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  エッセイ  ”フオーリ・ジョーコ”  FUORI GIOCO
15 settembre 2004 
その10. いよいよ開幕 
新谷 智子

9月・10月の試合スケジュール                        






ついにセリエAも9月12日に開幕しました。いよいよシーズン開始です。ここ数日の雨で気温もぐっと下がり、長かったようで短かった(?)夏の終わりを感じてちょっとおセンチな気分です。(余談ですが、なにかと開幕戦は雨に降られることが多い気がしますね・・・今度統計をとってみましょう。) とはいえ、そんな感傷にひたっている暇はありません。このコラムの下にある今月の試合日程を見ていただければわかりますが、イタリア杯はあるわ、リーグ戦も週中にあるわ・・・ 10月3日までの3週間で6試合。通常の2倍、週に2回試合があるわけです。

さて、そんな今季のリーグ戦についてお話しする前に、ちょっと夏のおさらいを。

まずは中田選手。今年の1月にボローニャへレンタルで移籍した中田選手は、レンタル期間が終ってパルマに戻りました。その後、2シーズンぶりにセリエA復帰を果たした名門フィオレンティーナへ完全移籍。7月18日には、ローマ時代のチームメイトだったギグーやルパテッリなど他の新加入の選手たちと一緒に、フィレンツェでお披露目。その後チームと一緒にヴィーゴ・ディ・ファッサ(トレント)での合宿に参加しました。中田選手は、今年の4月から股関節痛を患い、治療と別メニューで調整中。今まで大きなケガのなかった中田選手ですが、2月、3月に続いたハードスケジュール(ボローニャに移籍してからは全ての試合にフル出場。その間に日本代表の試合を長旅も含めてこなすなどノンストップ)がたたってか、4月になってから右股関節に痛みを訴えていました。しかし、この不調、思ったよりも長引いています。移籍当初、みんなヴィーゴ合宿(7/19〜8/4)が終わるぐらいには、チームに合流できるのではと思っていましたが、それもかなわず。それでは、ノルチャ(ペルージャ時代によく合宿しましたね・・・)合宿(8/6〜8/13)で!という願いも空しく、そのまた後のチョッコでの第3合宿も別メニュー。8月29日には、本拠地フィレンツェでの初試合となるインテルとの練習試合がありました。ホームスタジアムでの今季初試合、新加入の中田選手も、熱い熱いフィオレンティーナ・サポーターへのお披露目をかねて数分でもプレーするのではないかと期待しましたが、これもまた不参加。そして9月12日。結局中田選手不在のまま開幕してしまいました。

今のところ、明日のイタリア杯、ブレッシャ戦がデビュー戦になるのではという見方が濃厚ですが、はたしていかに?

「中田選手を中心にチームを組み立てるつもり」と、当初、監督も言っていたように、今季の中田選手の活躍はみんなが期待しているところ。ここ数年、不遇な時期を過ごしたフィオレンティーナ。「セリエAで0からスタートするフォレンティーナと同様、僕もここで0から始める」といっていた中田選手本人も、このシーズンに大きな期待をもっていることでしょう。スタートが少し遅れていますが、早く試合に出て欲しいものです。

そして、こちらも「今年こそ」の決意を持って移籍した人、柳沢選手。もうすでに前回のコラムで、彼の移籍についてはみなさんにお話ししましたね。

そしてその後、ヤナには大きな変化が・・・ そう、ついにイタリアにおける公式戦初ゴール(!)を決めました。

昨シーズン、サンプドリアにレンタル移籍した柳沢選手ですが、出場機会もあまりなく、公式戦でのゴールは「0」。イタリアでFWと言えば、「ゴールをしてなんぼ」のもの。練習試合では何度かゴールをするものの、本番で決まらない。相当悔しかったでしょうね。

初ゴールの場所は、これまた「公式戦デビュー」のメッシーナホームスタジアム、サン・フィリッポ・スタジアム。5日前にユベントスとの親善試合で?落しされたばかりのピカピカの新スタジアムは、ヤナにとって縁起が良いようです。イタリア杯グループ予選2回戦、アチレアレという、カターニャ近郊の町のチーム(セリエC)との対戦でした。このときは、試合開始すぐにヤナのヘッドがポールに当たり、みんなでがっかり。それは、メッシーナの先取点の元にはなったのですが、本人のゴールが待ち遠しい。そして、やっと前半ロスタイム。メッシーナの4ゴールのうち3番目。飛び出してきたGKをかわして、柳沢選手があせらずシュート。ちゃんとネットが揺れました。ゴール後、チームメイトに抱きつかれて祝福されたヤナは嬉しそう。一番にヤナに飛びついたのは、サンプから移籍してきたドナーティだったか?彼はサンプ時代のヤナを見ているだけに、特に祝福したい気持ちだったのでしょうね。

