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シエナ市長 マウリツィオ・チェンニ氏へのインタビュー
JITRA:市長さん、シエナ市について簡単に紹介してください。
市長:トスカーナ州の古都シエナの町の起源は謎に包まれています。古代ローマ時代にはすでに人が住んでいたことは確かで、紀元前29年に"サエナ・ユリア"という名前の軍事植民地になりました。その後、中世の時代に町は豊かになり、力を持つようになります。この時期、シエナの銀行家たちは、ヨーロッパで最も有力な王族たちや教皇と取引を行っていました。1200年代から1348年までの間、シエナの町は芸術作品や美しい宮殿、素晴らしい教会などで飾られたのです。当時はローマよりも人口が多いほどでした。しかし、1348年にペストが流行、住民の大半が亡くなりました。そして1300年代半ば以降、シエナはヨーロッパの金融の中心地としての機能を失ったのです。しかし、芸術・文化の町としての特徴は今日まで保たれています。
シエナでは過去が現在と完全に結びついています。町の地下には中世時代の水道管が通っており、今でも町の噴水に水を運んでいます。同時にシエナのすべての家庭をつなぐ光ファイバーも地下を走っているのです。町には2つの大学があり、一つは外国人のための大学です。私達の祖先が1472年に設立した銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナは、今ではイタリアの5本の指に入る銀行です。現在の町の人口は54,000人です。
JITRA:観光面でのシエナの特徴は何でしょうか?
市長:シエナは世界的に見て最も重要なゴシック様式の町です。歴史的中心地全体がユネスコの世界遺産に登録されています。700年前につくられた建築物、街路、広場、芸術作品が今でも完全な姿で保存されています。シエナは他にはない唯一の町なのです。
JITRA:シエナで必ず見逃してはならない場所、主要なイベントを教えてください。
市長:絶対に見逃してはならないのがカンポ広場Piazza del Campoとプッブリコ宮殿Palazzo
Pubblicoです。プッブリコ宮殿は1200年代末に町の統治者のために建てられたもので、私の仕事場(市役所)はこの宮殿内にあります。今では2階の広間は公に開かれた美術館になっており、シモーネ・マルティーニの"玉座の聖母子"(1315‐1321)など有名な作品が収められています。平和を象徴する白い服に包まれた女性を描いたアンブロージョ・ロレンテツェッティの"善政"(1337‐1339)もあります。この女性の寓意像は、ユネスコの世界平和を意味する国際的シンボルとなっています。また、プッブリコ宮殿からマンジャの塔Torre
del Mangiaに上ることもできます。てっぺんまでは400段の階段を上がらなければなりませんが、ここからの町の眺望は大変美しいものです。
ドゥオーモ広場Piazza del Duomoでは大聖堂の美しさに圧倒されるでしょう。内部には、ジョヴァンニ・ピサーノ、ニコラ・ピサーノ、ドナテッロ、ミケランジェロ、ベルニーニなどイタリアで最も偉大な彫刻家たちの作品が保存されています。8月から10月にかけて、聖書の場面や登場人物を描いた56のパネルでできた大理石のはめ込みの床が開かれます。
大聖堂の近くのドゥオーモ美術館Museo dell'Opera del Duomoでは、ドゥッチョ・ディ・ブオニンセニャの"荘厳の聖母"(1308-1311)が見られます。
大聖堂の前にはサンタ・マリア・デッラ・スカーラSanta Maria della Scalaがあります。1000年代初頭に建てられた西洋で最も古い病院の一つで、現在では博物館になっています。また、ペッレグリナイオPellegrinaioのフレスコ画からは、600年前にシエナの人たちがどのような生活を送っていたかがわかります。
現代美術が好きな人はパペッセ美術館Museo delle Papesseを訪れられるとよいでしょう。国際的に有名な現代美術センターです。シエナにはまた子供のための美術館Museo
per i bambiniもあります。ここでは小さなお子さんたちにも芸術の秘密をわかってもらえるようになっています。
シエナは夏に行われるパリオで有名ですが、その他にもイベントは一年中目白押しです。音楽愛好家にはキジャーナ音楽院のコンサートとシエナ・ジャズをおすすめします。美術の展覧会は現代美術も含めシエナのすべての美術館で企画されます。
また、シエナでは都市トレッキングtrekking urbanoを構想しました。これは芸術の町でスポーツをする新しいアイデアで、美味しい空気を吸いながら歴史的建造物や美しいパノラマ、険しい上り下りの坂道を進むというものです。2004年10月3日に第1回の都市トレッキング国内大会を開催しました。2005年は他のヨーロッパの町へもこの企画を広げていきたいと考えています。夏季にはいくつかの美術館は夜も開いており、これらの見学と組み合わせた夜の都市トレッキングも可能になります。
現在、2005年に予定されている町の全イベントを盛り込んだ"シエナーテプリマ2005 Sienateprima 2005"というCDを作成中です。英語版もありますし、市のインターネットサイトからも直接ご覧頂けます。
JITRA:おすすめの特産品、お食事場所などはありますか?
