ジェノヴァGenovaは、イタリア最大の貿易港であり、人口は約70万人。中世から10世紀にかけて、ジェノヴァはヴェネツィアと地中海の覇権を争う程国力は発達する。12世紀になるとコムーネ(自治都市)になり、商業目的の組合、貴族、司教などが台頭し、輝かしい文化が栄える。その繁栄は、15世紀ごろまで続き、ジェノヴァの商船はパレスチナ、黒海、エーゲ海、アフリカ北部などにも進出していた。ジェノヴァで一番有名な人物といえば新大陸を発見したクリストフォロ・コロンブスCristoforo
Colombo(1451~1506)であろう。彼は生まれてから少年時代をこの港町で過ごしている。他にジェノヴァでは、19世紀初頭に天才バイオリンニストとしてヨーロッパにセンセーションを巻き起こした二ッコロ・パガニー二Nicolo
Paganini(1782~1840)、現代の名バリトンのジュゼッペ・タディ、Giuseppe Taddeiソプラノのレナータ・スコットRenata
Scottoなどの名歌手を輩出している。しかし音楽においては、ヴェルディがジェノヴァを舞台としたオペラ「シモン・ボッカネグラSimon
Boccanegra」を作曲しているのが一番重要なことである。また、トリノ出身のアルベルト・フランケッティAlberto Franchetti(1860~1942)は、1892年のコロンブスの新大陸発見400年記念にジェノヴァ市から依頼され、ヴェルディの推薦でオペラ「クリストフォロ・コロンボCristoforo
Colombo」を作曲した。また、17世紀にローマで生れ、コンチェルト、オラトリオ、カンタータなどに優れた作品を残したストラデッラAlessandro
Stradella(1644~1682)は、ジェノヴァのビアンキ広場で、女性問題がもとで、短刀で刺され客死している。ジェノヴァはまた、港町であるので、魚介の美味しいレストランが多い。イタリアで一番美味しい魚介料理が食べられるといっても過言ではない。
●テアトロ・カルロ・フェリーチェ Teatro Carlo Felice
18世紀のジェノヴァにはイル・ファルコーネとサンタ・アゴスティーノの二つの劇場があったが、1799年に建築家のアンドレア・タリアフィッキAndrea
Tagliafichiが新しい劇場の計画を企てた。その後ジェノヴァの詩人マルティン・ピアッジョMartin Piaggioなどが協力したが、長い間置き去りにされていた。1825年になり建築家のカルロ・バラビ―ノCarlo
Barabinoが新しい劇場の建設をした。開場したのは1828年4月7日でベッリー二Vincenzo Belliniのオペラ「ビアンカとフェルナンドBianca
e Fernando が上演された。1892年にはフランケッティの「クリストフォロ・コロンボ」が上演され、その第3回目の公演の時、若きアルトゥーロ・トスカニーニが指揮し、ヴェルディがその公演を見ていたという。トスカニーニはその後指揮者に就任し、1894年までこの劇場の指揮者を務めた。
1934年にはR.シュトラウスR.Strausがこの劇場を訪れ、アラベラArabellaのイタリア初演に立ちあっている。美しいパルコのある優雅な劇場だったカルロ・フェリーチェは1942年の爆撃で破壊された。現在の建物はアルド・ロッシAldo
Rossiによるもの。正面はギリシャ風の建築で、新古典主義の様式だが、内部は現代的な内装になっている。1991年に完成し、この年の10月にヴェルディの「イル・トロヴァトーレIL
Trovatore」で再開した。
座席数は約2000、シーズンは10月から6月頃まで。一年に8本のオペラ、2つのバレエ、他にコンサートなどがある。今シーズンは終わっているものがあるが、ランスの旅、トゥーランドット、フィガロの結婚、湖上の美人、シモン・ボッカネグラなどが上演された。
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*トスカTosca 3/26,27(M),28(M),30,31,4/1,3,4(M),6(M)
*フィデリオFidelio 4/20,22,24(M),25(M),27,30
