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小都市を訪ねる旅  シチリアの町を歩く
5 December 2001
ビザンツとアラブの芸術が融合する町



パレルモ Palermo (その1)  

シチリア島 - パレルモ
Sicilia - Palermo




小森谷 慶子
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シチリアの州都パレルモはとても大きく、近年急速に観光地化が進んで見どころが増えた滞在型都市ですので、2回に分けて書きます。まず(その1)では、中世から近世にかけての歴史が凝縮した旧市街を、そして次回(その2)ではオペラや伝統の人形劇、近郊への散歩、地元で話題の新名所などを紹介します。
  
●まず、観光のアドヴァイスです。見逃せないのはやはり王宮Palazzo dei Normanni内の王室礼拝堂Cappella Palatinaです。金地のビザンツ・モザイクと、アラブの細密画を描きこんだ木彫りの鍾乳天井をもつ、ビザンツとアラブの芸術を融合させた、地中海でも稀なキリスト教建築空間です。この王宮が旧市街の西端にあたり、ここから海に向かって約1-2km四方、クワットロ・カンティQuattro Cantiという交差点を中心にあらゆる見どころが点在しています。市内の主な広場には、キュートなあずまや風の観光ブースがあり、地図や見どこ ろの開閉時間リストをもらえますので、それを見て効率よく見学しましょう。教会や美術館の多くは昼過ぎに閉まりますから、観光は午前中が勝負!割安の共通入場券biglietto cumulativoも利用してください。目安としては、最低でも2日間を旧市街にかけたいところです。午後はゆっくり食事をとり、植物園Orto Botanicoでなごむくらいのゆとりが欲しいものです。
   
写真説明
上:海軍提督の聖母マリア教会 Santa Maria dell'Ammiraglio
左下:パレルモ大聖堂 Cattedrale di Palermo
右下:サン・ジョヴァンニ・デリ・エレミティ教会 S.Giovanni degli Eremiti
(写真提供 小森谷賢二氏)
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●見どころの多いパレルモで絶対に見逃して欲しくないものの一つは路地市場です。どの市場もすごい人ごみですから、財布やパスポートは当然、それなりの対応を忘れずに。まず、延々と数百mも続くカーポ市場Il Capo。入り口はマッシモ劇場Teatro Massimoの裏手を西に数百m進んだ左手のカリーニ門Porta Cariniで、魚屋の呼び声が漏れているのですぐに分かります。それから、ローマ通りに面したサン・ドメニコ教会Chiesa di San Domenicoの南側にある、ブッチリア市場La Vucciria。私の馴染みのトラットリア、マエストロ・デル・ブロードMaestro del Brodoをはじめ、地元民御用達の安くておいしい店が数件あります。乾しトマト、乾しいちじく、塩漬けケッパー、オリーヴなど、色々買い込みたい気分になってきます。露店の多くが昼過ぎには店をたたむので、午前中に行きましょう。さらに、ベッリーニ広場の南側にある鍋釜横丁Via dei Calderaiは、中世以来の同業職人街で、ピッツァ返しなどブリキの台所用品を作って商っています。
   
●食べ物ですが、パレルモではスナック類が豊富なので、昼か夜の一食を試してみてはどうでしょう。アランチーナArancina(シチリア東部ではアランチーノ)という"揚げおにぎり"は、シチリア中どこでも売ってますが、丸と三角では中の具が違います。パレルモ独特のスナックには、ミルツァMilzaという臓モツのスライスバーガーがあり、港や市場に面した街角の屋台か、サン・フランチェスコ教会前の老舗軽食店Antica Focacceria San FrancescoのマリタータMaritataというリコッタチーズつきがお勧め。そして、パネッレPanelle というチェーチ豆の粉の油揚げは、パンにはさんだりビールのつまみにします。色々な具を載せて焼いたスフィンチューニSfinciuniというパンもあります。冬ならオレンジの生搾りジュースはお忘れなく!レストランでは、季節ごとの鮮魚のグリルが味わえます。イワシをロールしてオーブンで焼くサルデ・ア・ベッカフィーコSarde a beccafico、イワシのパスタ、春先には稚魚Neonataの固め焼きなど、イワシを使った料理が代表的です。他にも、ナスの煮込みのカポナータCaponata、ピーマンの煮込みのペペロナータPeperonataなど。新市街のおしゃれなレストランには、オマール海老Asticeのパスタなど、高級メニューも揃っています。

