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大理石の里カッラーラに生きる  
15 novembre 2018

第3回
素晴らしい出会いに恵まれて  



 
大木和子 



第1回目の記事でお話したように、2008年にカッラーラの山を見渡す場所に家をたて、ギャラリー付きのB&B、 「Galleria Ars Apua B&B」をオープンさせた私は、オープンしてすぐに宿泊客を迎えました。日本人のご婦人(東京の友人の友人)とオランダ人のカップル(アメリカ人の友人の友人)です。

●カッラーラ在住の石の彫刻家12名の展覧会
そして、彫刻家が集まるカッラーラという街で、若き彫刻家や芸術家が作品を発表できる場所にしたいと思っていた希望が実現する機会が、向こうからやってきました。

それはB&Bをオープンさせた2008年6月カッラーラで一番古い彫刻工房のオーナーが私の家の噂を聞いて訪ねてきて、カッラーラ市役所の文化事業部の責任者を紹介するから、カッラーラの夏の企画で、私の場所を使って展覧会をするのはどうか?と言ってくださったのです。

トップ写真:@カッラーラの美しい大理石の山々        
 写真下:AB彫刻グループ展覧会のオープニング・コンサート

そして2008年8月1日彫刻グループ展覧会のオープニングの幕を開けました。
タイトルは「De migrante marmoris (大理石を求めてきた移民))」。12人のカッラーラ在住の石の彫刻家による展覧会です。それもカッラーラ出身者ではなく大理石に引き寄せられてカッラーラにたどり着き、カッラーラで自分の芸術基盤をつくってカッラーラに自分の芸術の真髄を捧げている作家、そして私の亡夫の友人でもあるという方達、世界のあらゆるところで活躍されているここでは大御所と言われる方達に参加して頂きました。

写真下:C彫刻グループ展覧会「De migrante marmoris (大理石を求めてきた移民)」

今回も設置や準備、そしてB&Bの仕事もあったので私の頭と体はオーバーヒートしそうでした。 そしてオープニングパーティ当日。ギタリストのニコラ・トスカーノNicola Toscanoとその友人のマルコ・カッターニMarco Cattaniのアコースティックギターデュオのコンサートも展覧会と競演することに。

初めてのイベントの企画・運営で本当にできるのか、自分でもドキドキでしたが、手伝ってくださったイタリア人の彫刻家の友達や日本人のお友達のおかげでオープニングも盛況で始まり、展覧会も無事成功で終える事が出来ました。

●開設2周年記念に「お茶会」でおもてなし
そして2010年5月には東京から「ちい茶な会」というお茶の会のメンバーが22名、お茶のお道具やお菓子全て用意して私の「Galleria Ars Apua」の2周年記念のお祝いに「可楽々(カッラーラ)茶会」をする為に来てくださいました。福田敏子さんが率いるこの会で、私はイタリアに来る前にお茶のお点前を、学ばせて頂いていたのです。

写真下:DE「ちい茶な会」メンバーによる「可楽々(カッラーラ)茶会」 

100人のイタリア人の方々に時間を区切って野点てお茶をもてなしました。薄茶とお菓子をイタリア人も美味しいと、最後まで飲みきってくれました。
そのときお茶会だけでなく、華道家の方と、陶芸家の林みちよさんの作品の展覧会もサロンでは開催しました。

写真下:F陶芸家の林みちよさんの作品展覧会 

イタリアの、それのカッラーラと田舎で日本のお茶会を行い、日本文化の真髄を紹介する事ができ、心から嬉しかったです。

●彫刻家カルロセルジョ・シニョーリ展
そして同年の8月、2年に一度行われるカッラーラの夏のイベントの企画の一つとしてまた参加しました。

写真下:GHカルロセルジョ・シニョーリ展覧会 

故・カルロセルジョ・シニョーリCarlo Sergio Signoriさんという20世紀の後半の有名で重要な彫刻家の方の展覧会を「Carlo Sergio Signori Apologia di Monumento」が企画運営しました。この方と亡き夫は大変親しくして頂き、奥様も日本人というご縁で開催できました。

●亡夫の没後10周年記念の「大木達美の彫刻展」
そして2011年8月亡き夫の没後10周年を記念して、念願の大木達美の彫刻展 「Fossili: Messeggi al Futuro」を開催しました。オープニングとカタログプレゼンテーションと、会期中2回のイベントで総勢600名以上の方がいらしてくださいました。

