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15 February 2001
9. アドリア海の高級リゾート
大澤 祐子
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眺めの良い客席
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イタリアの東側の海、アドリア海沿いの町としてはヴェネツィアがあまりにも有名だが、他にもラベンナ,リミニなど魅力的な町は多い。そんな中で、歴史的な見所はないが、イタリアのそして、イタリア全土を席巻するドイツ人観光客の間で、アドリア海沿岸のハイクラスなリゾート地として知られているのが、エミリアロマーニャ州Emilia RomagnaリッチョーネRiccioneだ。町のチェントロ(町の中心地)にはごく普通の商店街のほかに、高級ブティックやお洒落なカフェの建ち並ぶハイストリートがある。
職業訓練校の授業の一環として、この町のレストランで研修をすることになった私は、行く前まで、この町の存在すら知らなかった。しかし、研修を始めて何日目かの休憩時間に、町を散歩していて驚いた。「この町はこの辺りの普通の海水浴場ではないみたい!」と。
そして、研修の日々がたつにつれ、このレストランのお客さんも、今まで私が働いたそして食事をしていた店とは大分違うということに気付いてきた。小高い丘に位置するその店は、夏の間開くテラスから、またほとんど壁一面がガラス張りになっている店内からもアドレア海が一望できる。女性オーナーだけに、この土地の伝統工芸の型押し染めのテーブルクロスをあしらった洒落た内装。そして料理も何品かを少しずつ一皿に盛り付けるというかわいらしく、上品なものだった。もちろんお値段はそれなりに良い。来るお客さんも地元の有力者,有名スポーツ選手などVIP多数。
ある週末、そんなVIPの1人で、毎週のように家族で食べに来るあるお客さんから「家族のちょっとした記念日なので、魚のフルコースを用意して」というリクエストが入った。本来この店は海辺のレストランにしてはめずらしく肉料理をメインにしていた。しかし、この日のために前日には、アンティパスト(前菜)からセコンド(メインコース)までの材料にと、普段目にしたことのないアドリア海の海の幸が厨房いっぱいに所狭しと到着した。ただ茹でただけで「こんなにも甘い」シャコ。イタリアでは初めて見たイセエビ。その日のために特別に打ったイカ墨入りのパスタなど。私にとっては貴重な海の幸料理の実習となった。
それにしても特別メニューの海の幸フルコース10人分。いくら払ったのかはちょっと恐ろしくて聞くことができなかった。
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著者プロフィール
大澤 祐子(おおさわ ゆうこ)
小田原出身。食品製造会社に勤務。98年7月よりイタリアに渡る。語学学校、料理学校を経て、グッビオGubbio,キャンティChiantiのレストランで料理修行を積む。
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