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ローマとその周辺の庭園めぐり
15 Maggio 2015

第9回 
ローマっ子のサンクチュアリ「ディヴィーノ・アモーレ」

  
文・写真/阿部美寿穂 
本日は、春は特に素晴らしい景色が楽しめる緑の中のオアシス、サンクチュアリ「ディヴィーノ・アモーレ」(Sanctuary of Our Lady of Divine Love)をご紹介します。 ローマの南にあるこの有名な教会は、周辺一帯が「サンクチュアリ(聖地)」となっていることで知られています。ローマっ子は親しみを込めて「ディヴィーノ・アモーレ」と呼びます。サンクチュアリやその周辺は、のどかな田園風景が広がる非常に美しい場所です。

●お花畑が広がるサンクチュアリ
サンクチュアリは、ローマの中心部から南へ15kmのカステル・ディ・レーヴァCastel di Levaという地域にあります。イタリアの首都ローマは建築物が多く立つイメージがありますが、中心部から郊外へバスで20分も行くと、ヒツジの群れが散らばるのどかな場所が広がります。

トップ写真:@サンクチュアリ内の新しい教会の正面には素晴らしい景色が広がる。 
写真下左:Aサンクチュアリ近くの景色。ヒツジが放牧されている。 写真下右:Bサンクチュアリは大きな複合施設の為、数カ所の入口から入場することが出来る。

郊外のサンクチュアリへは、公共交通機関を使っていく場合の行き方は二パターンありますが、218番のバスを利用する方法が一番簡単です。特筆すべきは、有名な聖地であることから年間を通じて多くの訪問者がある為、訪れるのが初めての方でもご心配はいりません。バスの所要時間は時間帯によっても違いますが、この路線を利用した場合、ローマのサン・ジョヴァンニから20分程です。行き方の詳細はこの記事の下部に記しますのでご覧下さい。

聖地の中には草原や林が一面広がります。特に今の時期は野生のヒナギク(デージー)やポピーが咲き乱れ、サンクチュアリ内はお花畑になっています。素晴らしい景色が楽しめます!

写真下:CDワイルドフラワーが咲き乱れるお花畑

●長い歴史のあるローマっ子の聖地
良く管理されたサンクチュアリの広大な敷地には草花が樹木が植栽され、その間に聖堂、洞窟、オーディトリアム、お食事処などが点在しています。自然の中に散らばる施設は1-31番(地図参照)まであり見所も沢山です。当然ながら見学料はかかりません。世界中から巡礼者が訪れる為、ホテル(地図上12番) もあり、泊まり掛けで滞在することも可能です。
イタリア語では、ディヴィーノ・アモーレの「ディヴィーノ(Divino)」は「神の」、「アモーレ (Amore)」は「愛」という意味です。聖地と名付けていられる様に、神の愛がギュッと詰まっています。

写真下左:写真E:野生のポピーで埋め尽くされている丘  写真F:水色のお花がかわいい野生のボリジ。

サンクチュアリの歴史は昔に遡ります。1740年、バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂に巡礼に向かっていた一人の巡礼者が、この付近の草むらで道に迷ってしまいます。すると、道端にたむろしていた腹を空かせた凶暴な野良犬達に襲われてしまいます。その時、ふと目に入った道端にあった塔に幼子イエス・キリストを抱く聖母マリア様の絵があることに気付き、マリア様に必死で命を助けてくれる様にお祈りをします。すると、すぐに野良犬達は何事もなかったかの様に立ち去ったのでした。そして、このマリア様の奇跡が世に広く知られることとなり、少しずつ巡礼者がこの塔のマリア様のイコンにお祈りをしにやって来る様になりました。

●新旧二つの教会
サンクチュアリには2つの教会がありますが、丘の上にある小さな古い方の教会(写真参照)は、この奇跡のすぐ後の1744年にこの塔にあった聖母マリア様の絵を迎え入れる目的で建てられました。幼子イエス・キリストを抱く聖母マリア様は14世紀に描かれたフレスコ画と分かっています。

