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ヴェネト見聞録  
15 Gennaio 2004

第六回(最終回) 
 パッラーディオ、グラッパ、パリオ、ブドウ畑
   ー 個性きわだつ珠玉の4都市 −


ヴェネト州 
Veneto

                  



三浦 和美
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今回はヴェネト見聞録の総集編です。ヴェネトにはまだまだ新参者の拙い連載をこれまでご愛読頂き、誠にありがとうございました。最終回ということで、気になるヴェネトの町をいくつか、そして私がヴェネトでいまだに困っていることをご紹介したいと思います。

☆ヴィチェンツァVicenza(ヴィチェンツァ県)
私が住む町ヴィチェンツァは、ヴェネツィアとヴェローナの中間、ヴェネト州のぼぼ真ん中に位置しています。この町を一言で言い表すとすれば、“屋外建築博物館”。ルネッサンス建築の鬼才、アンドレア・パッラーディオAndrea Palladioの残したヴィッラ、劇場、宮殿で飾られた美しい町です。ダ・ヴィンチやミケランジェロといった他のルネッサンスの天才達に比べると、日本におけるパッラーディオの知名度はイマイチという気がしますが、実は、“ルネッサンス建築で誰か一人を...”と言えば、間違いなくこの人!という凄い人。ヴィチェンツァは1994年にユネスコの世界遺産に指定されており、ポンペイの遺跡が1997年、アッシジでさえ2000年にようやくユネスコから認定されたことを考えると、パッラーディオ建築の評価の高さが思い知らされます。ヴィチェンツァの町の情報は、当サイトのヴェネトのイチオシ情報イタリア自然紀行のアグリツーリズムでも紹介されていますので、ご参照下さい。
 

写真説明
上:ヴィチェンツァの中心にそびえたつバジリカ、パッラーディオ作
左下:バジリカ
右下:ルネサンスの天才建築家、アンドレア・パッラーディオの彫像
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☆バッサーノ・デル・グラッパBassano del Grappa(ヴィチェンツァ県)
ヴィチェンツァから車で30分、蒸留酒グラッパですっかり有名になったこの町。見どころは前述のパッラーディオ設計による木造の橋、ポンテ・ヴェッキオPonte Vecchio(古い橋)。地元の人からはポンテ・デッリ・アルピーニPonte degli Alpini(アルプス山岳兵士の橋)と呼ばれるこの橋、ゆったりとしたブレンタ川の流れに水鳥が集う今の和やかな風景からは想像もつかない惨劇が繰り広げられてきました。第1次世界大戦時には隣国オーストリア軍との激しい攻防戦が繰り広げられ、橋のたもとにあるタヴェルナ・デッリ・アルピーニには大戦の遺品や橋の歴史を展示したアルピーニ博物館があります。この町で味わうグラッパは、普段、リストランテで食べまくった後、とどめに飲むいつものグラッパとはどこか一味違うように感じてしまうのはなぜでしょう。老舗のナルディーニで1杯ショットをあおるもよし、街中に続くアリメンターレで可愛らしい瓶に入ったフルーツ風味のものをお土産に買うのもよし。。。ディスティレリアDistilleria(蒸留所)をのぞいてみるのも興味深い体験になるかもしれませんね。バッサーノを訪れるのなら、名物の真っ白いアスパラガスに舌鼓をうてる初夏が断然おすすめです。

☆アーゾロAsolo(トレヴィーゾ県)
バッサーノ・デル・グラッパから車で東に約15分、静かな丘の町、アーゾロ。ヴェネツィア貴族やヘミングウェイ、ヘンリー・ジェイムスなど多くの文化人から愛され続けてきたこの町には、その昔、キプロスの女王だったカテリーナ・コルナーロCaterina Cornaroが、祖国ヴェネツィアにキプロスを譲渡してこの地の女領主となったという歴史があります。パーリオPalioといえば、トスカーナ州シエナの競馬レースが圧倒的に有名ですが、9月の第3日曜に行われるこの町のパーリオは、ビーガbigaと呼ばれる古代ローマの馬車(重量130キロ以上)に女性を1人乗せて、走者4人で丘の上まで引っ張っていくという過酷なレースです。鮮やかな旗さばきのバンディエラーイオBandieraio(旗手)や貴族の衣装に身をつつんだ人々で埋め尽くされ、町は中世にタイムスリップします。  

