|
ウーディネ市長 セルジョ・チェコッティ氏へのインタビュー
JITRA:市長さん、ウーディネ市とその近郊について簡単に紹介してください。
市長:イタリア北東部、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の州都ウーディネは、オープンで、訪れる人にとって居心地のよい町です。豊かな歴史と文化を持ち、大学があることから躍動感のある町でもあります。人間のサイズでつくられていて、中心地には広い歩行者専用ゾーンがあって、ゆっくり散歩することができます。サン・ジャコモ広場やリベルタ広場、ドゥオーモ広場のように広々とした歴史ある広場もあります。
外国からの旅行者の方には大切かもしれませんが、ヴェネツィアからの距離を言うと笑われてしまうのでそれは置いておいて、ウーディネの周りには、歴史的に見てとても価値ある小さな町がいくつもあります。美味しい生ハムでも有名なサン・ダニエーレSan Daniele、イタリアで最も古い公国ロンゴバルドの首都だったチヴィダーレCividaleなどがそうです。また、ヴェンゾーネVenzoneは中世建築の宝石のような町、パッサリアーノPassarianoのヴィッラ・マニンVilla Maninはヴェネツィア総督の最後の住居でした。また、アクイレイアAquileiaの町には、イタリアで最も古い初代キリスト教聖堂があります。アクイレイアは古代ローマ帝国時代、何世紀もの間、その領土内で3番目に大きな町でした。
ウーディネから数キロのところにはパルマノーヴァPalmanovaがあります。ヴェネトのルネッサンス要塞都市の典型例で、星の形をしているところに特徴があります。
日焼けをしたい人はグラードGradoやリニャーノLignanoに行かれることをおすすめします。設備の整った海水浴場があります。
JITRA:観光面から見たウーディネの特色は何でしょうか?
市長:ウーディネの町の特色を挙げるとすると、文化的な魅力、歴史的中心地の美しさ、そしてワインや食文化などグルメを満喫する機会がたくさんあるということでしょう。1200年にベルトルド大司教がチヴィダーレから遷都してから後、ウーディネはフリウリの歴史そして文化の中心地となり、アルプスの向こう側との交易の十字路となり、発展しました。
町の丘のふもとには、ヴェネツィア共和国と併合した歴史を彷彿させるリベルタ広場Piazza della Liberta'があります。実際1420年にウーディネとフリウリ地方全域はヴェネツィア共和国と一体となったのです。独立国ではなくなったのとひきかえに、広く自治が認められ、芸術や都市整備の面で大きく発展しました。例えば、市庁舎Palazzo del Comune、サン・ジョヴァンニのアーケードPorticato di San Giovanniや、お城Castelloの現在の姿に見て取ることができます。1700年には司教館Palazzo del Vescovoにて当時30歳の画家ティエポロがみずみずしい色彩で聖書の物語を描いたことは有名です。彼はドゥオーモの絵画も手掛け、大司教館Palazzo arcivescovileとプリタ小礼拝堂Oratorio della Purita'にフレスコ画を描きました。
JITRA:ウーディネの町で見逃してはならない見所、イベントを教えてください。
市長:絶対に訪れてほしい場所は、先にも挙げたリベルタ広場です。この広場にはリオネッロの開廊、すなわち1450年に建てられた優雅なヴェネツィア・ゴシック様式の市庁舎があります。サン・ジョヴァンニのアーケードは1533年にさかのぼるルネッサンス期の美しい建造物で、エレガントな時計塔Torre dell'Orologioが付いています。イタリア本土のヴェネツィア様式の広場の中で最も美しいものの一つです。
丘の上のお城も見逃せません。1517年から建造が始まったものです。お城へはリベルタ広場から、ボッラーニのアーチArco BollaniとリッポマーノのアーケードPorticato del Lippomanを通って行くことができます。城内には市民美術館Civici Musei、歴史・芸術博物館Gallerie di storia e arteがあり、中世後期の絵画を集めた古代美術館、考古学博物館、デザインと印刷物の部屋、芸術・歴史・民族誌に関する20,000冊以上の本を集めた図書館、写真館を訪れることができます。
またサンタ・マリア・デル・カステッロ教会Chiesa di Santa Maria del Castelloも訪れるとよいでしょう。優美なファサードとルネッサンス様式の堂々たる鐘楼が印象的な教会です。教会の隣にはお城のグリマーニ・アーチarco Grimaniと一緒になって、サンタ・マリア・ディ・カステッロ信者会の家と農民の家Casa della Contadinanzaもあります。
