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  エッセイ  ”フオーリ・ジョーコ”  FUORI GIOCO
15 aprile 2005 
その17‐1 誰のせい?
新谷 智子

4月・5月の試合スケジュール              






4月2日にローマ法王が亡くなり、イタリアだけでなく、世界中が悲しみの時期を過ごしています。愛と平和を説き続けた法王は、すべての人から愛されていました。特に子供や若者に歩み寄り、愛情を示した法王を、彼らもまた同じように愛していました。私はカトリック信者ではありませんが(ちなみに94歳の祖母はプロテスタント)、法王の死には悲しみを感じます。改めて、法王のご冥福をお祈りいたします。

3月31日に様態の悪化が報道されてから、イタリア中が法王の様態を心配し、見守っていました。こうした配慮の中、スポーツに関する全てのイベントも休止。4月2日と3日に再開されるはずだったセリエAの試合も翌週に先送りされました。
リーグ戦は3月20日の試合の後、翌週はワールドカップ予選のため休み。その翌週も試合が休止されたため、3週間ぶりの再開となりました。今シーズンも残すところ8試合となり、スクデット(リーグ優勝)、チャンピオンズリーグやUEFAカップを狙えるゾーン、そして何といっても降格しないために戦う残留ゾーンがヒートアップしてきています。
そして日本人選手のいる3チームはというと、その残留ゾーンにどっぷりつかっている上、おしりに火がついたところであがいている状態です・・・(特にフィオレンティーナ)

そして今日(4/10)はレッジョ・カラブリアに来ています。今日の試合は、レッジーナ−パルマ。久しぶりにレッジーナのホーム戦を見ます。それにしても、私はちょっとご立腹。何に対してかというと、レッジョの人たち(地元記者や一部のレッジーナ・サポーターたち)の中村選手の評価に対して。
今のレッジーナは、4試合負けが続いていて、勝ち点35点で14位です。元々この地は、頭がカッカしやすい土地だと思いますが、この不調を中村俊輔という1人の選手のせいにするのは、あまりに簡単すぎるし幼稚ではないかと。みんながみんなそう思っているわけではありませんが、そういう「空気」があるのは感じます。今日も会見室で地元記者が、「中村はテクニックもあるし、試合を見る眼もある。だけど決定力に欠ける。」と監督に質問(というより自分の意見を述べている感じ)。要するに、中村選手に執着する(と地元の人たちには写っているらしい)マッツァーリ監督に対して、「どうしていつも中村なのか?」という問いだったのですが、それなら「中村のセットプレーなしで、レッジーナはゴールできるのか?」と言いたいところです。
確かに、今季中村選手のゴールは少ない(2ゴール)。それは事実。だけど、今季のレッジーナのゴールを何度アシストしたでしょう。中村選手が簡単に倒れる?それも事実。でもそこからフリーキックのチャンスも得れているはず。

いつも「中村は・・・」というジェラート屋のにいちゃんとも、次回これを言われたらケンカするでしょうね。彼が熱烈にレッジーナを愛しているのはわかります。確かに、熱い血のこの土地で、歯を食いしばってムリをするガッツを見せない中村選手は、熱狂的レッジーナ・サポーターからは愛されにくいでしょう。でも、今季の中村選手は、絶好調とまでは言いませんが、サッカー選手としても一人の男としてもよい時期を過ごしているはず。決して贔屓目に見ているわけではありません。それはマッツァーリ監督も同様でしょう。ある試合では、守備に弱い中村選手(攻撃の選手ですから、ある程度は仕方ない)は、「−1」になることがあります。要するに、チームが11人ではなく、10人で戦わなければならない状況になることがあるということです。過去の監督たちも、この理由で、特にリーグ戦終盤のこの時期に中村選手を起用することを避けていました。しかし、今季は、そのリスクも承知の上で、中村選手がつくり出すセットプレーのチャンスにかけて、彼を起用するマッツァーリ監督。もちろん、監督も「いつも中村というわけではない。状況によって(選手を)選んでいる。」と言っています。しかし、記者から、そしてサポーターの監督批判は続きます。だけど、本当に、それなしでは今季のレッジーナは得点できないのだから・・・