写真説明
左下: アーゾロのパリオ、鮮やかな旗を操る旗手のパレード
右下:美味しいグラッパを生み出すアランビッコ(蒸留器)
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☆ソアーヴェSoave(ヴェローナ県)
高速道路A4をヴェローナからヴェネツィア方面に走っていると、左手に、丘の上を這う美しい城壁が目に飛び込んできます。優雅な白ワインで有名なソアーヴェの町です。城を囲むようになだらかなブドウ畑が続き、まさに絵葉書のような風景といった感じでしょうか。ここでは、ぜひワイナリーを訪問して、ドライなDOCGワイン、ソアーヴェ・スーペリオーレSoave Superiore、デザートにぴったりな甘口のDOCGワイン、レチョート・ディ・ソアーヴェRecioto di Soaveなどのテイスティングを楽しんでみて下さい。

☆その他、注目したいスポットは、ドロミーティ渓谷を抱くベッルーノBelluno県の山岳地帯。冬はオリンピックレベルのスキー場、夏は避暑地として有名なコルティーナ・ダンペッツォCortina d’Ampezzoは、ドロミーティの真珠と呼ばれ、世界中のVIPの御用達。  

写真説明
左下:城壁が美しいソアヴェの町
右下:ブドウ畑が連なるソアヴェ城の日没
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☆ヴェネト、これは困った!
その1.南国ローマから流れてきた身にしみる冬の寒さ。(しんしんと冷え込む冬のヴェネツィア、バールで朝からグラッパをグイグイあおるおじさん達の姿も、なるほどという感がありますが、実は大酒飲みのヴェネト人の言い訳に過ぎないという噂も?)大雪が積もって交通が麻痺するということはまずありませんが、ヴェネツィア、ヴェローナなどの都市部でも、朝晩はマイナス4〜5度まで落ち込むことがあります。

その2.霧の恐怖!ヴェネツィア、ミラノ、トリノなどの北イタリア主要都市を結ぶ高速道路A4では、毎年必ずといっていいほど、霧が原因となる玉突き事故(被害総数200台!といった信じられない数字を記録することもあります)が起こっています。冬場にレンタカーを借りて運転される方はくれぐれもご注意下さい。ちなみにこの霧の原因となる湿度、夏には日本列島並みのジトジトした暑さをもたらし、これまた困りものとなっています。

その3.ヴェネト方言。。。イタリアのどの地方にも確実に方言が存在し、訛りを聞くだけで、この人はトスカーナの人だとか、ナポリターノだ、などとばれるものですが、ヴェネト訛りでは語尾の母音が発音されないことが多く、beneベーネだとbenベン、paneパーネだとpanパンといった具合です。方言の方といえば複雑怪奇そのもので、14年間ローマで使っていたイタリア語ではまったく歯が立たないのには愕然としました。イタリア語は国営放送RAIのニュースで話されるものが“一応”、標準語と思っている私にとって、このヴェネト方言を受け入れるべきかどうか、葛藤する日々がいまだに続いています。方言を解さないことには、サッカーの時、ボールもパスしてもらえないとの理由で、迷う私を尻目に長男の方はあっという間に、方言をマスターしてしまいましたが。。。

