さて、あまりにレッジーナの話が長くなってしまい、みなさんにお話したかった本題のスペースがなくなってしまったので、別枠にしました。今月は豪華(?)2話題です。
リーグ戦がワールドカップ予選のためお休みだった間に、少年サッカーチームのお手伝いをしました。
ウディネの近くにあるポルデノーネという町で行なわれた「フランコ・ガッリ−ニ・メモリアルトーナメント」という大会に参加したのは、日本サッカー協会のナショナルトレーニングセンター、Uー14チーム。91年生まれの彼らは、ほとんどがまだ14歳を迎えていません。この年代、子供と呼ぶには失礼という感じ。しかも中には180cmを越える子たちもいて、体は確実に成長中。だけど顔にはまだ子供っぽさが残っていて、これから変わっていくんだなと思える子ばかり。まだ本格的反抗期も向かえておらず、みんな素直だったことも印象的でした。
このトーナメントに参加したチームは32。ミランやフィオレンティーナなど、セリエAの下部組織のチームや主催地の地元チームに加え、ヨーロッパを中心にイタリア外からも多くのチームが参加。日本以外にアルゼンチンからも大遠征してきていました。
この大会、もともとはバレーボールの大会として23年前に生まれたもので、サッカーは7年目。同時にバレーボールの大会もあったので、食堂として毎日全員が立ち寄る大会本部は、世界中から集まった外国人であふれかえっていました。そして4〜5チームが宿泊するホテルも国際色豊か。日本チームのホテルは、「お行儀が良いであろう」と思われるチーム用ということで(?)、一番良いホテル。しかし・・・「お行儀が良い」はずのイギリス人、フィンランド人は毎夜、廊下で大騒ぎ。フロントのお兄さんは、「信じられない、あいつら廊下でサッカーまでしてたんだ。日本人の子はみんな静かでいい子だね。」と。確かに日本人ゾーン、静かでした・・・2日目までは・・・。しかし、3日目の夜には、日本人ゾーンにもイングランドの子たちが進出。何が起こったのかと思うぐらいの人垣ができていてびっくり。とはいえ、この年代、ケンカのような騒動はなく一安心。日本の子たちも習いたての英語でコミュニケーションに奮闘中。みんな「なんとなく分かり合えた感じがした。」と嬉しそう。これをきっかけに外国語の勉強にも興味を持つ子もでてくるのかな・・・と将来が楽しみです。
ちなみに同じホテルにはミランもいましたが、こちらは「軍隊式」といった感じ。いたずら盛りのイタリア人が、みんな「良い子」なのには驚きましたが、そこがビッグチームの下部組織の指導なのでしょう。町ではやんちゃなイタリア人の子しかお目にかからないので、とても新鮮な驚きでした。こうして厳しい指導の元、将来の名選手が生まれてくるんですね。それでもさすが好奇心旺盛なイタリア人、日本人に話しかけたりはしていました。(どちらかというと日本人の子たちの方が積極的だった?)
