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ローマとその周辺の庭園めぐり
15 Gennaio 2018

第11回 
「ローマで一番大きな市民公園」
ヴィッラ・ドーリア・パンフィーリ  

  
文・写真/阿部美寿穂 

●美しいイタリア式庭園も楽しめる公園
今回は公共の公園としてはローマで最大の面積を持つ、ヴィッラ・ドーリア・パンフィーリ(Villa Doria Pamphilj ドーリア・パンフィーリ公園)をご紹介します。ヴァティカン市国の南東、下町トラステヴェレ地区の東側にあるドーリア・パンフィーリ公園は、184ヘクタール(東京ドーム38個分)の広大な面積の中に小さな貴族の邸宅や噴水が散らばり、今風に表現するならば、「インスタ映え」する美しいイタリア式庭園も楽しめる市民の憩いの場です。

トップ写真:@幾何学模様が特徴的な美しいイタリア式庭園。「ベル・レスピーロの小邸宅」   写真下:A公園の東のサン・パンクラツィオ通りで出迎えてくれる「クアットロ・ヴェンティのアーチ」。これは1849年のイタリア統一運動の際に半壊した「クアットロ・ヴェンティの小邸宅」の場所に建築家アンドレア・ブジーリ・ヴィーチにより建てられたもの。

●歴史あるローマ貴族のヴィッラ
ヴィッラは他の多くのローマの庭園と同じように、ローマ貴族パンフィーリ家により起源を発しています。ローマ教皇インノケンティウス10世の甥、カミッロ・パンフィーリ枢機卿は、1630年代の初めに現在の場所に幾ばくかの土地を購入しました。最近の研究では、枢機卿はヴィッラのプロジェクトをバロック時代の建築家ボロミーニにも相談していたことが分かっていますが、ヴィッラの建設に携わった重要な二人の人物は、彫刻家で古代彫像修復のエキスパート、アレッサンドロ・アルガルディと、建設の現場監督として指揮を執った画家で建築家のジョヴァンニ・フランチェスコ・グリマルディです。

写真下左:B園内には様々な種類の樹木が生い茂る。数百本のカシなどが並ぶ散策道は、ジョギングをしたり散歩をしたりする人が多くいる。 写真下右:C弾丸くらいの大きさがあるイタリアのどんぐり!。

●広大な敷地でのびのび!ローマっ子の憩いの場
ヴィッラ内の中核的な建物には、古代彫刻を施された「ベル・レスピーロの小邸宅」と、農業のゾーンにある「ヴィッラ・ヴェッキア」と呼ばれる二つがあります。ヴィッラの中に大きな邸宅が一つと、小さいけれど美しく手の施された洗練された小邸宅がある点は、ローマのヴィッラ・ルドヴィシやヴィッラ・モンタルトと全く同じです。このような小邸宅は、内部に美術品のコレクションを招き入れる目的も持っていて、いつの時代にも、領主は所有する土地を美しく飾り、自らの権力を誇示したい強い欲望がありました。

写真下左:D幾何学模様が特徴的な美しいイタリア式庭園。「ベル・レスピーロの小邸宅」は、今日は国の管轄となっている。柑橘類の鉢が並ぶ優美な庭園の写真をSNSなどにあげる人も多い。 写真下右:Eファウヌスの噴水はテアトロの庭の中心を飾る。奥に見えるのがベル・レスピーロの小邸宅。

公園は当初は大きな半円形でしたが、1960年のオリンピック開催の際に、敷地の中央部を左右の西と東に分断するようにレオーネ13世通り(通称「オリンピック通り」)が通されることとなりました。公園の東側には、歴史的な建築物と庭園、噴水などの見どころが集中しています。一方、西側は手つかずの自然が残る部分です。

