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ローマとその周辺の庭園めぐり
15 Ottobre 2015

第4回 
ローマ市営バラ園

  
文・写真/阿部美寿穂 
10月18日まで臨時オープン中のローマ市営バラ園Roseto di Roma Capitale。 
ローマ市営バラ園はローマの七つの丘の一つアヴェンティーノの丘にあり、正面にチルコ・マッシモ、すぐ近くには真実の口などの有名な観光スポットがあります。「ローマの真ん中にこんな美しいバラの谷があったとは!」などと驚かれることも多いバラ園は、一度その存在を知ってしまうと毎年訪れてしまう人が多い魅力的なガーデンです。

トップ写真:@ローマ市営バラ園の美しく咲き誇るバラ
写真下:ABローマ市営バラ園の園内。自由にバラに触れたり香りを感じたりすることができる

バラの開花期(5月頃)には園内には世界中から集まった1.000種以上のバラが咲き乱れ、風のない時などは体がフワリとバラの良い香りに包まれてしまいます。今回は、ローマの中心部にあるこの素敵なバラ園をご紹介したいと思います。

●古代のアヴェンティーノの丘と「ムルチャの谷」
平坦に感じる首都ローマですが、実は北から時計回りに、クイリナーレの丘、ヴィミナーレの丘、エスクイリーノの丘、チェリオの丘、アヴェンティーノの丘、パラティーノの丘、カンピドーリオの丘の七つの丘があります。

今日バラ園がある、丘の中で一番南に位置するアヴェンティーノの丘に人が住み始めたのは、王政ローマ時代(紀元前753年〜509年)のことです。この丘は紀元前6世紀に建てられた、ローマの町を防御するセルウィウス帝の城壁の内側に既に取り込まれていたにもかかわらず、クラウディウス帝の時代(41〜54年)までポメリウム(「ローマ」とその外側を隔てる古代ローマ時代の境界線)の外側に位置していた為、多くの異国の神々を祀る神殿を建てる場所としても好都合でした。

写真下:CDローマ市営バラ園の美しいバラ。

紀元前240/238年頃には、丘の上の重要な通り沿いに花の女神フローラに捧げられた神殿(Tempio di Flora)が、お花のお祭り「ルーディ・フロレアーレスLudi Floreales)の創設と共に建てられました。花の女神フローラを称え崇める「ルーディ・フロレアーレス」のお祭りは、アヴェンティーノの丘とパラティーノの丘の間にある「ムルチャの谷(Vallis Murcia ヴァッリス・ムルチャ)」で毎年春に行われていました。

ムルチャの谷は名の通り、地形的に窪みのある、現在のチルコ・マッシモがある場所です。共和制ローマ期の著作家ウァロによると、ムルチャの谷(Vallis Murcia)は「Vallis Myrtea」が変形したものであると記しています。Myrteaの意味は「ギンバイカ(学名:Myrtus communis L.)」であり、おそらく、谷は古代はギンバイカの花々が咲く美しい谷であったのかもしれません。

こうして古代には常に花と縁があったであろう場所は、時代が流れても主にブドウ畑や農作地などと形を変え使用されて来ました。現在のバラ園の原型が作られるのは1930年代のことです。

写真下:Eヴァッレ・ムルチャ通りを挟んで南側にあるバラ園入口。週末は特に訪問者でいっぱい。

●バラの谷−1.100種のバラの競演
アヴェンティーノの丘の斜面に広がるバラ園は一万uの敷地を持ち、ヴァッレ・ムルチャ通りを挟んで北側と南側のバラ園に分かれています。園内は「ボタニック ローズ」、「アンティーク ローズ」、「モダン ローズ」の三つのセクションに分かれ、日本から南アフリカまで世界中から集められたバラのコレクションを楽しむことができます。

写真下:FGローマ市営バラ園の美しいバラ

「ボタニック ローズ」の中には、その起源を四千万年前に持つという原始的な種もあります。一風変わった品種としては、花弁が緑色のバラ(学名:Rosa Chinensis Virdiflora)、花の色が少しずつ変化するバラ(学名:Rosa Chinensis Mutabilis)、強烈な悪臭がするバラ(学名:Rosa Foetida)という悪臭がするバラがあり、注目を集めています。

写真下左:Hバラ園の背後にパラティーノの丘の皇帝達の宮殿の遺構が見える。 写真下右:I南側のバラ園からは、美しいバラの谷を一望することができる。ローマの典型的なパノラマを演出するイタリアカサマツ(学名:Pinus Pinea L.)は、生長すると25m程(建物ではほぼ8階)にもなる。写真中央左側には、真実の口があるサンタ・マリア・イン・コスメディン教会の鐘楼が見える。

●世界でもここだけ、古代遺跡がバックに見えるバラ園
バラ園のあるアヴェンティーノの丘の向かい側はパラティーノの丘です。ローマの七つの丘の中で最も古い歴史を持つ丘の上には、皇帝達の宮殿の遺構が見えます。特に夕暮れ時には、チルコ・マッシモ側から見る皇帝達の宮殿跡にはオレンジ色の日が射し、古代の夢の跡とはいいますが、物悲しくなるせつない眺めでもあります。バラ園の写真を撮ると、背後に遺跡が入ってくるのはローマならではです。

写真下左:Jかわいい写真が撮れる、ハート型のバラのトピアリー。   写真下右:Kバラ園でくつろぐ人々

今回はローマ中心部にある、「ローマ市営バラ園」をご紹介しました。一般の観光客の方々にはまだまだ知られていませんが、ローマでも5本の指に入る魅力的なガーデンです。 バラ園の周囲には真実の口など多くの観光スポットがあります。バラの開花時期にローマに滞在される機会があれば、香り豊かなバラの谷を訪れてみませんか?

著者紹介
阿部美寿穂(あべみずほ)

ローマ県公認観光通訳。ローマ大学卒。地球の歩き方ローマ特派員、公益財団法人日伊協会コラムニスト、たびねすイタリアガイド。植物の専門知識を活かしてイタリアの庭園等も専門的に案内しています。グリーンアドバイザー。

ローマ市営バラ園 Roseto di Roma Capitale 関連データ
Dati
■住所
Via di Valle Murcia, 6 Roma, Italy

■オープン時間 (2015年)
4月21日(ローマ建国記念日) - 6月14日の8:30-19:30。
10月4日-18日の月曜-木曜日は9:00-16:00、金曜-日曜日は9:00-18:00。

■入場料
無料

■休館日
5月16日(バラの新品種コンクールの選考会の為、閉園)

■ローマ市営バラ園ホームページ(ローマ市観光局)
http://www.060608.it/en/cultura-e-svago/verde/giardini-ville-e-parchi-urbani/roseto-comunale.html(英語)

■お問い合わせ
電話 +39-06-5746810
Email  rosetoromacapitale@comune.roma.it
* 遠方からお越しの方は、お電話やEmailで開園日(時間)をご確認されることをお奨めします。

■行き方
地下鉄B線チルコ・マッシモ駅(Circo Massimo)で下車し徒歩約10分。
またはバス51番、81番、85番、87番、118番、628番、C3番がバラ園前の停留所「チルコ・マッシモ/ローマ市営バラ園」(Circo Massimo/Roseto Comunale)に停車。

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