*愛の妙薬 L’Elisir D’Amore 5/18,20,22(M),23(M),25(M),26,28,29(M),30(M)
*ナブッコNabucco 6/15,17,19(M),20(M),22,23,25,26(M),27(M)
*パルジファルParsifal 10月から11月にかけて7公演(詳細未定)
*カンティード Candide 11月から12月にかけて8公演(詳細未定)
♪♪チケットオフィス Biglietteria♪♪
Galleria Cardinale Siri 6 16121 Genova
Tel(39) 010 589 329/591 697
Fax(39)010 5381 335
☆クレジットカードの場合 Tel(39)010 570 1650
E-mail:biglietteria@carlofelice.it
Internet:http://www.carlofelice.it

テアトロ・カルロ・フェリーチェ |

ボッカネグラの彫像 |
● 大聖堂 Cattedorale
1118年教皇グラシウス2世によって聖ラウレンティウスS.Lorenzoに献堂された。建設は1100年ごろに始まり、完成は14世紀までかかった。ファサードは白と黒の縞模様で、3つの入り口があるが、その装飾はフランス人の装飾家によるといわれる。内部にサン・ジョヴァン二・バッティスタ礼拝堂Cappella
di S.Giovanni Battistaがある。また、聖ラウレンティウスの宝物館Museo del Tesoro di S.Lorenzoがあり、内部には最後の晩餐に使用されたと伝えられる聖なる盃や1世紀の古代ローマのガラス製品など貴重な品がある。ジェノヴァで生れたパガニーニは、幼少の頃この教会のオルガンを聞き、感動して涙を流したという。右側廊の浮彫り<礫刑)の隣りにあるのは1941年2月9日に英国海軍の爆撃を受けた際奇跡的に不発に終わった手榴弾。
●コロンブスの家 Casa di Colombo
コロンブスは1451年ジェノヴァで生れた。彼がジェノヴァを出てスペインに行き、1492年新大陸を発見するが、ジェノヴァでどういう生活を営んでいたのかは不明だが、幼年時代に住んでいた家がある。現在ある2階建ての家は17世紀に再建されたもの。プリンチペ駅前のアックア・ヴェルデ広場Piazza
Acquaverdeには、コロンブスが海を見ている大きな像Monumento a Cristoforo Colomboが立っている。
●トゥルシ館 Palazzo Tursi
現在市庁舎として使われている。1564年から1579年にかけて建設された建物で、ガリバルディ通り9番地にある。この場所にパガニーニ愛用の1742年製のバイオリン、グァルネリのオリジナルやコロンブスの自筆の手紙3通、スペイン王が彼に与えた特権が記されている特権認定書などがある。パガニーニのバイオリンは守衛に見学したいと告げれば案内してくれる。
●ドーリア宮殿 Palazzo Doria Pamphily
15世紀に建設されたジェノヴァで最も優雅な建築の一つ。ジェノヴァの父と言われたアンドレア・ドーリアの命を受け、1529年から1547年にかけて改装された。内部はフレスコ画やスタッコで飾られている。イタリア風の美しい庭園があり、内部には16世紀の噴水が2つある。ここは、ヴェルディが、寒いサンタガータを逃れて住んでいた場所で、また、アルトゥーロ・トスカニーニも一時住んでいた事がある。建物の外壁にヴェルディが住んでいたという記念碑がある。しかし爆撃で破壊され現在ヴェルディの住んでいた部屋は見る事はできない。
●リーグリアの建築と彫刻博物館 Museo di architettura e scultura Ligure
サンタアゴスティーノ修道院の中にあり、6世紀から18世紀及ぶ遺贈品、焼物などの寄贈品が納められている。アントニオ・カノーヴァの「マグダラのマリアの彫像」、シモン・ボッカネグラの彫像などがあり、他にも多くの彫刻作品が納められている。
●スピノーラ館国立美術館 Galleria Nazionale di Palazzo Spinola
16世紀から18世紀にかけてのジェノヴァの貴族の館の典型的な様式で、ファサードがスタッコ細工で飾られている。アントネッロ・ダ・メッシ―ナ作「この人を見よ」、ヴァン・ダイク作「4人の福音史家」、他にルカ・ジョルダーノ、グイド・レーニなどの作品がある。