写真下左:FGベル・レスピーロの小邸宅前のテアトロの庭にあるヴィーナスの噴水。アレッサンドロ・アルガルディのデザインによる。

公園内を歩くと、今日でも多くの古い時代の歴史を目にすることが出来ます。例えば、ヴィッラの北側の敷地に隣接している旧アウレリア街道付近では、ローマ水道であるパオラ・トライアーナ水道の遺構や多くのローマ時代のネクロポリが集中しています。よって、イタリア式庭園(写真@D)や遺跡、歴史的建築物を見学するなら、公園の東側部分からの訪問をおすすめします。

●1700〜800年代にかけて大きく変遷して行くヴィッラ
ローマ貴族パンフィーリ家の田舎の滞在用としての機能を持ったヴィッラは、1700年代は、用水路や池の整備など特に重要な改修が行われます。

写真下左:H1902年にテアトロの庭に建てられた礼拝堂はヴィッラ内の最後の重要な建築物。   写真下右:I緑濃いヴィッラは、素晴らしい森林浴が楽しめる都会の中のオアシス。

1856年になると、アンドレア5世・ドーリア・パンフィーリが、今日では図書館となっているコルシーニの小邸宅を所有します。その後、1939年にローマ市による買収が始まり、70年代初めにかけての公園敷地の最終整備の後に、私達も入場出来る一般公園として公開されることとなりました。

写真下左:J公園内には様々な形の多くの噴水がある。  写真下右:Kヴァティカン市国のサン・ピエトロ大聖堂のクーポラ(丸屋根)も見える。昔はローマ近郊の羊飼い達がローマの方向を確かめる為に目印にしていたというのも分かる。

●若葉の緑の美しい春先と紅葉の秋がおすすめ
緑豊かなヴィッラは春夏秋冬、それぞれの季節の魅力がありますが、写真撮影をするなら若葉の緑が美しい春先と、湖周辺の木々の紅葉が楽しめる秋がおすすめです。ローマは冬も比較的温暖ですので、散歩をするなら、悪天候でなければ一年中楽しめます。

写真下左:L湖に続く人口の用水路には透き通った水が流れ、せせらぎの音が耳に優しい。 写真下右:M湖の周りのベンチで読書をする人、お昼寝をする人、バードウォッチングをする人が多くいた。

今回はローマで最大規模を誇る市民公園「ヴィッラ・ドーリア・パンフィーリ」をご紹介しました。園内には木々が生い茂り、自然の中でのんびりと過ごせる緑のオアシスです。ローマ滞在時には、かわいらしい小鳥が囀る緑豊かな公園でリラックスしてみませんか?

著者紹介
阿部美寿穂(あべみずほ)

ローマ県公認観光通訳。ローマ大学卒。地球の歩き方ローマ特派員、公益財団法人日伊協会コラムニスト、たびねすイタリアガイド。植物の専門知識を活かしてイタリアの庭園等も専門的に案内しています。グリーンアドバイザー。

ドーリア・パンフィーリ公園 Villa Doria Pamphilj 関連データ
Dati
■住所
Via Aurelia Antica, Via Leone XIII (Olimpica), Via della Nocetta, Via Vitellia, Via di Porta S.Pancrazio
市のホームページに登録されている入口は上記の箇所です。一番最後のVia di Porta S.Pancrazioが分かりやすい入口でしょう。
http://www.sovraintendenzaroma.it/

■オープン時間

10月-2月  7:00-18:00
3月-9月   7:00-20:00                                                     
4月-8月   7:00-21:00                                                                       

■入園料
無料

■ホームページ
http://www.sovraintendenzaroma.it/ (イタリア語)
http://www.villapamphili.it/ (イタリア語)

■行き方
テルミニ駅から64番のバス(Piazza Stazione San Pietro行き)に乗り、停留所LGT Sassia/S.Spirito で下車し、115晩のバス(循環Paola行き)に乗り換える。Carini/S.Pancrazioの停留所で下車し、公園の入り口(Largo Tre Giugno 1849)まで徒歩約2分。
http://www.sentiero.eu/en/

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