JITRA: 市長さん、トーディを簡単に紹介してください。
約10年ほど前、アメリカ・ケンタッキー大学のリチャード・レヴァイン教授が率いた研究者チームが、“環境の整った町citta’ sostenibile”についての研究を行い、トーディの町を最も良い見本であるとしました。ジャーナリトたちは “住み心地の良い町”だとか“まとまりのある理想的な町”と表現しましたが、これらの言葉のどれも、研究者チームがプロジェクトしている未来都市のことを的確には表わしていないように思います。“citta’ sostenibile”とは、都市機能と周りの環境とのバランスが保たれた町という意味で、このバランスをどのように保っていけばよいかを研究する理想的な町として、ウンブリア州にあるトーディが選ばれたのです。ここで研究者や学生達は、外観の美しさ、エコロジー、そして都市としての機能、この3つが調和するような建築システムを考えました。そして現在、都市の荒廃や環境破壊の防止に役立つような“モデル都市”が生まれつつあるのです。
トーディの町が選ばれたのは偶然の結果ではありません。まずはウンブリア州というところが、彼らのプロジェクトに全くふさわしい場所なのです。美しい自然があり、中世の町々が残っています。トーディはまさに、コムーネの時代が残した丘の上にある美しい町の見本であり、そして、すべての真の芸術作品のように、遠い昔の出来事が私達の心の琴線に触れるのです。現在、中心地では、丘の地盤を補強する作業と同時に、町のインフラ振興も進みつつあります。
トーディは “理想的な未来のモデル都市”であり、静かで、安全で、犯罪率も低く、見逃してはならない町と言えるでしょう。
JITRA: トーディの文化面、観光面での最大の特色は何でしょうか。
トーディの最大の特色は、中世の面影がそのまま残る町並みです。しかも、“人間のサイズ”にちょうどよい、観光客が楽しむにはぴったりの大きさです。古くて美しいものが私達の文化の中には保たれています。また、パラッツォや教会といったモニュメントだけでなく、伝統工芸品、素朴な食べ物やワイン、そして訪れる人に対する思いやり、があります。遠い中世の時代に戻ったような、リラックスした時を過ごすことができるはずです。
JITRA: トーディを訪れる際、見逃せない場所、イベントは何でしょうか。
トーディの町の中心にあるポポロ広場Piazza del Popolo は、イタリアの中でも特に美しい広場です。市民の集いの場でもあります。広場には、中世の時代に政治と宗教の力を象徴するシンボルでもあった建物が面しています。大聖堂Cattedrale、司教館Vescovado、パラッツォ・デル・ポポロPalazzo del Popolo、パラッツォ・デル・カピターノPalazzo del Capitano、パラッツォ・デイ・プリオーリ Palazzo dei Prioriです。
町のモニュメントで特に素晴らしいのが、ゴシック様式のサン・フォルトゥナート教会Tempio di San Fortunatoです。当時、有力だったフランチェスコ修道会の協力を得て1292年にコムーネが建設することを決めました。
町を囲む壁のちょうど外側には、コンソラツィオーネ教会Tempio della Consolaziioneがあります。ブラマンテ作とも言われるこの教会は、建設に100年以上もかかり、建築学的に見て大変美しい教会です。
でも、本当のトーディ、実際に発見して理解してもらいたいトーディは、もっと普通の町並みの中にあります。急な坂の上に何世紀も前につくられた家々、狭い空間をつかって巧みに建てられたこれらの家は、ある意味では生活の知恵から生まれたと言えます。細くて曲がりくねった道の多いトーディの町を散策すると、突然、息を呑むような素敵なパノラマに出会うこともできます。
次に、トーディの主だったイヴェントについてです。
- トーディ・アート・フェスティバルTodi Arte Festival。毎年7月の最終週に開かれるトーディ最大のフェスティバルです。舞台を使った様々な芸術表現を試みる場として、演劇、オペラ、音楽、ダンス、文学の集いなどが催されます。トーディだけでなくイタリア中で知られています。
- イタリア・アンティーク市 Rassegna Antiquaria d’Italia。町の中心にあるパラッツォ・デル・ヴィニョーラPalazzo del Vignolaで毎年3月または4月に開かれます。家具、絵画、カーペット、青銅品や陶器など、イタリア中の価値あるアンティーク品が出されます。
- ティピコ・DOP・アート Tipico e Dop Art。地元で生産される食品、伝統工芸品(陶器、鉄細工、金製品など)の良さを再発見するためのイヴェントです。5月の終わり、ポポロ広場などに100近いスタンドが出されます。
- 国際熱気球大会 Premio Internazionale Mongolfieristico。毎年7月頃に開かれる、世界的に見ても重要な熱気球の大会です。ウンブリアのなだらかな丘の上を50の熱気球が飛びます。
- 演劇のシーズン Stagione Teatrale 毎年10月から4月が、町のテアトロ・コムーネTeatro Comunaleの開くシーズンです。色々な演目を楽しめます。
トーディでおすすめの食べ物などはありますか。
トーディにはたくさんの文化的財産がありますが、伝統的な食文化もおおいに自慢できます。美味しい郷土料理がたくさんありますよ。まず最初に紹介したいのが、“パロンバ・コン・ラ・ギオッタPalomba con la Ghiotta”。野生の鳩(パロンバ)をローストして、ギオッタと呼ばれるソースで煮込みます。このソースは、鳩の内臓とスパイスなどを混ぜあわせてできますが、それぞれの家庭によって他に加えるものが異なります。
伝統的なピッツァ“ソット・イル・フオーコSotto il fuoco”も美味しいです。灰と炭火の下でソーセージと香草と一緒に焼かれるのでこう呼ばれます。パスクァ(復活祭)の時期には、たくさんの卵とチーズで生地をつくる “ピッツァ・ディ・パスクァPizza di Pasqua”もトーディ市民の食卓にのぼります。ちょっと変わった一皿は、“マッケローニ・ドルチMaccheroni dolci”。パン粉、砂糖、クルミ、シナモン、チョコレート、蜂蜜、コチニールを混ぜたものに、よく茹でたリガトーニ(パスタの一種)を合わせた一品です。
ワインに関しては、すでに古代ローマの政治家プリニウスが、この地域の特徴的なワインとしてトーディの名前を挙げています。14世紀の町の記録簿には、“グレケットGrechetto”という名前で私達のところにギリシャのワインが届いたという記録が残っていますが、今ではこのあたりで獲れるぶどうの品種の名前になっています。
JITRA: 日本の旅行者に対して、市長からのメッセージをお願いします。
トーディの町は、生活の質、歴史的・文化的遺産、郷土の特色ある食べ物など、あらゆる面から見て訪れる価値は多いにあります。是非トーディの町にいらして、実際に触れてみてください。
