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読み物・エッセイバックナンバー  クレモナの工房から
 
15 October 2000


第一回 クレモナと遣欧使節

石井 高


 

photo

クレモナの市庁舎
写真注:左から1番目と2番目の窓の部屋の中にアマティAmati、ストラディヴァリStradivari、
グァルネリGuarneriの名器がある。


 

北イタリア、ミラノMilanoの南東90キロにあるクレモナCremona。人口約8万、パダーナPadana平野を流れるポーPo川流域の中都市である。中世から交通 の要路であり、又農作物の集散地としても栄え、発展してきた。

さて、このクレモナの町とヴァイオリンが一体いつ頃から結びついたのだろうか。紐解いて行くと、16世紀からアンドレア・アマティAndrea Amatiをクレモナ派の祖として、ヴァイオリン制作が盛んになったというのが始まりのようだ。その後、ニコラ・アマティNicola Amati、そして、日本でも格別に有名なストラディヴァリStradivari、グアルネリGuarneriなどの名匠が相次いで活躍し、クレモナはヴァイオリン製作の中心地としてその地位 を不動のものにした。

さて、今から415年前のこと。九州のキリシタン大名が4人の少年使節を欧州に派遣、ローマ法王グレゴリオ13世に謁見した。ここまでは教科書で習った方も多いだろう。実はその後彼らは、ヴェネツィアからミラノへ向かう道中でこのクレモナにも立ち寄ったのである。が、どういうことか調べて見てもクレモナの歴史には一切その記述がないのは不思議である。ともあれ1590年に使節達は帰国後、関白秀吉の御前でイタリアなどから持ちかえった楽器を使ってヨーロッパの音楽を演奏した。秀吉は三度アンコールをした後にそれぞれの楽器を手にとって見たが、その中に「ヴィオラviola」があった。

当時「ヴィオラ」は弦楽器一般の総称だったので具体的にどのようなタイプの楽器を弾いたかは限定できないのだが、私は使節が来た1585年時代のヴィオラをじっくり研究し、10台を復元した。又それだけでは空き足らず、使節団の少年達が弾いたであろう、また秀吉が聴いたであろう曲を考察して選曲し、今までに何度か演奏会を催して来た。当時少年達はまだ多感な年齢であったから、その後の道中常にヴィオラを身近におき、日本へのノスタルジーをそれらの楽器によって慰めたと想像している。

クレモナの市庁舎に1566年作のアマティのヴァイオリンがある。使節の来る19年前に作られたものだ。使節団一行は、あらゆる事物に興味を持ち、見聞した一切を筆記したという。「それならば彼らの記帳の片隅にヴィオラのニスの色にでも触れていないだろうか」。茜色、柿色、朱鷺色、妹のほっぺたの色, 何でもよいその一言が私のこれからのヴァイオリン製作の最大のヒントになるのだが、と思ったものである。 クレモナの市庁舎へ今でも私は時々アマティに会いに行っている。




 

著者プロフィール

石井 高 (いしい たかし)
1943年兵庫県に生まれる。クレモナの国立国際バイオリン製作学校卒業後1975年に「マエストロ・リウタイオ=楽器製作マイスター」となる。楽器製作や名器の修理鑑定の他、古楽器復元にも取り組む。著書「ヴァイオリン作り Il Liutaio」イタリア コンヴェーニョ社他。日本でも公演、演奏活動を行う。イタリア・バイオリン芸術協会会員。クレモナ在住。



 
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