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小都市をたずねる旅 -  ラ・ミア・トスカーナ バックナンバー
20 Novembre 2002
アラバスターとエトルリアの町

トスカーナ州 - ヴォルテッラ(ピサ県)


Toscana ‐ Volterra(Pisa)                                         



田中 佳代子
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緑の海原に浮かぶ陸の孤島のような町、ヴォルテッラ。標高545メートル。周囲は見渡す限り緑のなだらかな丘が続きます。エトルリア時代に生まれたこの町は、古代ローマ、中世と歴史がしっかりと刻まれてきました。ミネラル(鉱石)、アラバスター、塩などの採掘で裕福になり、現在も鉄道の駅があるサリーネ・ディ・ヴォルテッラ Saline di Volterra には製塩工場があります。

★エトルリア
ヴォルテッラまではるばる来たからには、そのルーツを遡るべく是非訪れて欲しいのが、エトルリア時代の遺品を集めたムゼーオ・エトゥルスコ・グアルナッチ(博物館) Museo Etrusco Guarnacci。エトルリア時代の収集品としてはイタリアでも有数のコレクション。紀元前4〜1世紀のものとされるアラバスター、テラコッタ、凝灰岩(tufo)でできた骨壷は600に上り、サルコーファゴ sarcofago と呼ばれる石棺に施された彫刻も圧巻です。ヴォルテッラのシンボルのような細長いブロンズ像 『Ombra della sera(夕暮れの影)』は2000年以上も前の作品なのに、あまりにもモダンな感覚で驚かされることでしょう。この他、金細工や陶器、貨幣などが集められエトルリア時代にヴォルテッラがいかに重要な都市であったかがよく分かります。

さらに町の一番古い地区、現在はフォルテッツァ・メディーチェア(要塞)Fortezza Medicea のあるあたりは小さな考古学地区 Parco Archeologico で、エトルリアからローマ時代の都市を見学することができます。これ以外にもローマ劇場 Teatro Romano、ポルタ・アッラルコ Porta all'Arco と呼ばれる門もあり、ヴォルテッラを訪れると考古学ファンならずともエトルリア時代に傾倒してしまいそう・・・。  

写真説明
上:12世紀のロマネスク様式のドゥオーモ
左下:一時はゴミ捨て場と化していたローマ劇場跡
右下:街のあちこちに歴史の面影が
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★町を歩けば
町の中心、ピアッツァ・デイ・プリオーリ(プリオーリ広場) Piazza dei Priori に建ち並ぶのはいずれも中世からルネッサンス期の建物。対して広場の裏側にあるドゥオーモの外部はなかなかいい感じなのですが、16世紀に内部がすべて改装され、1800年代に更なる当時流行していた装飾を施されもとのゴシック様式は姿をとどめていないのが残念。それよりも広場の周辺や町のあちこちに建っている case-torri(塔の形をした家)や中世にタイムスリップしたかのような路地のほうが雰囲気満天。

ガラスのような透明感のアラバスターのお店は町中どこにでもあり、職人さんが実演している小さな工房から、アラバスターの粉を固めた色つきのキッチュなお土産物が並ぶお店までいろいろですが、アラバスターでできた楽器を売っているのはヴォルテッラでもオプス・アルティスだけ。エトルリア時代の壁画に描かれたフルートを再現したものや、オカリナ、シロホンなどの澄んだ音色にしばし聞き入って!

★イベント
夏のヴォルテッラはイベントがいろいろ。7月にはいるとヴォルテッラ・テアートロ Volterra Teatro でフェスティバルが開かれ、続いて8月はボルテッラ・ジャズ Volterra Jazz。8月の最終土曜日から9月の第1日曜日までは Volterra AD1398 というお祭りで町は中世一色に。お隣のポマランチェ Pomarance では9月の第2日曜日にパリオも開かれます。都会の暑さを逃れて、空気もきれいで環境の良いヴォルテッラでのんびりヴァカンスするのもいいですね。ヴォルテッラ近郊の町ではおなじみサン・ジミニャーノ San Gimignano、コッレ・ヴァル・デルザ Colle Val d'Elsa、モンテカティーニ・ヴァル・ディ・チェーチナ Montecatini Val di Cecina、カステルヌオーヴォ・ヴァル・ディ・チェーチナ Castelnuovo Val di Cecina、テルメの町カシャーナ・テルメ Casiana Terme、テノール歌手アンドレア・ボチェッリの故郷ライアーティコ Lajatico などがあります。  