市長:トラットリアやエノテカ、伝統的レストランなどで古いレシピに基づいた料理を味わうことができます。シエナ文化の重要な側面を形作るものであり、これらを無視して私達の町を堪能することはできないでしょう。近年、シエナの豚cinta
seneseの味わい深い肉が評価されています。中でも特産品は伝統的なシエナのサラミ類です。サラミの他、にんにくで香り付けされたソーセージ、フィノッキオの実が入ったフィノッキオーナ、ラード、生ハム、頚肉を使ったカポコッロなどがあります。また、ミルツァ(臓物)のクロスティーニcrostini
di milza、インゲン豆のスープzuppa di fagioli、野ウサギのソースのパッパルデッレpappardelle alla
lepre、鶏や鳩肉のローストarrosto morto di pollo o di piccione、そしてシエナの高級牛キアニーナ肉carne
chianinaなどの伝統料理を食べずにシエナを後にすることはできません。さらに、デザートとして、アーモンド生地、香辛料、砂糖漬けの果物で作るリッチャレッリricciarelli、パンフォルテpanforte、カヴァッルッチcavallucciなどがあります。かつてはクリスマスに食べるお菓子でしたが、今では一年を通して売られています。町のケーキ屋では、パン・コイ・サンティpan
coi santiやスキアッチャータ・ディ・パスクワschiacciata di Pasquaなど、何世代にもわたって伝えられてきたレシピに従って準備された出来たてのお菓子を手に入れることができます。
シエナではまた、リッチなお買い物をすることもできます。金細工師、家具職人、織物屋、仕立て屋、ガラス工、鍛冶屋などが、今でも古い技術に基づきながら高品質の品物を製造しています。職人の工房でのお買い物は何とも言えない楽しさがあります。というのも、素材が加工され、他にはない自分だけの製品が出来あがるのを目の当たりにすることができるからです。シエナ市では町の文化の一部を成すこれら古い職業を守るため、工房のとりでとも言えるシエナルテフィチェSienarteficeを創設しました。さらにシエナの手工業職人を宣伝するためにラルテ・エ・イル・メスティエーレl'arte
e il mestiereという冊子や、公に活動しているシエナの全職人を案内したシエナの地図を作成しました。
JITRA:最後に、日本からやって来る旅行者の皆さんに市長さんからのメッセージをお願いします。
市長:シエナには是非一日以上ご滞在ください。私達の町は一年を通して幅広い文化的行事をお届けします。特に、私のアイデアから生まれた音楽イベント"チッタ・アロマティカCitta'
Aromatica"のことを付け加えないといけないですね。カンポ広場がさまざまなアーチスト、歌手、音楽家たちの舞台となり、彼らのプロの技、情熱が一体となって、民族間の平和・つながりを伝えていこうというものです。日本企業の日産の後援も得て、イベントを支えてくれています。
歴史ある美しい町が新しいアイデアでみなさんをお迎えします。シエナの町に滞在して、その魅力を存分に味わってください。
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