●ショッピングは新市街のリベルタ通りVia della Liberta'の高級ブティックか、ローマ通りVia Romaやマクエダ通りVia Maquedaの庶民向けブティックへ。 (その2へ続く!) 


パレルモデータ
Dati di Palermo

■アクセス
プンタ・ライジPunta Raisi国際空港よりシャトルバスで1時間弱。市内のバス停は、始発が中央駅前の2ツ星ホテル、エレナElenaの前で、新市街のポリテアーマ劇場前の広場にも止まる。切符は車内で購入。 その他、ローマから国鉄やバス、夏季(4月1日〜8月30日)はナポリから4時間で着く高速船(SNAV社www.snavali.com) も往復している。

■観光局(AAPIT)

住所:Piazza Castelnuovo 35, 90141 Palermo
Tel : (国番号39) 091-6058111 Fax : 091-582788
E-mail : aapit@aapit.pa.it   (情報のみ)info@aapit.pa.it
HP : www.aapit.pa.it
地図だけでなく、アジェンダAgendaという季節ごとの観光情報手帳を手に入れると便利。大きいホテルでは、無料のガイド冊子un Ospite a Palermoをもらえる場合があるので、博物館やモニュメントの開館時間の確認に便利。

■おすすめのホテル・ペンション
Grand Hotel et Des Palmes グランド・ホテル・エ・デ・パルメ☆☆☆☆
住所:Via Roma 398, Palermo  Tel : (国番号39) 091-6028111  Fax : 091-331545
旅の印象はホテル選びにかかっています。奥ゆかしく貴族的なパレルモの空気を感じるためにも18世紀にさかのぼるこの老舗をお勧めします。マルサラ酒産業を手がけたイギリス人実業家の家が19世紀にホテルになったもので、ワーグナーが泊まった部屋を見学することもできます。近辺は夜遅くまで明るくにぎやか。

Politeama Hotel  ポリテアーマ・ホテル ☆☆☆☆ 
住所:Piazza Ruggero Settimo 15, Palermo
Tel.: (国番号39) 091-322777 Fax:091-6111588
モダンなホテルで新市街に近い。空港バスが目の前に止まる。

■おすすめのレストラン    昼は旧市街で、夜は新市街で、がお勧めです。
Il Maestro del Brodoイル・マエストロ・デル・ブロード
住所:Via Pannieri 7, Palermo / Tel.:(国番号39) 091-329523
ブッチリア市場のはずれ。金・土以外は昼のみ。日休。

Reginellaレジネッラ
住所:Via Principe Paternostro 136-b, Palermo / Tel.:(国番号39)091-345035
新市街の洗練されたレストラン。月休。

また、天気のよい日にゆったりランチをとるなら、緑の公園を囲むマリーナ広場Piazza Marinaに面して たくさんあり。夜も安全でにぎやか。

*その他の見どころ、詳細は小森谷慶子著 『シチリアへ行きたい(新潮社)』をご覧ください*

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著者プロフィール

小森谷慶子(こもりや けいこ)
東京女子大学文理学部史学科卒。特に南イタリアを対象とするイタリア史研究者。著書は『魅惑のローマ』(グラフィック社)、『シチリアへ行きたい』(新潮社とんぼの本、1998年に国際ジャーナリズム賞審査員特別賞を受賞)、『ローマ古代散歩』、『ナポリと南イタリアを歩く』(いずれも新潮社とんぼの本)。ご主人で建築家の小森谷賢二氏が写真を担当。


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