“一般的に”(例外はどこにでもいますので)、ヴェネト人は素朴で正直、勤勉で生真面目。。。典型的なイタリア人のイメージよりむしろ日本人のメンタリティーに近いものを感じさせます。タクシーに乗ったり、お店で買物をしても、お釣りをごまかされるといったケースは少ないと思いますが、観光客ズレしているヴェネツィアだけは、ヴァポレットに“出稼ぎのスリ”などが出没しますのでご注意を。ゴンドリエーレのお兄さん達も日本人とみれば値段をふっかけてきますから、ヴェネト方言で、”Quanti scheiクアンティ スケイ(料金いくら、scheiはヴェネト弁でお金と言う意味)?”と対抗してみれば、驚かれるかもしれませんね。皆様の楽しいヴェネトの旅を心よりお祈りしています。


ヴェネト州データ
Dati di Veneto
ヴィチェンツァ観光振興協会
Consorzio di Promozione Turistica “Vicenza e`”
Via E. Fermi, 134,36100 Vicenza
Tel: (国番号39) 0444-994770 Fax: (国番号39) 0444-994779
HP: www.vicenzae.org
e-mail: info@vicenzae.org


観光インフォーメーション・オフィスUfficio Informazione Turistiche (IAT)
ヴィチェンツァ・オリンピコ劇場横
Piazza Matteotti, 12, 36100 Vicenza
Tel: (国番号39) 0444-320854 Fax: (国番号39) 0444-327072

ヴィチェンツァ・シニョーリ広場
Piazza dei Signori, 8 ,36100 Vicenza
Tel: (国番号39) 0444-544122 Fax: (国番号39) 0444-325001

バッサーノ・デル・グラッパ
Largo Corona d’Italia, 35, 36061Bassano delGrappa(VI)
Tel: (国番号39) 0424-524351 Fax: (国番号39) 0424-525301

アーゾロ観光振興協会
Pro loco di Asolo
Piazza G. D’annunzio, 1, 31011Asolo(TV)
Tel: (国番号39) 0423-55045
HP: www.asolo.it

アーゾロ観光インフォーメーション・オフィス(IAT)
Piazza Garibaldi, 73
31011 Asolo(TV)
Tel: (国番号39) 0423-529046 Fax: (国番号39) 0423-524137
e-mail: iat.asolo@provincia.treviso.it

ソアーヴェ観光振興協会
Pro loco di Soave
P.zza XXV Aprile
37038 Soave(VR)
Tel/Fax: (国番号39) 045-7680648

ソアーヴェ観光インフォーメーション・オフィス(IAT)
Ufficio Turistico Est Veronese
P.zza dell’Antenna, 37038 Soave(VR)
Tel/Fax: (国番号39) 045-6190773
HP: www.comunesoave.it
e-mail: turismo@comunesoave.it

ソアーヴェ・ワイン街道協会Associazione Strada del Vino Soave
Vicolo Mattielli,l 11, 37038 Soave(VR)
Tel: (国番号39) 045-7681578
HP: www.ilsoave.com
e-mail: consorzio@ilsoave.com

コルティーナ・ダンペッツォ観光インフォーメーション・オフィス(IAT)
Piazzetta S. Francesco, 8
32043 Cortina d’Ampezzo(BL)
Tel: (国番号39) 0436-3231 Fax: (国番号39) 0436-3235
HP: www.apt-dolomiti-cortina.it
e-mail: cortina@infodolomiti.it

ドロミーティ方面へのバスのサイト
HP: www.dolomitibus.it

■ホテル
◇ヴィチェンツァ国鉄駅から近く、便利なロケーション。チェントロまで徒歩1分、スーパーや公園が隣接した、カンポ・マルツィオ
Campo Marzio☆☆☆☆
Viale Roma, 21,36100 Vicenza
Tel: (国番号39) 0444-545700 Fax: (国番号39) 0444-320495
HP: www.hotelcampomarzio.com
e-mail: info@hotelcampomarzio.com

