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  エッセイ  ”フオーリ・ジョーコ”  FUORI GIOCO
15 Novembre 2003 
その1.日本人 三選手へエールをこめて!  
新谷 智子

11月・12月の試合スケジュール                         







94年ワールドカップ期間中、私は2回目のイタリア留学中でリミニにいました。サッカー好きな友達(♀)に、「日本はいつ試合するの?」と聞いたところ、冷たく一言「ない」。「えっ?ワールドカップなのに、日本は参加してないの?」ドーハの悲劇なんぞこれっぽっちも知らない私の無邪気な質問に、悲劇に泣いた友達は、「殴るよ!」と怒り出す始末。「どうして?どうして?」・・・あの日から4年後に、まさか自分がサッカーに携わる仕事を初め、そしてさらに4年後、2002年のワールドカップでイタリア代表の合宿を取材しているとは夢にも思いませんでした。
そしてこんな私が、サッカーを話題にコラムを書くことになりました。相変らず、試合を見て、「このパスは・・・」などと語るのは気が引けますが、サッカーど素人から始めた人間ならではのエピソード、そこから見たセリエAの世界など、おしゃべり感覚でみなさんにお伝えできればと思います。

さて、セリエAでの日本人選手の活躍も、中田選手の移籍から5年を経て、定着しつつあります。もちろん、セリエA日本人一号選手である三浦カズ選手を忘れてはいけませんが、やはり日本人選手の定着という意味では、98年の中田選手からということになるでしょう。昨年からはレッジーナに中村選手、今年はサンプドリアに柳沢選手もやってきました。(99-2000年にベネツィアでプレーした名波選手もいましたね。) リーグ戦も9試合が終わり、そんな日本人選手たちの活躍の見通しも、開幕前の予想とは変わってきました。

今年やってきたばかりの柳沢選手は、FWという結果(ゴール)を重視される難しいポジション、さらに競合選手も多いため、試合に出られるかどうかを疑問視されていました。ところが、開幕戦から6試合までは先発出場こそなかったものの、後半、途中出場するのがお約束に。そして、7節目の対ミラン戦では、初めて先発メンバーに入りました。しかし、強豪ミランを相手に先発デビューというのは、誰にとっても難しいもの。チーム全体も苦戦の上、大敗。彼もセリエAの厳しい洗礼を受けました。前半だけでベンチに退いた柳沢選手は落ち込んだ様子が隠せません。ノベッリーノ監督も「緊張していたんだろう。試合後に『気にする必要はない』と言ったんだ。」とコメント。その後2試合、出場機会を得ていないところを見ると、まだ気持ち的に回復していないのでしょうか?セリエAをとりまくリズムはとても早く、1試合づつ気持ちをすばやく切り替えていかなければおいてけぼりをくらいます。試合の流れを変えたい時に投入されるサンプドリアの新兵器「ヤナ」を早くとりもどしてもらいたいものです。

今年2年目の中村選手は、ここ数試合、レギュラーとされる選手の負傷や出場停止などの環境的な理由により、先発出場の機会を得ていますが、本来の意味でのレギュラーの座に安定するのはなかなか難しいようです。中村選手自身も、プレシーズンの合宿中に「今季はポジション争いが厳しくなる」と言っている通りライバルは多く、しかも、昨シーズンやっとのことで残留を決めたレッジーナは、降格しないことが何より大事。良いプレーをするということよりも、不細工な試合をしてでも勝つことが優先されます。まさに体力勝負のサッカーが優先されるという意味においては、中村選手にとっては不利な状況でしょう。チームに少し余裕が出てくれば状況は変わってきますが、肝心なのは、中村選手自身がこの状態にどう立ち向かうか。今季初の先発出場した対ブレッシャ戦(東洋のバッジョとされる中村選手と本物バッジョの対決で注目されましたね。)では、中村選手は2ゴールを決めました。この試合のように、少ない機会を最大限に生かして、是非、自分の手でポジションを獲得して欲しいものです。

