヒヤシンス、ラン、シクラメン、アネモネなどが植栽され、筆者が訪れた時期は、地面に落ちている沢山のドングリ(大きさも形も様々)を見ることが出来ました。

写真下左:Jピエトロ・カノニカ美術館前の「慎ましい英雄(ラバ)と山岳兵」。公園内は多くの像で飾られている。   写真下右:K公園内風景

●ローマの絶景も楽しめるヴィッラ
ボルゲーゼ公園のおすすめの散策ルートは、ピンチャーナ門から入り、ボルゲーゼ美術館を過ぎた後に海馬の噴水の前を通り、公園中心部のシエナ広場方面へ行く行程です。その後、ピエトロ・カノニカ美術館の横を通り、湖の庭園、そしてローマの絶景が素晴らしいピンチョの丘へ抜けると良いでしょう。
大聖堂や教会が多くあり、別名「クーポラ(丸屋根)の町」とも呼ばれるローマ。ポポロ広場上のピンチョの丘付近からは、大小様々な大きさのクーポラがくっきりと見え、とてもロマンティックです。 ローマのパノラマを楽しめるスポットは多くありますが、ここからはバチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂と、ヴェネツィア広場のヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂の双方が同時に楽しめます。

写真下:Lピンチョの丘付近から見たローマの眺め。写真右奥に見えるのが、バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂のクーポラ。撮影時は午後の西日が強く射していた。  

今回は、ローマ中心部にありながら広大なスペースの緑が広がるボルゲーゼ公園をご紹介しました。園内では様々な種類の動物、植物に会うことが出来ます。自然がお好きな方にはこの公園の散策はとても楽しめると思います。

写真下:MNボート遊びを楽しむ人々。貸しボートの料金は、大人一名3ユーロ(20分間)。


著者紹介
阿部美寿穂(あべみずほ)

ローマ県公認観光通訳。ローマ大学卒。地球の歩き方ローマ特派員、公益財団法人日伊協会コラムニスト、たびねすイタリアガイド。植物の専門知識を活かしてイタリアの庭園等も専門的に案内しています。グリーンアドバイザー。

ヴィッラ・ボルゲーゼ Villa Borghese 関連データ
Dati
■住所
Via Aldrovandi, Via Raimondi (入口2ヶ所), Via Pinciana (入口2ヶ所), Piazzale San Paolo del Brasile, Piazzale Faminio, Piazzale Cervantes 入口が多数ある為、市のホームページに登録されている住所は数ヶ所あります。3番目のVia Pincianaや、Piazzale Flaminioが分かりやすい入口でしょう。

http://www.sovraintendenzaroma.it/i_luoghi/ville_e_parchi_storici/ville_dei_nobili/villa_borghese

■入場料
無料

■休館日
なし。年中オープン。

■ヴィッラ・ボルゲーゼ ホームページ
http://www.060608.it/en/cultura-e-svago/verde/giardini-ville-e-parchi-urbani/villa-borghese-parco-di-culture.html  (英語)
http://www.sovraintendenzaroma.it/i_luoghi/ville_e_parchi_storici/ville_dei_nobili/villa_borghese (イタリア語)

■お問い合わせ
電話 +39-06-0608(ローマ市観光局) 
色々番号はありますが、今の所この番号を記載するのが一番良いです。

■行き方
地下鉄A線バルベリーニ駅(Barberini)で下車し、ピンチャーナ門まで徒歩。またはA線フラミニオ駅(Flaminio)で下車し、フラミニオ広場に立つ「神殿入口」からアクセスも可。

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