何度も修復が施されましたが、ドゥオーモDuomoはオリジナルの壮大な14世紀ゴシック様式を残しています。内陣の左側の門からドゥオーモ博物館Museo del Duomoに入ることができます。博物館には14世紀のサン・ニコロ礼拝堂や古い洗礼堂が残っています。ドゥオーモ右横の入口前にあるのが18世紀のプリタ小礼拝堂です。
歴史的中心地を走る道の中で、リアルト通りVia Rialtoは歩行者専用の市民の"サロン"です。ちょうど中世の別荘があった場所の上を通っています。メルカートヴェッキオ通りVia Mercatovecchioは、1223年に町で最初に市場(メルカート)が立った場所です。それから、マッテオッティ広場Piazza Matteotti、町で最も古いサン・ジャコモ広場Piazza San Giacomoがあります。サン・ジャコモ教会Chiesa di San Giacomoは1300年代後半のものです。
ウディネの灌漑用水路跡が残っている場所の横を走るのがザノン通りVia Zanonです。18世紀を中心とする美しい宮殿が並び、トッリアーニ通りVia Torrianiと交差するところにはサンタ・マリアの塔Torre di Santa Mariaが建っています。その後ろにはバロック芸術のマニン礼拝堂Cappella Maninがあります。現在イタリア中央銀行が入っているのがジェモーナ通りVia Gemonaにあるアントニミ宮殿Palazzo Antonimi。1570年に建てられたものです。
現代のものに話題を移すと、パオロ・ディアコノ広場Piazzale Paolo DiaconoのパラモストレPalamostreには現代美術館Galleria di Arte modernaが入っています。7月26日広場Piazzale XXVI Luglioにはレジスタンス記念碑があります。
ウーディネの町では有名なイベントも数多く開かれます。毎年2月のカーニバルの時期には音楽祭、演劇、大人や子供たちが楽しめる催し物があります。4月末に開かれるのが極東映画祭Far East Film Festivalです。ヨーロッパでは最も大きなアジアの大衆映画祭で、"ウーディネ・東洋への扉Udine porta a Oriente"と呼ばれる、イタリアで他では見られない一連のアジア関連イベントの目玉でもあります。この3月にはインドの発見をテーマにイベントが開かれ、映画、コンベンション、写真展とともに世界的に有名なお客様を呼びました。この5月には、昨年亡くなったテルツァーニ(世界の大陸を回って文化を追い求めた人です)にちなんだテルツァーニ賞Premio Terzaniが開かれます。
その他、忘れてならないイベントが、偉大なアーティストが参加する創作・即興音楽のフェスティバル"ウディン&ジャズUdin&Jazz"(6月末)、コンサートや野外映画などが開かれる"ウーディネ・エスターテUdine d'Estate"、フリウリ地方全域で開かれる民族音楽のフェスティバル"フォルケストFolkestなどです。チヴィダーレではヨーロッパの前衛芸術のフェスティバル"ミッテルフェストMittelfest"もあります。
そして、9月には一年で最も重要なお祭り"フリウリ・ドックFRIULI DOC"が開かれます。食文化をテーマとした展示会で、昨年は4日間で100万人が訪れました。この場を借りて、JITRA読者のみなさんに今年の9月15日から18日までウーディネの町にいらっしゃるようおすすめします。フリウリ地方の飲物から食物まですべての味覚を発見することができます。同時にお祭りやコンサート、演劇、たくさんのお楽しみがあって、町中がにぎわいます。絶対に見逃せないイベントです。
JITRA:市長さんのおすすめの特産品、お店などはありますか?
市長:具体的な名前を挙げると、その他の店の主人が怒るかもしれませんので、それは避けますが、ウーディネはショッピングを思いきり楽しめる町であると言えば十分でしょう。一般的に知られる"メード・イン・イタリー"の洋服やインテリアだけでなく、例えば手工芸品、ワインや食の特産品、贈り物にぴったりのものをたくさん見つけることができます。
さらにすごいのが、食事場所の幅広さです。レストランから伝統的な古いオステリアまで、地元の純粋な特産物へのこだわりと美味しい味覚が融合しています。そして私たちの丘でとれる素晴らしいワインがお供をします。ピエモンテやトスカーナのワインにひけをとりませんよ。
JITRA:最後に市長さんから日本人旅行者へのメッセージをお願いします。
市長:すでに話したように極東映画祭が開かれるウーディネは、町の文化政策においてアジアと非常に結びつきが強い町です。4月末にはヨーロッパ中の映画関連ジャーナリストが、日本の映画界からどういった新作が出てくるのかを知りにこの町にやってきます。今年の映画祭ではまさに日本をテーマとしたセクションが設けられ、映画会社にっかつの歴史について紹介する機会がありました。
ウーディネの町はオープンで、訪れる人をあたたかく迎えます。日本の旅行者のみなさん、是非わが町にお越しください。
|