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  エッセイ  ”フオーリ・ジョーコ”  FUORI GIOCO
15 Dicembre 2003 
その2.日本人ダービーがなくなった・・・  
新谷 智子

11月・12月の試合スケジュール                         







イタリアは、ここ数日急激に寒くなりました。みなさん風邪などひかれていませんか?
今回は、みなさんに日本人ダービーについてお話しようと思っていたのですが、昨日(12月11日)、中村選手がケガの治療のため日本に一時帰国するというニュースが入り、このコラムの内容も変えざるをえない状態で、頭を痛めているところです・・・ 中村選手は、故障をごまかしごまかしやっていたようですが、日本側からの勧告もあり、帰国して治療に専念することを決めました。年内は、リーグ戦2試合とイタリア杯の1試合を残していましたが、これらの試合は欠場に。当然、12月20日のパルマ−レッジーナ戦も中村選手不在で、日本人ダービーは実現しなくなりました。

正直なところ、他の理由で日本人ダービーが実現しないのでは・・・という懸念はあったのですが、この事態は予想しませんでした。(日本サッカー協会の方が帰国を勧めていたのは知っていましたが。)
他の理由というのは、最近の日本人選手の状況を見ればわかるのですが、試合に確実に出場するという保証がないということです。
パルマ3年目で、ベテラン選手の1人である中田選手でさえ、若手育成をモットーとしているパルマの中でポジションを確定できていません。ハングリー精神のある若い選手たちが勢いづく中、たまに先発出場のチャンスを得ても、それをバネに飛躍する機会にはできていません。 中村選手のレッジーナは、この1ヶ月の間で監督の交代劇もあり、環境的にも落ち着かない状態です。それに加えチーム全体にけが人が多く、中村選手同様、ケガの完治を待たず100%ではない状態で試合をこなし、再発、ストップを繰り返す選手もいます。こういう状況の中、「コッツァ選手と中村選手を同時に使ってみたい」という新監督の希望をかなえることもできていません。

サンプドリアの柳沢選手は、初めて先発出場したミラン戦の後、精神的に落ちこむ時期もあったようですが、シーズン初めの頃のように、後半から出場して、彼の持ち味であるスピードを活かして試合のリズムを変える役割に戻りつつあるようです。しかし、前回の試合では、リズムを変える必要がない試合展開や、味方選手の退場のため出場機会を失ってしまいました。

セリエAにおいて初めての日本人ダービーとなった試合は、99年10月24日のペルージャ−ベネツィアでした。当時ペルージャの中心選手だった中田選手と、その年初めてセリエAに挑戦したベネツィアの名波選手の日本人対決は、7月末に試合日程が発表されたときから注目されました。
この当時は、日本人選手を取り巻く環境も随分違っていました。まだまだ日本というサッカー発展途上国からやってきた選手を物珍しく見ている空気があり、日本人選手が動くところに、記者、観光客など大勢の日本人が動くという反応にも、イタリア人の好奇の目が注がれていた時代でした。そういう雰囲気の中、チームや町の「日本人観光客を呼びたい」という商業的な願望以外に、監督の考えにも、「日本人に花を持たせてやろう」という気持ちがあったように思えます。

そして今、自国でのワールドカップ開催の経験を得て、セリエAでプレーする日本人選手が定着するようになって6年目。イタリアにおける日本人選手の立場も大きく変わってきました。相変らず他の選手に比べて「特別扱い」を受けることが多い日本人選手ですが、出場機会などの面では、「特別扱い」されなくなってきています。当然、ポジティブなことだと私は思っています。まだまだ「日本人選手=商業価値」という考えは根強いですが、他の選手と一律に並べられるということは、彼らのサッカー選手としての価値も正常に評価されるようになったということだと思います。

先日、ミランのフロントで、鹿島アントラーズでの選手経験を持つレオナルド氏にインタビューしました。日本サッカーを良く知る同氏が、「イタリアでやっている3人は、みんな良く頑張っているよ。難しい局面にいる?僕はそう思わないな。みんな伸びていっているよ。」と言っていました。私は、「中村選手も柳沢選手も出場なし。中田選手も後半15分だけだったこの間の試合を見ても、日本人選手の氷河期だな・・・」と思っていたのですが、レオナルド氏の言葉を聞いて、「選手人生において、ポジションが得られない状態があるのは当たり前。競争を含めて厳しい状況のなかで、切磋琢磨されている。」ということなのだなと理解しました。

もう少しで2003年も終ります。みなさんにとってはどんな年だったのでしょうか?私個人的には、日本人選手同様、思うように行かないことが多く、じたばたした年だったような・・・ でも、そういう時期をふんばれば、また良い時もやってきますよね。2004年がみんなにとって良い年になりますように!!

■11月・12月の試合スケジュール


12/15〜1/15までの試合日程は:
12月17日(水) イタリア杯3回戦(第2戦)
○パルマ−ベネチア

12月18日(木) イタリア杯3回戦(第2戦)
○ミラン−サンプドリア

12月20日(土) セリエAリーグ戦 第14節
○パルマ−レッジーナ

12月21日(日) セリエAリーグ戦 第14節
○サンプドリア−モデナ

1月6日(火) セリエAリーグ戦 第15節
○アンコーナ−パルマ ○レッジーナ−ラツィオ ○ウディネーゼ−サンプドリア

1月11日(日) セリエAリーグ戦 第16節
○パルマ−インテル ○ミラン−レッジーナ ○サンプドリア−ユベントス

1月14日(水) イタリア杯準々決勝(第1戦)
○パルマ *対戦相手は未定(12/17の結果で決まります。)

*セリエA1月の試合に関しては、TV放送の関係で日程が前後する可能性があります。

著者プロフィール
新谷智子(しんたにともこ)

1967年広島県呉市生まれ。17歳でイタリアに憧れるも、普通に日本の大学へ進学。
大学でイタリア語を第3外国語としてかじった後、インテリア雑貨輸入、販売の会社に就職。 2年目に、イタリア語研修のご褒美をいただきヴォルテッラ(トスカーナ)で4ヶ月ホームステイ。 96年末に退社するまで、イタリアからの伝統工芸品の輸入に携わる(その間にも約1年、イタリアに自費留学)。
98年イタリア語復習の目的でペルージャに再留学。そこで、サッカーに関わる今の仕事と出会う。 まったくのサッカー音痴が、優秀な記者の指導の下、共同通信社の現地特別通信員としての経験を開始。 昨年のW杯では、仙台にてイタリア代表チームの合宿を密着取材。 今年6年目、いまだ中田選手を追う日々は続いている・・・   
 



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