20 Marzo 2002
第7回 カフェ・パスティチェリア・ヴァリアーニ
Caffè Pasticceria Valiani
〜ピストイア Pistoia 創業1864年〜
牧野 宣彦
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「イタリア国王、音楽家が愛したカフェ」
トスカーナ州県都のピストイア Pistoia は14世紀に建設された城壁の内部に息づく古い街である。街の中心ドゥオモ広場 Piazza del Duomo には、12世紀から13世紀に建立されたドゥオモ Duomo があり、広場を囲む様に洗礼堂 Battistero、ポデスタ館 Palazzo del Podesta、市庁舎 Palazzo del Comune などの重要な建物が集結している。今回紹介するカフェ・パスティチェリア・ヴァリアーニは、このドゥオモ広場から徒歩で5分の近い場所にあり、ピストイアの代表的な教会の一つである、12世紀に建てられ美しいステンドグラスが印象的なサン・ジョヴァンニ・フォルチヴィタス教会 S.Giovanni Fuorcivitas の隣に位置している。ヴァリアーニの建物は、オラトリオ・サンタントニオ・アバーテ L’Oratorio di S.Antonio Abate の一部だった。この建物はフィレンツェ、ピサなどで見られる建築様式で、深い緑と白の縞模様の大理石で出来た美しい14世紀の建物だ。
店内に入ると高い天井に圧倒される。右壁には、1334年に描かれたといわれるジョット派の画家が描いたフレスコ画がある。色も褪せていて、完全には修復されてないが、絵を見ているとこの建物の古い歴史がダイレクトに伝わって来る。壁づたいにリキュール、ブランデー、グラッパ、ウィスキーなどのボトルが3層にわたって並べられた棚があり、前はカウンターになっている。多くの人達が立ち飲みで、クロワッサン、パニーノなどをつまみ、エスプレッソを飲んで行く。店内にはコーヒーの香ばしい香が満ち、活気がある。ガラスケースには沢山のケーキが美しく並べられ、奥の部屋は風景画、肖像画などが飾られたサロンになっている。隅の剥き出した古い壁は、古びた緑、白の縞模様になっているが、こんな所にも700年の長い歴史の鼓動が伝わってくる。座席には新聞や雑誌を読みながら、ゆっくりお茶を楽しんでいる人達がいた。私と妻も幾つかのケーキをカプッチーノと共に賞味したが、甘さが控え目でとても美味しかった。
ヴァリアーニは現在のオーナー、アルリーゴ・ヴァリアーニ Arrigo Valiani 氏の祖先であるマルゲリータとダンテ・ヴァリアーニ夫妻 Margherita e Dante Valiani によって1864年に創業された。それ以前この店はトラットリアと食品、ワインを売る店として1831年から存在していた。ヴァリアーニは、イタリアにある歴史的ホテル・レストラン・カフェなどを認定する協会ロカーリ・ストーリチ・ディタリア Locali Storici D’Italia の認定場所である、約190箇所の中で最も歴史的に価値ある場所といわれ、多くの著名人が訪れている。その中には、イタリア国王、ダヌンツィオ D’Annunzio、ロッシーニ Rossini、ベッリーニ Bellini、レオン・カヴァロ Leoncavallo、ジョルダーノ Giordano、カルーゾ Caruso、プッチーニ Puccini、ムッソリーニ Mussolini、フラッチ Fracci、ゼッフィレッリ Zeffirelliなどがいる。また、ヴェルディ Verdiは近郊のモンテカティーニ・テルメ Montecatini Termeを湯治の為によく訪れたが、その時ヴァリアーニも立ち寄っている。
ケーキの種類も豊富で美味しいが、このカフェの一番の魅力は主人アルリーゴさんの暖かい人柄で、彼は美術にも造詣が深い。店の地下室には画廊があり、アルリーゴさんがいる時に希望すれば、彼の収拾した現代絵画の素晴らしいコレクションを解説付きで見る事ができる。
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店名:Caffè Pasticceria Valiani (カフェ・パスティチェリア・ヴァリアーニ)
住所:Via Cavour 55, 51100 Pistoia
電話:(国番号39)0573-23034-367795
定休日:火曜日 営業時間:7:00−20:30 (昼休み:13:30−16:00)
アクセス:ピストイアの駅より徒歩15分。ドゥオモ広場より徒歩5分
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著者プロフィール
牧野宣彦(まきののぶひこ)
早大卒。1974年、旅行会社にて日本初のニューイヤー、スカラ座オペラツァーを企画。その後コンピュータ会社を経て、1998年よりイタリアに住み、現在ボローニャ在住。フリーのトラベルライターとして、イタリアの旅行、音楽、グルメ関係の執筆、写真撮影を行う。
<著書>
「イタリアのべストラン」(透土社):トスカーナとイタリアのベストレストラン、ワイナリーなどを紹介。イタリア料理の人気の秘密をフランス料理と比較して解説。
「イタリア歴史的ホテル・レストラン・カフェ」(三修社):イタリア各地の歴史的な面白い場所を203箇所紹介。イタリアで一番面白いガイドブック。
「イタリアオペラツァー」(あんず堂):イタリア30都市でのオペラ体験紀行。音楽史跡、劇場、博物館、オペラを聞くために便利なホテル、レストランなど面白い情報を紹介。
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