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  エッセイ  ”フオーリ・ジョーコ”  FUORI GIOCO
15 novembre 2004 
その12 驚きのレッジーナ 
新谷 智子

11月・12月の試合スケジュール                        





イタリアの天気はとても気まぐれ(?)というか、はっきり言って異常気象です。11月の始めに、レッジョ・カラブリアで30℃、夜のミラノで20℃あったのも異常ですが、その翌週にはいきなり気温が下がり、パルマでのナイターは5℃・・・今週はイタリア各地で悪天候。特に南で大暴風雨による被害も出ているようです。
11月に30℃あって、みんなが半そでやノースリーブで歩いているほうが異常なわけで(10月までは海に入っている人も!!)、ナイターで寒い思いをする方が普通でしょうね・・・

さて、そんな気温やお天気の変化も驚きながら、そのチームも・・・ そう、今回はレッジーナのお話です。
というのも、このコラムの原稿の内容を考えていた1週間前、レッジーナは驚きでした。それで今月のタイトルもできた!と思っていたわけですが、その後、驚きの状態がキープできていないので、「驚きのレッジーナ」の後に「・・・?」がついてしまいました。
まずは、今季のレッジーナがどういう状態かというところからお話しします。

現在11試合が終った段階でレッジーナの成績は、2勝5敗4分けで勝ち点10点、順位は・・・下から2番目です。
出だしは、引き分けが多いものの、5節でミランに負けるまでは無敗で悪くなかったと言えます。実際、この時期までは順位も10位(同点が3チーム並んでいますが)、半分のところにはいたわけです。(とはいえ、この時期の順位は、同点や1点差でほとんどのチームが団子状態になっているので、これで安心するわけにはいかないのですが。)
しかし、ここからレッジーナの成績に影が・・・ 1週間の間に2回続いた日本人ダービー、レッジーナ−フィオレンティーナ、メッシーナ−レッジーナでのノックアウトも含め、3試合に敗れ、引き分けが1回のみ。この頃になってくると、ずいぶん監督批判の声も大きくなってきていて、会見での監督の姿勢もかなり防御的でナーバスになっていました。やはり、メッシーナ−レッジーナ戦、日本人ダービー云々よりも、伝統的にサポーターが熱くならざるを得ない「海峡ダービー」での敗北が大きく応えたようです。
そして迎えたのが、今季無敗で単独トップのユベントス。ヨーロッパの中でも最強のディフェンスを誇るチームです。トトカルチョで「1」(ホーム戦=レッジーナの勝ち)に賭けた人は、よっぽどのレッジーナファンか、そうでなければただの「何も知らない人」だけだったでしょう。
しかし、この試合の結果、みなさんもうお分かりですね。そう、レッジーナが最強のユベントスを破ってしまったのです! 

たかが1試合に勝って「驚き」だなんて・・・と思われるでしょう?だけど、これは事件でした。なんといっても今季のユーベは完璧なのです。数年ローマの指揮をとっていたカペッロ監督(中田選手も、ローマ・スクデットの時期にいましたね。)が、この夏、驚きの移籍をし、DFやMFの選手を一緒に連れて行きました。そこにFWの補強などもして強いチームができあがり、その結果も予想通り。文字通り「無敵」なチームは、それまで(9節まで)8勝1分け、勝ち点25点、2位のミランに5点の差をつけて単独トップでした。こんなチームを下から2番目(同点が2チームなので、下から3番目とも言える)のレッジーナが、しかも負け続けていたレッジーナが勝てるなんて誰も思わなかったでしょう?そこが「驚き」だったのです。
この試合に関しては、とても多くの「判定ミス」がありました。裏でお金が動いていると噂されてもしかたないと思えるほど、ユベントスに有利な判定が多かったのも1つ。逆にレッジーナに有利になったのは、ペナルティーエリアでのハンドをとられなかったためPKを間逃れたこと。最終的には、後半2回ユベントスの同点ゴールが取り消されたので、レッジーナがラッキーだったと言えるかもしれませんが、ゴールの取り消しは正しかったので、レッジーナの勝ちは正当でしょう。
監督も、「レッジーナはいままでも悪いプレーをしていたというわけではない。ゲームを上手く組み立てるのに、ゴールが決めれなかった。汗をかくわりには収穫がなかったが、ようやく収穫できた。」とコメント。そう、決して悪いゲーム展開ではないのですが、このチームにはFWがいない。紙面上いるのはいるのですが、FWであるべきボナッツォーリが実質FWの役目を果たしていないので、決定力にかけるのです。彼は、パルマの時代もそうでしたが、FWとしてはやさしすぎるのでしょう。ペナルティーエリアで危険になるための意地悪さや図太さが足りない感じです。それでも、レッジーナに移籍した直後は、FWとしての本領発揮してレッジーナの残留に大きく貢献しました。ここでやっと活躍の場が・・・と思っていたのですが、先シーズンも、今季も、いつものやさしいボナさんにもどってしまったようです。結局、レッジーナの得点は、中村選手のフリーキックやコーナーキックから生まれることが多く、言い換えると、それがないとゴールできていないと言えるでしょう。

