■バルドネッキア Bardonecchia
2月のトリノオリンピック開催まで、ついにあと2カ月足らず。トリノから西へ西へと向かって行くと、やがてオリンピック会場となるアルプスの麓・スーザ渓谷に辿り着く。ウインタースポーツのポイントが点在することから、「アルプスのミルキーウェイ」とも呼ばれるこの地域。5km離れると言葉が違う、と言われるほど険しい山々に挟まれ方言の違いが激しいけれど、言葉だけでなく食文化も村々によって微妙に違う。
つまり、食いしん坊にとってミルキーウェイはたまらなく魅力的なルートなのだ。
まずはオリンピックではスノーボードの会場となり、選手村もあるバルドネッキア。フランス国境まであと数キロという所にあるここは、純度の高い氷のように澄んだ空気。真っ直ぐに延びたメインストリートの向こうには雪を抱いたアルプスがそびえ立ち、思わず息を呑む。
こんな空気の中で育つ山の花には蜂がわさわさと集まり、甘く香りのよい蜜を作る。桃やリンゴ、野生の洋梨などが豊富に育ち、ジャムとなって可愛い端切れの帽子を被り店頭に並ぶ。もちろん山のチーズも格別だし、鹿・猪・馬・山羊のサルーミ類もうまい。バルドネッキアでこれらの食材を買うなら、メインストリートの「Le Vie del Gusto」(Via Medail 84, 10052 Bardonecchia(TO) TEL0122-96981)がおすすめ。
■チェザーナ・トリネーゼ Cesana Torinese
アルペン(女子)の会場となるここに、スキーヤーが集まる店がある。山の料理が美味しい伝統料理店「La Locanda di Colomb」(Champlas Seguin 27, Cesana Torinese(TO) TEL0122-832944)。
イタリアの中でもピエモンテはバターなど乳製品を多用するといわれるけれど、さらにこの辺りは徹底的。パナーダと呼ばれるパンがゆにはバターを、ラビオリにはトーマ(ピエモンテのチーズの一種)を、ポレンタには牛乳をきっちり使う。鹿、ファラオーナという半野生の鶏、豚に牛。……肉、肉、肉、たまにバッカラ(塩漬けの鱈)という感じ(笑)。見た目はみんな茶か黄色で地味。でも、土地の恵みがありったけ詰まっている料理は、冷えたポカポカ体を温めてくれる。
1905年に建てられたこの店は、現オーナーのパオロ氏で3代目。この方が実にあったかい。ガイド曰く「彼はただ皿を持ってくるだけでなく、どんなお客さんとでもよく話す。エライ人でも、初めての人でも同じようにコミュニケーションをとるんだ」
彼はワインにも詳しく、土地の稀少品種も教えてくれるのでぜひお試しを。
■ピネローロ Pinerolo
オリンピックでカーリング会場になるピネローロは、スーザ渓谷よりもっと南下したキゾーネ渓谷にある町。ここで見つけたのは、アルプスの高山植物・ニガヨモギを原料としたリキュールGENEPIN。清涼感があり、消化によいのだとか。
製造元のアルベルジャン社は1908年創立され、伝統的なレシピと山の花やハーブ、果実を使ったプロダクトを展開。野生のフルーツで作られるコンフェットゥーラ(果実を煮詰めたもの)、ジャム、蜂蜜、コンポート、香草入りのグラッパなど、おみやげにも喜ばれそう。「Albergian」(Via Nazionale 13, 10064 Pinerolo(TO) TEL0122-78910 www.albergian.it)
アクセス
■トリノ〜バルドネッキア
トリノから普通電車(バルドネッキア方面)で約1時間半、急行は約1時間。クルマの場合は高速道路(A32)をOulxで降りる。
■トリノ〜チェザーナ・トリネーゼ
バルドネッキア方面の電車で約1時間20分、Oulx駅下車。クルマの場合は高速道路(A32)をOulxで降りる。
■トリノ〜ピネローロ
ピネローロ直行の電車で約50分。車の場合は高速道路(A55)をピネローロ方面へ向かい、ピネローロで降りる。
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