しかし、最後に道理があるのは誰でしょう?滑稽なのは、数ヶ月前、レッジーナが歴史上初、順位表の左側(半分より上の順位)にいたときのことを忘れていること。そんなに監督、多くのアシストでレッジーナのゴールに貢献している中村選手が悪いのなら、どうしてレッジーナが史上初の好成績を得られるのか?大体、レッジーナのような、毎年残留する、しないと大騒ぎをしなければならないチームで、4連敗にこんなにナ−バスに騒ぎ立てる意味があるのか?リーグ戦の前半戦を振り返れば、レッジーナは何度か山と谷を越えています。ちょうど、前半戦のこの時期、この対戦カードのときにも不調で、監督批判が強まっていたはず。同じカードで(確かにホーム戦とアウェー戦が入れ替わりますが)、結果が同じでも不思議ではない。前半戦はユベントスに勝ったから?でもあの時期だって、みんな批判していました。それから好調になった時には中村選手が出ていなかった?そんなことはありません。ゴールできないのは誰のせい?FWたちはゴールしなくても責められないの?本来守るべきはずのDFのエラーは?他にも色々問題はあるでしょう。ちょっと大げさすぎてうんざりといった感じです。こんな時期こそ、チーム、選手たちに精神的な落ち着きを与えないといけないのに・・・

通常、試合の後にコメントを残してくれる中村選手ですが、今日はさすがに険しい表情で無言のままバスに乗り込んでしまいました。チームの方針で「かん口令」もしかれていたようですし、この状況なら理解できます。
本人も調子がよい(総体的に)時期だけに、この土地で理解されないことが相当悔しい思いをしていることでしょう。でも、マッツァーリ監督も言うように、「数ヶ月前までは『良いシーズンを過ごしている』と言われていた選手について、あーだ、こーだと言って問題にするのは正当ではない。」、まったく同感です。

(その17‐2 未来のcampioneたちへ)



■4月・5月の試合スケジュール


○4月16日(土) <第31節>
18:00〜 メッシーナ−ウディネーゼ
20:30〜 ローマ−レッジーナ

○4月17日(日) <第31節>
15:00〜 リヴォルノ−フィオレンティーナ

○4月20日(水) <第32節>
20:30〜 フィオレンティーナ−メッシーナ (日本人ダービー)
20:30〜 レッジーナ−アタランタ

○4月24日(日) <第33節> 15:00〜 *TV放送のため前後する可能性あり
ボローニャ−フィオレンティーナ
ブレッシャ−レッジーナ
メッシーナ−インテル

○5月1日(日) <第35節> 15:00〜 *TV放送のため前後する可能性あり
フィオレンティーナ−ミラン
カリアリ−レッジーナ
メッシーナ−サンプドリア

○5月8日(日) <第35節> 15:00〜 *TV放送のため前後する可能性あり
キエボ−フィオレンティーナ
レッジーナ−ボローニャ
アタランタ−メッシーナ

○5月15日(日) <第36節> 15:00〜 *TV放送のため前後する可能性あり
フィオレンティーナ−アタランタ
パレルモ−レッジーナ
メッシーナ−カリアリ


 
著者プロフィール
新谷智子(しんたにともこ)

1967年広島県呉市生まれ。17歳でイタリアに憧れるも、普通に日本の大学へ進学。
大学でイタリア語を第3外国語としてかじった後、インテリア雑貨輸入、販売の会社に就職。 2年目に、イタリア語研修のご褒美をいただきヴォルテッラ(トスカーナ)で4ヶ月ホームステイ。 96年末に退社するまで、イタリアからの伝統工芸品の輸入に携わる(その間にも約1年、イタリアに自費留学)。
98年イタリア語復習の目的でペルージャに再留学。そこで、サッカーに関わる今の仕事と出会う。 まったくのサッカー音痴が、優秀な記者の指導の下、共同通信社の現地特別通信員としての経験を開始。 昨年のW杯では、仙台にてイタリア代表チームの合宿を密着取材。 今年6年目、いまだ中田選手を追う日々は続いている・・・    



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