|
アルバ市長 ジュセッペ・ロッセット 氏
JITRA: 市長さん、アルバの町を簡単に紹介してください。
アルバは歴史の古い町です。新石器時代にはすでに人が住む居住区でした。アルバとして町の歴史が始まるのは紀元前89年のこと、ポンペイウス皇帝の時代からです。当時はローマ帝国の重要な拠点で、その痕跡は今でもたくさん残っています。そして最も繁栄したのが中世の自治都市時代。町にまだ残るいくつかの塔がその名残をとどめています。それから、多くの領主に支配された後、1628年にサヴォイア王国の支配下に入りました。1700年代末、フランス革命勃発に伴いジャコバン派共和国になりました。
第二次世界大戦中には、レジスタンス活動に活発に参加し、23日間、自由共和国となりました。町のパルチザン活動に対しては戦功章が与えられました。
アルバ市出身の有名人を挙げると、193 年に87日間だけローマ帝国皇帝となったプブリオ・エルヴィオ・ペルティナーチェ、1484年から1524年にかけて活躍したピエモンテの宗教画家マクリーノ、現在いくつかの大きな美術館でその作品が展示されている現代画家ピノット・ガッリツィオ、ランゲ地方の農民の生活やレジスタンス活動について誰よりも鋭く描写した作家ベッペ・フェノッリオなどです。
JITRA:アルバ市の観光面での見所を教えてください。
アルバ市には歴史的、芸術的に見ごたえのあるモニュメントがいくつもあります。
まず、サン・ジョヴァンニ教会Chiesa di San Giovanni 。芸術を愛する人には必見の場所です。内部には、1377年にボルナーバ・ダ・モーデナが描いた「慈悲の聖母」やマクリーノの1508年の作「聖母子礼拝」の絵があります。
リソルジメント広場Piazza Risorgimentoに面するのが、サン・ロレンツォ教会Cattedrale di San
Lorenzoとコムーネ宮殿Palazzo del Comuneです。コムーネ宮殿の会議室には、マクリーノの1501年の作「聖母の戴冠」(1501年)、カラヴァッジョの影響が見られるマッティア・プレーティ(1613‐1699)の「小さなコンサート」、1500年代に描かれた祭壇の聖画、そしてピノット・ガッリツィオの作品が飾られています。
ドゥオーモ広場Piazza del Duomoからは、シネオSineo、ボニーノBonino、アステシアーノAstesianoの塔を見ることができます。最も高くそして保存状態の良いこの3つの塔は、典型的な中世時代の塔で、当時の町の威信をよく表しています。
サン・ドメニコ教会Chiesa di S. Domenicoは、14世紀末にその起源をさかのぼります。原始ゴシック様式の建物で、とても厳格かつ調和のとれた雰囲気を醸し出しています。4つの頑丈なバトレス(控え壁)がある正面ファサードはとてもシンプルです。
目抜き通りのヴィットーリオ・エマニュエーレ通りVia Vittorio Emanueleとカリッサーノ通りVia Calissanoが交わるところに、ド宮殿Casa
Doがあります。この宮殿は15世紀に建てらたもので、陶板フリーズ(帯状装飾)で飾られています。もう少し先に進むと、コンティ・ベッリ宮殿Palazzo
dei conti Belliのファサードが見えてきます。このファサードはより幾何学的な新しい装飾の陶板で装飾されています。
ピエリーノ・ベッリ通りVia Pierino Belliとの交差点、ガッレリーア・デッラ・マッダレーナGalleria della Maddalenaの前には、コンティ・ディ・セッラルンガ宮殿Palazzo
dei conti di Serralungaがあります。また、1700年代の教会サン・コズマ・エ・ダミアーノ教会Chiesa
dei S. Cosma e Damiano、バロック時代のヴィットーネが建築したマッダレーナ教会Chiesa della Maddalenaが、パルッツァ通りVia
Paruzzaとの交差点にほとんど向かい合うように建っています。
少し離れたところにあるのが、市民図書館Biblioteca Civicaと歴史考古学博物館Museo
storico archeologicoです。博物館には、自然研究や民俗学に関わるセクションや、古代ローマ時代や先史時代のこの地帯一帯の考古学的に価値のあるコレクションがあります。
長方形をしたサヴォーナ広場Piazza Savonaはアーケードに囲まれているのが特徴です。1950年代に彫刻家グリッリがつくった噴水とレジスタンス活動を記念して建てられたウンベルト・マストロイアンニのモニュメントが目印です。
JITRA:アルバで開かれるイヴェントは何ですか?