その後、同じスタジアムで行われたギリシャのチームとの親善試合でも2得点。

9月5日には、「フランツァ・カップ」なる、メッシーナ−レッジーナ−フィオレンティーナのトライアングルマッチが、ここサン・フィリッポ・スタジアムでありました。これは、日本人選手がいる3チームで行ったトーナメント戦ですが、開幕前のセリエAチーム同士の練習試合というよりも、日本のための特別企画的要素の強い試合でした。とはいえ、中田選手はケガのため遠征にも参加せず、腰痛を訴えていた中村選手も、「リーグ戦が大事」と監督が使わずで、結局は、日本人は柳沢選手ただ一人。しかし、ここでも彼はゴールを決めました。試合全体を通しては、良かったと言いがたいのですが、ヤナのゴールで試合終了はあまりにもおいしい。

こんなふうに、開幕に向けて期待が高まった柳沢選手なのですが、開幕戦では期待にストップが。5日の試合も熱があったということで、日本代表の招集も断りましたが、先週は練習があまりできず。結局、開幕戦はベンチに入り、そのままピッチに出ることはありませんでした。中田選手同様、明日のイタリア杯には出場しそうですが、新天地でのリーグ戦デビューはまだ果たせていません。移籍市場の最後に、アモルーゾ、ディ・ナポリというFWを補強したメッシーナ。ここでも熾烈なポジション争いが予想されます。今年こそは、試合に出れるようがんばって欲しいものです。

最後に、中村選手。この夏の中村選手は、中田選手や稲本選手などを欠いた日本代表チームを引っ張って大活躍でしたね。アジア・カップでの優勝、MVPにも輝いたとか。

そんな中村選手も、レッジーナ3年目。今までポジションがかぶっていたキャプテン、コッツァも移籍し、チームの中心選手と期待されています。

正直言って、私はまだ今季の中村選手を生で見ていません。ですが、先発フル出場した開幕戦でも良かったと聞いています。中村選手のパスやフリーキックの正確さには惚れ惚れします。思わずため息が漏れるほど(笑)。ディフェンスができないとか、フィジカルが弱いとかいう声もありますが、それも事実でしょうが、彼の「技」はイタリアを十分魅せられると思います。

日本代表の試合や、レッジーナの日本遠征などでほとんど休めていない状態が気になりますが、このまま上昇気流に乗って、セリエAでもみんなを魅了して欲しいものです。私個人的には、今季一番期待しているので、早く試合を見たいものです。そうすれば、中村選手についてももう少し長く書けるでしょう(笑)

来月、彼らがどうなっているか楽しみですね。

それでは、みなさん、また来月。

追伸:
新しいチーム、新しい土地で再スタートした中田選手と、柳沢選手。新たに「フィレンツェへ行こう」と「メッシーナへ行こう」を準備しています。まだまだ未完成な(特に「メッシーナへ・・・」)ですが、みなさんが試合を見に行く旅行を計画される際に、少しでもお役に立てれば幸いです。とりあえず、未完成部分は、来月には完成させる予定ですので、もうしばらくお待ちください。


■9月・10月の試合スケジュール

○9月15日(水) イタリア杯
18:00 フィオレンティーナ−ブレッシャ
20:30 メッシーナ−シエナ

○9月16日(木) イタリア杯
20:30 アタランタ−レッジーナ

○9月19日(日) <第2節>15:00〜
フィオレンティーナ−カリアリ
ラツィオ−レッジーナ
メッシーナ−ローマ

○9月22日(水) <第3節>
パレルモ−フィオレンティーナ
レッジーナ−リボルノ
ミラン−メッシーナ

○9月26日(日) <第4節>
ウディネーゼ−ボローニャ
レッジーナ−ブレッシャ
サンプドリア−インテル

○9月29日(水) イタリア杯
ブレッシャ−フィオレンティーナ
レッジーナ−アタランタ
シエナ−メッシーナ

○10月3日(日) <第5節>
パルマ−フィオレンティーナ
ミラン−レッジーナ
メッシーナ−シエナ

*10月10日は、ワールドカップ予選のためリーグ戦お休み。

 


著者プロフィール
新谷智子(しんたにともこ)

1967年広島県呉市生まれ。17歳でイタリアに憧れるも、普通に日本の大学へ進学。
大学でイタリア語を第3外国語としてかじった後、インテリア雑貨輸入、販売の会社に就職。 2年目に、イタリア語研修のご褒美をいただきヴォルテッラ(トスカーナ)で4ヶ月ホームステイ。 96年末に退社するまで、イタリアからの伝統工芸品の輸入に携わる(その間にも約1年、イタリアに自費留学)。
98年イタリア語復習の目的でペルージャに再留学。そこで、サッカーに関わる今の仕事と出会う。 まったくのサッカー音痴が、優秀な記者の指導の下、共同通信社の現地特別通信員としての経験を開始。 昨年のW杯では、仙台にてイタリア代表チームの合宿を密着取材。 今年6年目、いまだ中田選手を追う日々は続いている・・・    



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