さて、レッジーナの現状に戻りましょう。ユベントスに対する奇跡の勝利の後、レッジーナはアウェーでパルマと対戦しました。対するパルマも今季ボロボロ。昨年の親会社の経済破綻が影響し、今年の夏、多くの選手(その中に中田選手も含まれます。)を放出しました。パルマにはジラルディーノという今年の夏一番注目されたFWがいるのですが、こちらも昨シーズンのリーグ戦から続けてU−21の欧州選手権(優勝)、オリンピックと休む間もなく働いた結果、ちょっとお疲れのようです。下から2番目のパルマと下から3番目(同点が2チームなので、下から4番目とも言える)のレッジーナ、試合の結果は、1−0でパルマの勝ち。これでこの2チームの立場が入れ替わったものの、両チームともレッドゾーンにいるには変わりありません。せっかくユベントスを倒して流れを変えれるかと期待されたレッジーナですが、まだまだ安定はできないようです。特に監督の立場が・・・

最後に、その他2選手のことも。
柳沢選手に関しては、熱い熱い「海峡ダービー」の最優秀選手に選ばれました。後半16分、ヤナがピッチに入って確かにゲームの流れが変わりました。そして29分にはディ・ナポリから受けたボールを正確に返し、決勝ゴールのアシストをしました。プレーした時間が約30分。短いながらも良い試合をしたと思います。確か74%の票を集めて最優秀選手に選ばれたはず。メッシーナのホームで、熱いサポーターたちの前でよい試合をすることができたことは、彼に自信を与えたことでしょう。この調子で頑張って欲しいですね。

中田選手も、長いケガから回復しつつあります。先日行われた会見でも、「痛みもなく動ける。プレーも楽しんでいる。」とご機嫌だったよう。今までも何度も中田選手の会見をフォローしましたが、こんなにすすんで(?)話す中田選手は初めて見た気がします。それも自分のコンディションがよくなってきて、上手くプレーできるようになってきている自信があるからでしょう。「ヨルゲンセンとは、言葉がなくてもお互いの動きが理解できる感じ。」と言っているように、ようやくフィオレンティーナも、主力にしたいと思っていた選手たちが復帰して、お互いに連係プレーができるようになってきたようで結果も出てきています。皮肉なことに、モンドニコ監督が解任された直後からですが・・・ とにかく、ピッチで他の選手と対等に落ち着いたプレーができる中田選手を見れるのは、日本人としては嬉しいことですね。

さて、この原稿を書いているのは、ギリギリの14日・・・ そう、今日は日曜日。先月とは違って、今日も試合があるのです・・・ 試合前にレッジーナのことを書き終えたのですが、今日の結果で訂正が!!
やさしすぎるボナさん、ごめんなさい!ゴールができないFWなんて書いてしまって!今日の対ローマ戦では、ボナさんのゴールでレッジーナが勝ちました。来週は代表の試合があって、セリエAはお休みです。実は、レッジーナの監督の今後を心配していたのですが、これで安心でしょうか?このまま「驚きのレッジーナ」が続くことを祈っています!
それでは、また来月。



■11月・12月の試合スケジュール


○11月20日(土) イタリア杯3回戦
17:00 フィオレンティーナ−パルマ

*11月21日(日)のセリエAはお休みです。

○11月28日(日) <第13節> 15:00〜 *TV放送のため前後する可能性あり。
アタランタ−レッジーナ
メッシーナ−フィオレンティーナ (日本人ダービー)

○12月5日(日) <第14節> 15:00〜 *TV放送のため前後する可能性あり。
フィオレンティーナ−ボローニャ 
レッジーナ−ブレッシャ
インテル−メッシーナ

○12月12日(日) <第15節> 15:00〜 *TV放送のため前後する可能性あり。
ミラン−フィオレンティーナ
レッジーナ−カリアリ
サンプドリア−メッシーナ

 
著者プロフィール
新谷智子(しんたにともこ)

1967年広島県呉市生まれ。17歳でイタリアに憧れるも、普通に日本の大学へ進学。
大学でイタリア語を第3外国語としてかじった後、インテリア雑貨輸入、販売の会社に就職。 2年目に、イタリア語研修のご褒美をいただきヴォルテッラ(トスカーナ)で4ヶ月ホームステイ。 96年末に退社するまで、イタリアからの伝統工芸品の輸入に携わる(その間にも約1年、イタリアに自費留学)。
98年イタリア語復習の目的でペルージャに再留学。そこで、サッカーに関わる今の仕事と出会う。 まったくのサッカー音痴が、優秀な記者の指導の下、共同通信社の現地特別通信員としての経験を開始。 昨年のW杯では、仙台にてイタリア代表チームの合宿を密着取材。 今年6年目、いまだ中田選手を追う日々は続いている・・・    



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