●白の宮殿 Palazzo Bianco
1548年に建設された建物で、ガリバルディ通りにある。主にジェノヴァ出身の画家の作品を多く展示している。ジェノヴァ以外の画家にはフィリッポ・リッピ、ポントルモ、ヴェロネーゼなどの作品がある。
●赤の宮殿 Palazzo Rosso
ガリバルディ通り18番地にある17世紀に建設された館。3階の部屋にはフレスコ画で飾られた美しい部屋と調度品がある。2階はイタリアの画家の作品が展示され、ピサネッロ、ヴェロネーゼ、ロット,モレット、ティントレット、カラヴァッジョ「この人を見よ」、ガウディンツィオ・デ・フェラーリなどの作品、3階にはスペインのムリリョ、リベラなどの作品もある。
●E・キオッソーネ美術館 Museo E・ Chiossone
明治時代の東京に30年間滞在した画家E・キオッソーネ(1832~1898)が、収集した東洋美術のコレクション15000点が中心に展示されている。他にその後ジェノヴァ市が購入したものが追加されている。紀元前3000年ごろから19世紀後半までの極東美術を、総括するには最適の美術館で、美しい公園の中にあり、周囲はヴィレッタ・ディ・ネグロと呼ばれ、丘の斜面に造られていて、滝、洞窟、鳥小屋などがあり、自然に囲まれた景観が素晴らしい。
●シモン・ボッカネグラの城 Castello di Simon Boccanegra
ヴェルディ中期の傑作「シモン・ボッカネグラ」は、ジェノヴァを舞台としたオペラだが、主人公のシモン・ボッカネグラ(1301~1363)は実在の人物でジェノヴァ共和国の初代総督になっている。ボッカネグラ家の本拠は、ジェノヴァ西方46キロにあるサヴォーナSavonaで、ここで海外との貿易、海賊などを家業として、地中海で活躍していた。オペラは当時あい争っていたギベリン党とグエルフィとの闘争と恋の物語りで、最後にシモンは毒殺される。その彼の住んでいた城が、現在サン・マルティーノ病院のある小高い丘の上にある。
●☆素晴らしい日本人テノールとの出会い●☆
私がボローニャに住んでいる時、たくさんの人が我が家を訪れた。私はその度に手料理を作ってもてなしたものだが、その中の一人に村上敏明さんがいた。それまで日本人の歌手の留学生には数多く会ったが、この村上さんは間違いなくそれまで会った日本人の歌手とはスケールの面で一際高く抜きん出ている。何故かと言うと彼はボローニャに約2年間文化庁の音楽研修生として留学していたが、その間にイタリアの10の国際声楽コンクールに応募し、優勝、または入賞した。去年の10月には第一回レオンカヴァッロ国際声楽コンクールにおいて1位になっている。イタリアに来ている日本人音楽学生は沢山いるが、殆どの人は自信がないのでコンクールには応募しない。入賞の可能性もないのに受験してもキャリアにならないからだ。日本人で村上さんほど短期間に多くのコンクールで優秀な成績を収めた歌手は初めてであろう。最近では中島晴康さんのようにスカラ座に出演する人もいるが、村上さんは彼と同等の技量と声量はあるし、日本人でありながらヴェルディの曲を歌える力強さと声の質を持っている。来年の一月には藤原オペラで「La
Traviata」のアルフレードを歌う事が決まっている。その彼が2004年4月2日(金)にコンサートを開催する。プログラムはイタリアオペラの名曲プッチーニ作「トスカ」の“妙なる調和”、ヴェルディ作「仮面舞踏会」の“彼女に会える”、ポンキエッリ作曲「ラ・ジョコンダ」より“空と海”などイタリアオペラ中心のプログラムになっている。どうかジャパンイタリーの読者の方も是非この素晴らしい日本人テノールを聞いていだだきたい。
日時:2004年4月2日(金) 19:00(18:30開場)
場所:津田ホール(JR千駄ケ谷駅前)
チケット代:4000円(S) 3000円(A)
* チケットお問い合わせ*
村上敏明ファン倶楽部事務局:Tel/Fax:03 3324 7342
チケットピア:0570 02 9999/9990
★★読者の皆様へ★★
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牧野宣彦