最後は、中田選手。今年の夏は移籍の噂で持ちきりでしたが、最終的にはパルマに残りました。パルマも3年目、レギュラーの座は安定しているものと思われていましたが、ここのところその予測も怪しくなってきました。しかし、世界一厳しいとされるセリエAでの5年間、順調だったペルージャ時代だけが彼の経験ではありません。むしろ、苦い経験を通してサッカー選手としての幅を広げたと言えるでしょう。チームの調子が良い時に、自分の状態が良くないのは辛いものです。しかし、イタリアで酸いも甘いも経験した中田選手なら、またこの難しい時期を乗り越えることができるという確信をもって、自分の時期を待つことでしょう。ゲーム中相手選手に倒されても、FKのチャンスを作り出す中田選手を、私は、「転んでもタダでは起きない男」だと思っています。今のパルマは、主力選手のケガや、ドーピングによる出場停止などの事情で、レギュラーとされる選手たちの顔ぶれも変わってきています。しかし、中心選手を欠きながらも、高いレベルの結果を保っているパルマは、プランデッリ監督が言うように、「メンバーみんなが主力選手」です。トップ下というポジションに固執しているとされている中田選手ですが、今こそ、その過去に培った、本来のポジション以外の場所でそれなりの成果を出してきた経験を活かし、難しい状況にあるチームを支える1人となって欲しいものです。

セリエAのシーズン中には、色々なドラマが起こります。一試合の結果で、天国から地獄に突き落とされたり、逆にどん底から最上階へ持ち上げられたり・・・ 次回はどんな彼らの姿をお伝えするのでしょうか?今回は、彼らにエールを送りながら終わりにします。


12月20日(土曜)、パルマで開催される”パルマ V レッジーナ”戦
一緒に見に行きませんか。
私が、スタジアム見学、オフィシャルショップでのショッピング、選手行きつけのレストランや市内スポットをご案内します。                        新谷 智子
参加ご希望の方々、お問い合わせは EVC スポーツデスク
email: head@evc-tokyo.com 電話 03-3356-7622

■11月・12月の試合スケジュール
リーグ戦、イタリア杯はTV放送の関係で日程が前後することがあります。

11月23日(日) セリエAリーグ戦 第10節
○エンポリ−パルマ  ○インテル−レッジーナ  ○レッチェ−サンプドリア

11月27日(木) UEFAカップ2回戦(第2戦)
○パルマ−ザルツブルグ

11月30日(日) セリエAリーグ戦 第11節
○パルマ−キエボ  ○レッジーナ−ボローニャ ○サンプドリア−アンコナ

12月3日(水) イタリア杯3回戦(第1戦)
 ○ヴェネツィア−パルマ ○サンプドリア−ミラン ○インテル−レッジーナ

12月7日(日) セリエAリーグ戦 第12節
○レッチェ−パルマ  ○ウディネーゼ−レッジーナ  ○サンプドリア−シエナ

○12月14日(日) セリエAリーグ戦 第13節
ユベントス−パルマ  ○レッジーナ−キエボ  ○ペルージャ−サンプドリア     


著者プロフィール
新谷智子(しんたにともこ)

1967年広島県呉市生まれ。17歳でイタリアに憧れるも、普通に日本の大学へ進学。
大学でイタリア語を第3外国語としてかじった後、インテリア雑貨輸入、販売の会社に就職。 2年目に、イタリア語研修のご褒美をいただきヴォルテッラ(トスカーナ)で4ヶ月ホームステイ。 96年末に退社するまで、イタリアからの伝統工芸品の輸入に携わる(その間にも約1年、イタリアに自費留学)。
98年イタリア語復習の目的でペルージャに再留学。そこで、サッカーに関わる今の仕事と出会う。 まったくのサッカー音痴が、優秀な記者の指導の下、共同通信社の現地特別通信員としての経験を開始。 昨年のW杯では、仙台にてイタリア代表チームの合宿を密着取材。 今年6年目、いまだ中田選手を追う日々は続いている・・・   
 



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