◇喧騒を離れて、ゆっくりと時を過ごしたい方にぴったり。ヴィチェンツァ郊外、ベリチの丘にあるヴィッラ。ホテル・ヴィッラ・ミケランジェロHotel Villa Michelangelo☆☆☆☆
Via Sacco, 19, 36057 Arcugnano(Vicenza)
Tel: (国番号39) 0444-550300 Fax: (国番号39) 0444-550490
HP: www.hotelvillamichelangelo.com
e-mail: reception@hotelvillamichelangelo.com

◇テラスからの眺めは最高。モダンな設備が整ったアーゾロの16世紀のお屋敷、アル・ソーレAl Sole☆☆☆☆
Via Collegio, 33 ,31011 Asolo(TV)
Tel: (国番号39) 0423- 528111 Fax: (国番号39) 0423-528399
HP: www.albergoalsole.com
e-mail: info@albergoalsole.com

◇ワインはもちろん自家製、ブドウ畑の真ん中にあるソアーヴェのアグリツーリズム、ロンコラートAzienda Vitinicola Roncolato
Via Carcera, 14, 37038 Soave(VR)
Tel: (国番号39) 045-7675104 Fax: (国番号39) 045-7675935
e-mail: antonioroncolato@libero.it

■レストラン
◇中心街でヴィチェンツァの郷土料理がふんだんに楽しめる、アンティコ・リストランテ・アッリ・スキオッピAntico Ristorante Agli Schioppi
Contra` del Castello, 26/28
36100 Vicenza
Tel: (国番号39) 0444-543701
HP: www.italiaabc.it/az/aglischioppi
e-mail:rist.aglischioppi@libero.it
定休日:土曜の夜と日曜日、7月か8月に数週間、クリスマス期間

◇ヴィチェンツァ名物、バカラ・アッラ・ヴィチェンティーナBaccala` alla Vicentina(干しダラのヴィチェンツァ風)を食べるなら、タクシーを走らせてもここへ!ヴィチェンツァ郊外のレジデンス・トラットリア、ノガラッツァNogarazza
Via S. Agostino, 59 ,36057 Arcugnano(Vicenza)
Tel: (国番号39) 0444-288900
HP: www.nogarazza.com
e-mail: nogpaolo@goldnet.it
定休日:日曜日

◇レトロな雰囲気、シンプルなトレヴィーゾ料理が人気でいつも満員のアーゾロのオステリア、アル・バーカロAl Bacaro
Via R. Browning, 165 ,31011 Asolo(TV)
Tel: (国番号39) 0423-55150
定休日:水曜日

■ショップ等
◇ポンテ・ヴェッキオにミュージアムを構えるグラッパの有名店、ポーリPoli
Museo del Grappa
Ponte Vecchio ,36061 Bassano del Grappa(VI)
Tel/Fax: (国番号39) 0424-524426
HP: www.poligrappa.com
e-mail: museo@poligrappa.com
9:00~13:00/14:30-19:30

◇大量生産とは一味違う、手作りのグラッパ。ベッカム似?の若オーナーが懇切丁寧にグラッパのすべてを教えてくれる蒸留所、ディスティレリア・スキアーヴォDistilleria Schiavo
Via Mazzini, 39 ,36030 Costabissara(Vicenza)
Tel/Fax: (国番号39) 0444-971025
HP: www.schiavograppa.com

◇古いコレクションを中心に掘り出し物がいっぱい!高速A4ヴィチェンツァ・オーヴェストからすぐのボッテガ・ヴェネタのアウトレットBottega Veneta
Via della Scienza, 15 , 36100 Vicenza
Tel: (国番号39) 0444-396511


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著者プロフィール

三浦和美(みうらかずみ) 
山口県出身。法政大学卒業後、外資系銀行を経て2年半ロンドンに滞在。JTBローマ支店、全日空ローマ支店に勤務後、14年住み着いたローマを離れ、現在ヴェネト州ヴィチェンツァ在住。セリエA入団を夢見る長男は14歳。



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