日本は、例年より早く梅雨明けしているようですね。とはいえ、私が帰国している間の2週間で雨が降ったのは数日のみ。持って帰った傘も一度も使わずまたスーツケースに収めているところです。
そうです、今年もシーズンが終わって日本に一時帰国しました。いつもはセリエAの最終戦のすぐ後に帰国するのですが、今年は6月をイタリアで過ごし(毎年食べそびれるさくらんぼをたらふく食べれました。)、7月になってあわてて帰国。というわけで滞在期間も2週間弱と短くなってしまいました。
個人的な話が続きますが、なぜ7月に日本でゆっくりできないのかお話しすると、それはサッカーの移籍市場に理由があるからです。
そう、今のこの時期、サッカー(セリエA)はオフシーズン。通常、8月の終わり、9月の初めにリーグ戦が始まり(今年はオリンピックがあるため、開幕は9月12日になります。)、翌年の5月、もしくは6月に終了します。日本のJリーグのように、第1ステージ、第2ステージと分かれることはなく、1月で前半戦が終わるとそのまま続けて折り返します。多少の前後はありますが、ヨーロッパのリーグ戦は大体このようなスケジュールで行われています。
このオフの時期、サッカー選手はそれぞれの代表チームで国際試合に参加したり、それが終わるとバカンスをとり、7月の半ば頃からチームに合流、合宿に参加します。
そしてこのオフの時期こそ、選手の移籍が行われる期間なのです。前にも書いたかと思いますが、セリエAにおいて選手が移籍できるのは、夏の2ヶ月間(7、8月)と冬の1ヶ月(1月)のみ。通年、夏の移籍市場が解禁になるのは7月1日。そして8月一杯まで活発に選手の売り買い(近年はお金のかからないレンタルがブームみたいです。)が行われるのです。
そういう事情もあり、私はここ数年6月に帰国し、7月までにはイタリアに戻り、起こるかもしれない日本人選手たちの移動に備えていたわけです。これについても前に書きましたが、中田選手がパルマに移籍したときに、2日早く戻らなかったために入団発表会見に間に合わなかった苦い経験があるため、その後は気をつけてプログラムするようになりました。
しかし、今年、日本人選手の移籍が囁かれていたこの年に、どうして?と思われるでしょう。それは、単純に開き直ったというだけの理由です。というよりは、私の他に動ける人もいるので、会社としては移籍の話題を落とすことはないというだけの話しです。今年1月に中田選手がパルマからボローニャにレンタル移籍したときも、同じような感じでしたし、そのときに思わず悟ってしまいました。「私は中田選手の移籍には立ち会えないようになっている・・・」と。
そんなわけで、今回帰国する際も、「私が帰国しないと中田選手が移籍しないから、ちょっと日本に行ってきます。」などと冗談を言っていたわけです。ところが、今年はまだ動きませんねぇ・・・ 明日には私もイタリアに戻るのですが、どうなるのでしょうか?
ここで、もう一つ説明を。どうして中田選手が移籍しなければならないのかと思われる方もいらっしゃるでしょう。「どうしても」ということはないはずですが、それは、パルマというチームの現状を考えれば「残留」は難しいと思われるからです。昨年、親会社でイタリアでもトップクラスの企業だと思われていたパルマラットが倒産。イタリア経済にも深刻な問題をもたらしましたが、当然、彼らが所有するサッカーチーム、パルマも多大な影響を受けました。結局、パルマは名前もパルマACからパルマFCに改め、再建しつつあるのですが財政難は変わりなし。給料の高い選手は、チームの財政を圧迫します。さらに、売ればある程度の収入になる選手は、この際売ってしまおうという気もあるでしょう。こういう理由で、中田選手のほかに、GKのフレイ、DFのボネラ、フェラーリ、カンナバーロ(パオロ)などの名前も放出リストに挙がっています。
中田選手の今後は、現在のところ、1月にレンタルで移籍していたボローニャ、そして数年ぶりにセリエA復帰する名門フィオレンティーナなどが有力視されていますが、はたしていかに?
移籍といえば、この人について話さないわけにはいきません。柳沢選手。昨シーズン、サンプドリアにレンタル移籍をし、初めてのセリエAにチャレンジした柳沢選手ですが、出場機会もあまりなくゴールもなくという不本意な結果に終わってしまいました。そして、今年、そのリベンジをかけて再チャレンジするために選んだのが、メッシーナ。こちらのチームもセリエBから上がってきたばかり。中村選手のレッジーナとは海峡を挟んでにらみ合う、永遠のライバルチームです。(というわけで、今年のメッシーナ−レッジーナのダービーは、日本人ダービーという意図も加わり、さらに白熱するのでしょうか?!)
今年は、このメッシーナ以外にもパレルモといったシチリア勢、サルデーニャのカリアリもセリエAに昇格し、既存のレッチェ、レッジーナとともに南のチームが活気づいています。2〜3年前に、ローマ以南のチームは1つしかないと危惧されていた頃から見るとウソのようです。そこへ日本人選手2人。今年は私も南イタリアに行く機会が増えそうです・・・(移動は大変なのですよ・・・)
何はともあれ、柳沢選手、セリエA2年目がんばって欲しいですね。3年目の中村選手にも大いに期待したいところです。
さて、そういうことで、オフシーズンと言えど何かしら動いているのがこの世界。そしてもうすぐ合宿が始まります。セリエAのチームは合宿地にドロミテを選んでいるところが多いようです。昨年まではアオスタ方面に行くチームもあったのですが、今年はなし。山での合宿中から各種プレシーズンマッチ(親善/練習試合)が行われます。こういう試合は料金も「募金」程度。合宿初めはのんびりとした雰囲気もあり、リーグ戦とは違った楽しみがあります。暑い暑い町を離れて、涼しい山の上に行けるのもいいですね。みなさんも、この夏、合宿めぐりツアーなどいかがですか?
それでは、みなさんお元気で。
著者プロフィール
新谷智子(しんたにともこ)
1967年広島県呉市生まれ。17歳でイタリアに憧れるも、普通に日本の大学へ進学。
大学でイタリア語を第3外国語としてかじった後、インテリア雑貨輸入、販売の会社に就職。 2年目に、イタリア語研修のご褒美をいただきヴォルテッラ(トスカーナ)で4ヶ月ホームステイ。
96年末に退社するまで、イタリアからの伝統工芸品の輸入に携わる(その間にも約1年、イタリアに自費留学)。
98年イタリア語復習の目的でペルージャに再留学。そこで、サッカーに関わる今の仕事と出会う。
まったくのサッカー音痴が、優秀な記者の指導の下、共同通信社の現地特別通信員としての経験を開始。
昨年のW杯では、仙台にてイタリア代表チームの合宿を密着取材。 今年6年目、いまだ中田選手を追う日々は続いている・・・
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