写真下:IJ大木達美の彫刻展オープニング  
写真上:K大木達美の彫刻展 「Fossili: Messeggi al Futuro」   

●東日本大震災へのカッラーラへの応援へ恩返しイベント
この2011年3月に東日本大震災が起こりました。カッラーラでも、在住の日本人の方々が主となって、東日本大震災チャリティー展覧会が市内中心部の「Centro arti plastiche(造形美術センター)」 というカッラーラ市の美術館で実施されました。総額約1000万円が集まり全てが日本赤十字社へ義援金として送られました。

その事を知った、私の日本の芸術家の友人達がカッラーラの方達にお礼をしたいという気持ちを込めて翌年の2012年夏、イベントを開きに、沢山のアーティスト達が来てくれました。

「ガンバレ日本」と応援してもらったお返しという事で「頑張る日本」というタイトルで6つのイベントを企画しました。まずは6月に奈良県在住の廃材家具作家・永島庸・力也夫妻の「家具展覧会」とワークショップを行いました。

写真下左:L廃材家具作家・永島庸・力也夫妻の「家具展覧会」   写真下右:M版画家・池田実穂さんとイラストレーター森ひろこさんの「版画二人展」

そして7月にはカッラーラ在住の版画家・池田実穂さんと大阪在住のイラストレーター森ひろこさんの 「版画二人展」を開催。

同じく7月に大阪より蕎麦屋「凡愚」ご主人とその仲間の蕎麦職人さんと野菜料理研究の森ちえ子さんとのコラボ「野菜とお蕎麦の大サーカス」一日レストランを開催しました。

写真下NO蕎麦屋「凡愚」と野菜料理研究の森ちえ子さんとのコラボ「野菜とお蕎麦の大サーカス」    

そして8月前半には大阪在住のピアニスト・廣澤繁司さんのピアノコンチェルト「祈りの夕べ」を開催。そして8月後半、「頑張る日本」の締めくくりとして、ちい茶な会のメンバーのお茶会を開催しました。

写真下左:Pピアニスト・廣澤繁司さんのピアノコンチェルト   写真下右:Q「ちい茶な会」のメンバーのお茶会 

●カッラーラ市長から市長賞を受賞
この事が評価されて、2013年夏、カッラーラ市長より「Premio Eccelente」という賞を受賞しました。まさか自分がカッラーラ市から市長賞を頂く事になるなんて、、、 全く予想もしていない事でしたが、今から思ったら、すごい事なんではないかと思います。

写真下:RSカッラーラ市長より「Premio Eccelente」賞を受賞する筆者

そしてB&Bのほうもヨーロッパ、アメリカ、日本etc世界中からお客様を迎えました。 ヨーロッパでは宿泊先の予約をしないで、バカンスに出る方も多く、カッラーラの石切り場を見学して、私の家の噂を聞いたり、看板を見て予約なしでいきなり飛び込みで来るお客様も、沢山いました。イタリアのトスカーナでいきなり日本人の私が出てきて、???と思われるお客様も沢山いて、身の上話をする事もしばしばでした。

●「B&B」も今年で開設10周年
二部屋しかない施設ですが、お客様同士仲良くなり、私も一緒にワインを飲む事も、何度もあります。そして、皆さん帰る時はとても喜んでくださって、いい仕事をさせて頂いているのだと、自分の環境に感謝しています。そのB&Bも2018年で10周年を迎えました。

この10年間、B&B、イベントの企画運営を主にしてきましたが、もっとライフワークとして、天職ではないかという仕事にたどり着きました。

その事は次回に・・・・。



案内人プロフィール
大木和子(Oki Kazuko)

1998年 彫刻家大木達美と結婚。3年の結婚生活で夫が他界。その後、亡き夫が彫刻家として活躍していた大理石の産地、イタリア・カッラーラに渡り、7000坪の土地付きの廃墟を購入・4年かけて家を建設し、「B&B、Galleria Ars Apua」を経営し、7年かけて葡萄畑を完成させる。 2011年カッラーラ市より「Premio Eccelente」(市長賞)を受賞。2014年AIS認定ソムリエ資格取得。「B&Bアルスアプア」経営。葡萄の栽培、ワインの醸造家。
http://cantinaoki.com  
http://www.g-arsapua.com/ 



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