写真説明
左下: あたりはトリュフの香りでいっぱい
右下:果物屋さんかと思いきや、実はアラバスターでできた果物
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★食いしん坊? Siete golosi?
ヴォルテッラのおすすめ料理は? と聞かれたら、それはもう「Tartufo!(トリュフ)」!ピエモンテ州ほど有名ではありませんが、ヴァル・ディ・チェーチナ(チェーチナ渓谷)はトリュフの産地。10月から12月上旬にヴォルテッラを訪れるなら、ちょっと奮発してレストランで白トリュフを賞味してみては? 白トリュフはイタリアでも超高級食材ですが、日本よりはぐっと割安感があるはず。トリュフの芳香と共に湯気を立てたパスタが運ばれてくる時の気分はまさに「夢なら醒めないで!」ちなみに私、10月末から11月頭に開かれた白トリュフ市 Mostra Mercato del Tartufo Bianco の会場でトリュフをあしらった前菜、プリモ2品とセコンド2品、つけ合わせ、ビスケットとヴィンサント、すべて込みで26ユーロのランチを堪能してきたのでした! 気になるトリュフのお値段は、今年は豊作だったので100グラムあたり白が70ユーロから120ユーロ、黒なら20から25ユーロとお手頃。この市では搾りたてのオリーブオイル、有機ワイン、チンタ・セネーゼのお肉でできたハムやサラミ、各種チーズなどなどのスタンドが並ぶので食いしん坊を自負する方はヴォルテッラに行くならこの時期が狙い目です。

城壁の外2キロのところにある バルツェ Balze と呼ばれる崖は、雨や風の侵食によって少しずつ削られています。いつかはヴォルテッラの町も砂の城の様に跡形もなく消えてしまうのでは・・・そんな幻想を抱いてしまう不思議な町。すこし物悲しい気分になるのはお天気のせいでしょうか?



トスカーナ州 - ヴォルテッラ(ピサ県) 
Dati di Volterra

■アクセス
鉄道FS:チェーチナCecina-サリーネ・ディ・ヴォルテッラSaline di Volterra間を結ぶ線が1日に10本ほど運行されているが、サリーネの駅からヴォルテッラの町まではCPT(バス)。 ピサ、シエナ、フィレンツェからバス(CPT)で約2時間。ピサからはポンテデーラPontederaで、フィレンツェとシエナからはコッレ・ヴァル・デルザColle Val d'Elsaで乗換え。

■インフォメーション
観光協会 Consorzio Turistico di Volterra e dell'Alta Val di Cecina
Piazza dei Priori 19-20, 56048 Volterra (Pisa)
電話: (国番号39)0588 87257 Fax: 0588 86099
HP:www.volterratur.it (イタリア語、英語)
Eメール:info@volterratur.it

■ホテル
◇修道院を改造してできました
サン・リーノ San Lino ☆☆☆☆
Via San Lino 26, 56048 Volterra(PI)
電話:(国番号39) 0588 85250 Fax: 0588 80620
HP:www.hotelsanlino.com
Eメール: hotels.lino@iol.it

◇プール、レストランもついてます
ヴィッラ・ネンチーニ Villa Nencini ☆☆☆
Borgo S.Stefano 55, Volterra(PI)
電話:(国番号39) 0588 86386 Fax: 0588 80601

◇車の方はこのアグリへ。濃厚な味の自家製ビンサントは格別!!!年間50本の限定生産。
ファットリーア・イル・パラジェット Fattoria il Palagetto
Loc.Palagetto, 56045 Pomarance
電話:(国番号39) 0588 65425/62625 Fax: 0588 64226

■レストラン ◇スローフードで純粋なトスカーナ産の食べ物を
ラ・ヴェーナ・ディ・ヴィーノ La Vena di Vino
Via Don Minzoni 30, 56048 Volterra (PI)
電話&Fax:0588 81491

◇奥はエノテカでワイン&軽食も取れるバール。ドルチェも充実。
リンコントロ L'incontro
Via Matteotti 18, 56048 Volterra (PI)
電話: 0588 80500

■ショッピング
◇アラバスター製のフルートの音を聴いてください
オプス・アルティス Opus Artis
Piazzetta Minucci 1, Volterra(PI)
電話: 0588 86787
HP: www.opusartis.com Eメール:info@opusartis.com

◇エトルリア時代のデザインの貴金属
ファーブラエトゥルスカ fabulaetrusca
Via L.le Mura del Mandorlo 10, 56048 Volterra (PI)
電話: 0588 87401

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著者プロフィール

田中 佳代子(たなか かよこ)
読書少女だった子供の頃「東方見聞録」に惹かれてマルコ・ポーロ出身のベネチア行きを決意するが、91年にフィレンツェに駐在してからは、あまりの居心地のよさにずっとトスカーナに住みついている。
現在はダイビングインストラクターの夫とペットのうさぎとアヒルと共にオリーブとブドウ畑に囲まれたルッカの郊外に暮らす。 いつかはマルコ・ポーロさながらにシルクロードを端から端まで旅するのが夢。



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