21 Gennaio 2002
第5回 カフェ・グランデ・イタリア
Caffè Grande Italia 〜 シルミオーネ Sirmione 創業1894年 〜
牧野 宣彦
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「文学者、音楽家の愛したカフェ」
イタリア最大の湖ガルダ湖Lago di Gardaは風光明媚な事で知られ、多くの詩人達にその美しさが称えられて来た。ドイツの詩人ゲーテGeotheも「今晩ヴェローナVeronaに行けば行けたのであるが、近くにまだ一つ天然の景勝が残っていて、これがつまり風光絶佳のガルダ湖Lago di Gardaである。これを見落とす事が厭さに回り道をしたのだが、それだけの甲斐はじゅうにぶんにあった。」と書き残している。
13世紀に建てられたデッラ・スカラ家の砦Rocca Scaligera の入口を入ると左側に1892年に創業されたホテル・シルミオーネHotel Sirmione がある。湖のほとりに立っている素晴らしい眺めのホテルで、ヴェルディVerdiのオペラの台本を書いたアルリーゴ・ボーイトArrigo Boitoは、このホテルに逗留し、ガルダ湖に沈み行く夕陽を見ながら「オテッロOtello」、「ファルスタッフFalstaff]の最も美しい詩の一節を書いたといわれている。ホテル・シルミオーネの後ろにあるのが、カルドゥッチ広場Piazza Carducci。ガルダ湖周遊の遊覧船船着き場があり、そこにガルダ湖を愛したローマの詩人カトゥッルスCatullusの胸像がある。
グランデ・イタリアGrande Italiaは、このカルドゥッチ広場にあり、1894年に
この近くでホテル・ジェルマニアを経営していたアンジェロ・クラッコAngelo Craccoによって創業されてから、現在5代にもわたり同じ家族が経営している。内部はそれほど広くないが、シックなインテリアだ。冬季は休業してしまうが、店の前の野外に置かれたテーブルの一つに座り、冷えたフレッシュジュースを飲みながら広場を見るのが素晴らしい。燦燦と降り注ぐ明るい陽光の下では多くの人がにこやかに談笑し、楽しそうに行き交い、様々な出会いがある。「ユリッシーズUlysses]を書いたジェームス・ジョイスJames Joiceは、
アメリカの詩人エズラ・パウンドEzra Paundとこの広場で歴史的出会いをしている。またジョイスはこのカフェでサルデーニア産の桃を子供のようにたくさん食べていたという。他にグランデ・イタリアを訪れた人は、詩人のカルドゥッチCarducci、ナオミ・ヤコブNaomi Jacob。指揮者のトスカニーニToscaniniは亡くなる最後の年に訪れている。さらに、ジュゼッペ・ディ・ステファノGiuseppe Di Stefano、往年のメゾソプラノ、ジュリエッタ・シミオナート、ピアニストのベネデッティ・ミケランジェリBenedetti Micherangeli、テノールのマリオ・デル・モナコMario del Monacoなど沢山いるが、シルミオーネに家を所有していた20世紀最大のソプラノ歌手マリア・カラスMaria Callasは家が近い事もあり、よくこのカフェのテラスでコーヒーを楽しんでいたという。ちなみに「マリア・カラスの家」と呼ばれる、カラスの住んでいた家は、マリア・テレジアカラーといわれる美しい建物で、現在は共同住宅になっていて、この広場から数百メートル先にあり、その斜め前に鬱蒼とした樹木に包まれたマリア・カラス公園がある。
店では新鮮な飲み物、クロワッサン、パニーノなどがサービスされ常に多くの人で賑わっている。
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店名:Caffè Grande Italia (カフェ・グランデ・イタリア)
住所:Piazza Carducci24, 25019 Sirmione(Brescia)
電話:(国番号39)030-916006
定休日:夏期は9月まで毎日、10月は月曜定休、11月1日から3月15日まで閉鎖。 営業時間:8:00−翌日2時まで
アクセス:ヴェローナからバスで1時間、停留所から徒歩5分、又はディセンツァーノ・シルミオーネ駅Desenzano Sirmioneからタクシーで30分。
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著者プロフィール
牧野宣彦(まきののぶひこ)
早大卒。1974年、旅行会社にて日本初のニューイヤー、スカラ座オペラツァーを企画。その後コンピュータ会社を経て、1998年よりイタリアに住み、現在ボローニャ在住。フリーのトラベルライターとして、イタリアの旅行、音楽、グルメ関係の執筆、写真撮影を行う。
<著書>
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