このトーナメントの参加資格は、90年1月1日生まれから満12歳の誕生日を迎えていること。ということで、大体のチームは、90年生まれを中心にしていました。そんな中、91年生まれの日本チームもがんばりました。残念ながら、グループ予選は通過できませんでしたが、日本人のテクニックやスピードは地元紙でも評価されていました。やっぱり、同年代とはいえ、ヨーロッパの子はでかい。ましてや1つでも年上だと、「あれはおっさんではないか?」というような子までいて、そういう意味では日本チームは不利でした。しかも同じグループには決勝までいったロシアのスパルタク・モスクワの下部組織チームが。このチーム、決勝戦では0−0で決着がつかず、PK戦に。試合内容などからしてこのチームが優勝しても良かったと思うのですが、残念ながらPK戦の結果で負けてしまいました。このチームとは、対戦した以外にも試合会場がいつも同じだったのでどこでも顔を合わすことになり、最後には子供たちも仲良しになっていました。ちなみに、日本チームが誇れるのは、ロシアチームのゴールを奪った唯一のチームだということ。
そして一言述べないわけにはいかないのは、主催地ポルデノーネの人たちについて。主催者、スタッフ、ボランティア、そして町の人たち、みんな温かく親切でしたが、特にお世話になったのは、日本チームのホームグランドと化していた地元チーム、アウローラ・ポルデノーネのみなさん。グランドや用具を借りたり、試合手順を丁寧に説明してもらったり、そして挙句にユニフォームの洗濯までしてもらい、本当に親切にしてもらいました。そして日本文化好きなお母さんを持つパオラ。彼女は英語のボランティアとしてやってきた高校生の女の子ですが、町の情報を色々教えてくれたり、時間があればお母さんも連れて日本チームの応援をしてくれたり。彼女が「今年が良い経験になったので、来年も是非やりたい」とメールをくれたのも嬉しいことでした。人とのかかわりが希薄になってきた日本からやってきた子供たちの心には、このイタリア人の温かさがどう響いたのでしょうか?いつまでも心に残る思い出となってほしいものです。
それにしても、こんなに若いうちから国際試合を体験できるなんてうらやましいですね。サッカーの技術にこの経験が役立つのはもちろんですが、それだけでなく、心にも大きな栄養になるでしょう。
特に、中学生のこの時期は、身体的にも、精神的にも大きく成長する時期。この時期に将来の目標や夢を見つけられる子は幸せです。夢のきっかけを見つけた子供たちは、それを実現するための努力を苦としません。彼らの若い脳みそは多くのことを吸収できるし、色んな可能性を持っています。
今回、印象的だったのは、このナショナル・トレーニングセンターの指導が、サッカーだけでなくメンタルな部分にも力を入れていること。グループでイタリアについて調べて発表をしたり、自分の意見をみんなの前で言えるよう訓練したり。早朝の散歩も精神修行(?)。
大会初日に見た士気を上げるためのビデオに、いつもセリエAで見る中田選手や中村選手のプレーシーンが。そのビデオを真剣にみている子供たちの姿とかぶって、彼らにもこんなときがあったんだろうなと思うと、ちょっとほろっときてしまいました(笑)。それにしても、今回大会に参加した子たちの中から、将来の中田選手、中村選手がでてくるのか?今後の活躍が楽しみです。がんばれ、将来のcampioneたち!
■■4月・5月の試合スケジュール
○4月16日(土) <第31節> 18:00〜 メッシーナ−ウディネーゼ 20:30〜 ローマ−レッジーナ
○4月17日(日) <第31節> 15:00〜 リヴォルノ−フィオレンティーナ
○4月20日(水) <第32節>
20:30〜 フィオレンティーナ−メッシーナ (日本人ダービー)
20:30〜 レッジーナ−アタランタ
○4月24日(日) <第33節> 15:00〜 *TV放送のため前後する可能性あり
ボローニャ−フィオレンティーナ
ブレッシャ−レッジーナ
メッシーナ−インテル
○5月1日(日) <第35節> 15:00〜 *TV放送のため前後する可能性あり
フィオレンティーナ−ミラン カリアリ−レッジーナ メッシーナ−サンプドリア
○5月8日(日) <第35節> 15:00〜 *TV放送のため前後する可能性あり
キエボ−フィオレンティーナ レッジーナ−ボローニャ アタランタ−メッシーナ
○5月15日(日) <第36節> 15:00〜 *TV放送のため前後する可能性あり
フィオレンティーナ−アタランタ パレルモ−レッジーナ メッシーナ−カリアリ
著者プロフィール
新谷智子(しんたにともこ)
1967年広島県呉市生まれ。17歳でイタリアに憧れるも、普通に日本の大学へ進学。
大学でイタリア語を第3外国語としてかじった後、インテリア雑貨輸入、販売の会社に就職。 2年目に、イタリア語研修のご褒美をいただきヴォルテッラ(トスカーナ)で4ヶ月ホームステイ。
96年末に退社するまで、イタリアからの伝統工芸品の輸入に携わる(その間にも約1年、イタリアに自費留学)。
98年イタリア語復習の目的でペルージャに再留学。そこで、サッカーに関わる今の仕事と出会う。
まったくのサッカー音痴が、優秀な記者の指導の下、共同通信社の現地特別通信員としての経験を開始。
昨年のW杯では、仙台にてイタリア代表チームの合宿を密着取材。 今年6年目、いまだ中田選手を追う日々は続いている・・・
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