百の塔の馬上競技‐ロバのパリオ Giostra delle Cento Torri - Palio
degli Asini
10月の第一日曜に開かれます。アルバ市の各地区の人たちが12・13世紀の市民の生活を再現すべく、当時の衣装を身に付けて競争します。
アルバの白トリュフ市 Fiera Nazionale del Tartufo Bianco d'Alba
10月に開かれます。文化的・民俗的な催し物や特産品のデモンストレーションなどが繰り広げられます。
ヴィヌムVINUM
4月24日から5月2日まで。アルバ地帯の高級ワインの展覧会です。ボトル詰めに最適な時期に開かれます。
ゴム球競技Pallone Elastico
アルバの町の典型的な遊びで、球技場や町の広場などで行われます。それぞれ4人からなる2つのチームが布で覆ったげんこつでゴムボールを打ち合います。80メートルの距離をボールが飛び交う、とても迫力ある競技です。
JITRA:お勧めの特産品を教えてください。
イタリアの数あるワイン産地の中でもこの辺りは非常に特色ある生産地帯です。アスティAsti、バローロBarolo、バルバレスコBarbarescoといった一流ワインを生産する町がアルバからすぐのところにあります。この地方一帯の日当たりのよい丘や坂は、ワイン生産にとても適しています。ワイン畑の広がるアルバの風景はこれからも守りつづけないといけないと思っています。
そして、絶対に忘れてはいけないのが、他では味わうことのできない独特の香りをもつアルバの白トリュフTartufo
bianco d'albaです。想像してみてください。7〜8グラムほど削り、メインディッシュにのせるだけで、とても贅沢で豪華な一品に様変わりです。いかに特別な生産品かおわかりいただけますでしょうか。
学名をトゥベール・マニャトゥム・ピコTuber Magnatum Picoと言いますが、アルバの白トリュフとして世界中で知られています。トリュフは土地の下に生える球根状のキノコです。地下で共生する樹木の根っこから水分やミネラル分を吸収して、形成されます。
バターとサルヴィアのタジャリンtajarin al burro e salvia(タジャリン=タリオリーニTagliolini)のような料理には、生のものをトリュフ削り器で薄く削って使います。その他にも、アルバ風生肉の料理やポルチーニ茸とオヴォーリ茸のサラダ、それから単純な卵料理の上にも薄く削ったものを振りかけていただきます。アルバ料理は世界的に見ても特色あるもので、すでに国際的にも知られています。
10月から12月の間、夜明け前あるいは夕暮れのぼんやりとした月明かりの中、犬を連れたトリュフ狩の人たちが、大切に秘密として守っているルートを進んで、トリュフを採集します。食通のみなさんは、この白トリュフを味わうため、秋になるとアルバにいらっしゃいます。アルバの白トリュフに出会うためにここまで来る人たちは必ず、その香りと味わいの魔法にかかってしまいます。そして、素晴らしい自然の眺め、美しい色彩あふれる風土を忘れることができなくなります。
その他に訪れる人たちに楽しんでいただけるものとして、"ワイナリー巡りAndare per Cantine"という企画があります。質が高く、珍しい、高価なワインを求めて、この地域一帯にある数多くのワイナリーを訪れます。実際、美味しい料理と並んで当地のワインは、多くの人がアルバを訪れる動機の一つになっています。ワイナリーを訪れれば、ワインを味わえるだけでなく、その作業や研究、ボトルに詰めるまでの苦労、ワイン畑で働く農民たちの知恵や誇りを知ることができます。ワイン畑が広がる風景を見ていると、まるで完璧でファンタスティックな刺繍模様を見ているかのような気分になります
さらに、アルバ地帯を訪れていただくと、ワイン畑の向こうでナッツNoccioleが栽培されていることに気付かれるでしょう。このあたり一帯でとれるナッツは高品質なもので、ランゲの"トンダ・ジェンティーレTonda
gentile(やさしい丸いナッツ)"と呼ばれています。
私どもの町は世界中からのお客様をお迎えしています。是非、日本人旅行者の皆様にもこの魅力にあふれたアルバの町を訪れていただきたいと願っております。
|