
今月からイタリアの音楽的に重要な街の案内をします。 イタリアは、食、美術、ファッション、美しい景色など、多くの人を惹き付けてやまないが、音楽の宝庫であり、オペラもフィレンツェで誕生している。この連載では、JITRA読者の皆さんの為にあくまで実際に役立つ案内をしたい。オペラチケットの入手方法、音楽的に重要な場所、オペラを聞くのに便利なホテル、レストランなど、皆さんが街を訪れてた時、役に立つ情報を中心にお伝えしたい。その為私の体験したオペラの体験などは掲載できないが、私が過去イタリアの30都市で見たオペラの体験は、拙著「イタリア オペラツァー」(あんず堂)に記してあるので、関心のある方は是非お読み頂きたい。
♪テアトロ・コムナーレ・ディ・ボローニャ Teatro Comunale di Bologna♪
私の住んでいるボローニャは、イタリアの中で最も経済的に豊かな街の一つで、文化と経済がバランスよく両立している。人口は約45万人、オペラ、演劇、展覧会、見本市、またボローニャの景観の特徴であるポルティコ
Portico の保存など文化活動が盛んに行われている。ボローニャのオペラの中心はテアトロ・コムナーレ、今年は5、6月に日本で「清教徒」、「トスカ」、「セヴィリアの理髪師」などを引越し公演し、好評だった。現在のテアトロ・コムナーレは1745年に焼失したテアトロ・マルヴェッツィの跡にローマ教皇庁、ボローニャ議会などの援助を受け、ボローニャの貴族達によって建設された。1745年アントニオ・ガッリ・ビビエナの設計で1754年に着工し、1763年に完成。開場は作曲者グルック自身の指揮で「クレリアの勝利」が上演された。ワーグナーの作品の価値を一番早く認めた劇場でもあり、彼の「ローエングリン」1871年、「タンホイザー」1872年などのイタリア初演をしている。
2002年から2003年のシーズンは11月23日にガッティ指揮でワーグナーの「ローエングリン」で幕が開き、その後上演予定のオペラの初日を記すと、2002年12月17日「セヴィリアの理髪師」、2003年1月19日ヴェルディ「仮面舞踏会」、2月23日モーツァルト「魔笛」、4月6日ヘンデル「ジュリオ・チェザーレ」、5月15日スメタナ「売られた花嫁」、6月15日プッチーニ「マダムバタフライ」、9月23日ドニゼッティ「愛の妙薬」などがある。チケットの値段は初日のプラテアが最高で136ユーロ、日曜日は78ユーロ、全部の席が自由席のフオリ・アボナメントは68ユーロ、一番安い席は10から15ユーロ位からある。チケットの予約はインターネットかファックスでする。電話予約は受け付けない。オペラが上演される2、3ヶ月前に申し込むとよい。正確な申込期日については、劇場から発行されている年間プログラムに書かれているので、これを入手するとよい。
◇インフォメーション Teatro Comunale di Bologna
所在地:Largo Respighi 1,40126 Bologna
電話:(国番号39)051 529999 Fax:051 529995
インターネット:www.charta.it または www.comunalebologna.it
Eメール:boxoffice@comunalebologna.it
写真:牧野宣彦 タイトル:テアトロ・コムナーレ 左:ボローニャの町並み 右:スタバトマーテルの間
♪♪音楽にゆかりのある見どころ♪♪
●サン・ドメニコ教会 San Domenico
Piazza San Domenico 13
13世紀にドメニコ会修道士によって建てられた教会。モーツァルトは1770年10月6日にここでパイプオルガンを弾いている。またルネッサンスの時代、法王アレキサンドル6世を攻撃し、フィレンツェのシニョリーア広場で火あぶりの刑で殉教した修道士サヴォナローラは、この教会で修行していた。内部には彼の像がある。ミケランジェロの製作した数点の彫刻もある。これはフィレンツェが、フランスのシャルル8世によって包囲され、メディチ家がフィレンツェから追放された混乱時、ミケランジェロはボローニャへ一時避難したが、その時アルトブランディ邸に滞在し、彼の勧めで製作したものである。他にフィリッポ・リッピの「聖カテリーナの神秘の結婚」などの名画があり、ボローニャで一番重要な美術、音楽史跡になっている。
●アルキジンナジオ Archisinnasio
Piazza Galvani 1 Bologna Tel:051 236488、236353
サン・ぺトロニオ教会の左側にポルティコのあるレンガ色の建物がある。ここはアルキジンナジオ通りといい、ブティック、本屋など洒落た商店街になっている。また市立考古学博物館などがあるが、その中の一角にヨーロッパ最古の大学、ボローニャ大学が1803年まであった建物がある。現在市立図書館や解剖室があるが、この解剖室は、当時“オペラ”と“オペラツィオーネ”が同義に使われ、ここでオペラと解剖が同時に行われていた。回廊にはフレスコや無数の美しい紋章があるが、その奥にスタバト・マーテルの間がある。管理人に頼むと鍵を開けて見せてくれるが、ここは1842年にロッシーニが完成した「スタバト・マーテル」をドニゼッティが指揮して初演した歴史的場所であり、内部にはプレートが嵌め込まれている。これは1869年にロッシーニ没一周年を記念して碑が取り付けられたもの。100人位の客席があり、現在も会議やコンサートなどが行われている。内部の装飾も美しい。
●サン・ぺトロニオ教会 Basilica di San Petronio
Piazza Maggiore
ボローニャの建築家アントニオ・ディ・ヴィンチェンツォの設計によって1390年から建設され始め、1659年に完成した。聖堂内の主祭壇の左右のバルコニーにはロレンツォ・ディ・ジャコモが1473年に製作したイタリア最古といわれるオルガンがある。また反対側にはバルダッサーレ・マラミー二によって建設されたオルガンもある。1770年14歳のモーツァルトがここを訪れ、ここで開催された音楽の催しには父子で参加している。ジャヴァンナ・モデナと弟子達による壁画「3博士の旅」「聖ペトロニオの生涯」「天国と地獄」などの名画もある。
●ロッシーニの住んだ家々
ロッシーニは8歳の時ボローニャに来て音楽の勉強をした後、トータルで約9年間この街に住み、数軒の家に住んでいる。2つの塔の近くのストラーダ・マッジョーレ通り36番地のパラッツォ・サングイネッティには1846年から1851年まで住んでいた。また26番地の家は通称ロッシーニの家と呼ばれ、この家は彼が1823年に購入し、1839年に売却した家であり、彼が住んでいたという碑がある。サント・ステファノ57番地はヴァリーニの家と言われ、ロッシーニが1840年から1846年まで住み、スタバト・マーテルを完成させた。
●市立音楽図書館 Civico Museo Bibliografico Musicale
Piazza Rossini 2 Tel:051 221117 月〜土 9:00−13:00、休日は日曜祭日と8月
この図書館のある場所はロッシーニ広場といわれ、サン・ジャコモ・マッジョーレ教会がある。その隣りにG・B・マルティーニ音楽院があり、その入り口の上の壁にロッシーニがこの音楽院の学生だったという碑がある。またこの中に市立音楽図書館がある。ヴィヴァルディ、モーツァルト、マルティーニなどおよそ350人の音楽家の肖像画があり、ロッシーニの「セヴィリアの理髪師」の彼のサイン入りの自筆楽譜など貴重な音楽的資料がある。
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