写真下左:Gサンクチュアリの地図。  写真下右:H古い聖堂。地図上では1番の位置にある。 

一方、1999年に建てられた新しい方の教会は、ローマの住民が第二次世界大戦中(1944年6月4日)にローマを戦火から守ってくれるようにマリア様に祈りを捧げたことに由来しています。見事に願いは届き、ローマを守ってくれたマリア様に感謝の気持ちを込めて2つ目の教会を捧げました。大きなモダンな聖堂です。

写真下:IJ新しい聖堂。地図上では7番。すぐ隣にはお食事も出来るバールがある。      

●心が癒される絵葉書の様な風景
サンクチュアリ内には小川も流れ、遠くにはカステッリ・ロマーニ(ローマ南西の避暑地)の丘陵地帯が見えます。筆者が訪れた春の一日(2017年4月29日)は、野生のポピーが草原いっぱいに咲き乱れ、さながら絨毯の様でした。草花やハーブがお好きな方はびっくりされると思いますが、こちらでは野生のボリジ(ムラサキ科)やカレープラント(キク科)などが生えています。

写真下左:K預言者エリヤの洞窟前はカレープラントの放つカレーのスパイシーな香りが漂っていた。  
写真下右:L新しい方の教会の近くに、ウサギの様な大きなふわふわの耳を持つかわいいロバがいた。

今回はローマっ子の聖地「ディヴィーノ・アモーレ」をご紹介しました。草原に寝転がって昼寝をする人や読書をする人も多く見られるサンクチュアリは、ローマ市内で自然の中でのんびりとしたい方にはお奨めのスポットです!

ローマでは毎週土曜日に、カペーナ門(Porta Capena)前からディヴィーノ・アモーレまで歩くイベント「巡礼ウォーキング」が開催されています。ウォーキングは、深夜0時にカペーナ門を出発し、夜通し歩いて早朝5時位にサンクチュアリに到着します。(列には救急車が同伴するので安心です) 「巡礼ウォーキング」は復活祭の次の土曜日から10月最終週の土曜日まで行われています。どなたでも参加が出来るので、ご興味のある方はどうぞ。

* カペーナ門は地下鉄B線 チルコ・マッシモ駅の国連(国際連合食糧農業機関 FAO - Food and Agriculture Organization )側の出口横にあります。

著者紹介
阿部美寿穂(あべみずほ)

ローマ県公認観光通訳。ローマ大学卒。地球の歩き方ローマ特派員、公益財団法人日伊協会コラムニスト、たびねすイタリアガイド。植物の専門知識を活かしてイタリアの庭園等も専門的に案内しています。グリーンアドバイザー。

ローマっ子のサンクチュアリ”ディヴィーノ・アモーレ
”Santuario della Madonna del Divino Amore   関連データ
Dati
■住所
Via del Santuario, 10 Roma, Italy

■オープン時間
サンクチュアリは複合施設の為、開館時間は各施設による。
大まかな施設のオープン時間の目安は、平日 6時30分-20時、祝祭日 6時-20時30分。

■入場料
無料

■休館日
なし。年中オープン

サンクチュアリ”ディヴィーノ・アモーレ” ホームページ
http://www.santuariodivinoamore.it/

■お問い合わせ
電話 +39-06-713518 

■行き方
ローマ地下鉄A線のサン・ジョヴァンニ駅で下車し、駅前の広場 Piazza di Porta S. Giovanniから218番のバスに乗る。(Ardeatina - Scuola Padre Formato行き)
「Santuario Divino Amore」の停留所で下車。週末は多くの方がディヴィーノ・アモーレで下車する。バスの運転手さんにディヴィーノ・アモーレで降りる停留所を尋ねると良い。
もしくは、地下鉄B線のラウレンティーナ駅で下車し、702番か44番のバスでArdeatina - Castel di Leva行きに乗る。「Santuario Divino Amore」の停留所で下車。

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