JITRA: 市長さん、マテーラの歴史的沿革を紹介してください。
マテーラの地域へ人間が住み始めたのは、大変古い時代にさかのぼります。すでに、旧石器時代の出土品が発見されていますし、新石器時代の塹壕村落跡や青銅時代の村落の跡が明らかとなっています。マテーラの歴史的原点といえる地域は、チビタCivitaと呼ばれており、大聖堂Cattedoraleがそびえたち、その側面のカルスト地形の谷間に洞窟住居群サッシSassi地区 が形成されています。バリサーノBarisano 、カヴェオーソCaveosoなどのサッシは1993年にユネスコにより世界人類遺産に指定されています。
さらに、ガッティーニ、ヴォルペなどの歴史家は、ギリシャ人、ローマ人がこの地に定住していたことを資料で裏付けています。
6世紀には、マテーラの地は、ゴート族に侵入されました。続いて、ロンゴバルド族が到達し、数世紀にわたりビザンチンと対決を続けました。多数の侵略を受け、876年から994年までのわずか130年の間に、マテーラは破壊と再建設を3度も繰り返しました。10世紀以降、この地域には、岩窟教会chiese rupestri、修道院、僧院など多数の宗教的建造物が建設され、それにともない、マテーラの地域も、前述したチビタ地域の外にまで広がってゆきます。
12世紀から13世紀にかけて、マテーラは、アンジュー家Angioiniの支配下に入りました。その後、オルシーニ・デル・バルゾ、サンセヴェリーノなど、強力な中世封建領主に支配されました。マテーラはその後、アランゴーナ家Alangonesi の影響を受けるようになりました。15世紀および16世紀には、アルバニア人、セルビア人、クロアティア人などが大勢入ってきました。トルコ侵略の圧力のため、移民を余儀なくされたからです。
アランゴーナ家は、その後、マテーラをジャンカルロ・トラマンターノ伯爵に売り渡しましたが、同伯爵は、マテーラ人を重税のため大変苦しめたため、1514年、建設中の城を未完成のまま、マテーラ人により虐殺されました。
マテーラは、その後も数回にわたり、売られたり、買い戻されたりした後、1663年に、バシリカータ王宮の本拠地として選ばれ、1806年まで続きました。マテーラは、その後、イタリア統一までイタリア南部の歴史的変遷の波を受けました。1927年に、県の県庁所在地となりました。マテーラは、1943年、9.21事件により、銀メダルの称号を受けました。
JITRA: マテーラの文化的、観光的な最大の特色は何でしょうか。
マテーラは、何よりも、新石器時代から現代に至るまでの人類の軌跡を実際に眼でみれることが最大の特色かと思います。そのため、私たちは、サッシ地区に、民衆人類学パークParco demoantropologico を創設する準備をしています。人類の歴史を読み取ることのできる、野外ミュージアムを目指しています。
JITRA: マテーラを訪れる際、見逃せない場所、そしてイベントを教えてください。
サッシ、および、地域内に点在している155におよぶ岩窟教会。マテーラのムルージアMurgia公園。二つの17世紀の教会のある平地部。数多くのアート・ギャラリー。国立博物館リドーラMuseo Nazionale Ridola。歴史的市街地、18世紀の建造物ランフランキ宮 Palazzo Lanfranchiに置かれている国立中世・現代博物館などなど。私たちは、現在、マテーラ市内の博物館間の体系化を強化しています。特に、最近、修復が完了した市内の岩窟教会を巡るコースづくりなどを重要視しています。
催しものとしては、マドンナ・デッレ・ヴイルツMadonna delle Virtu’、 サン・ニコラ・デイ・グレーチSan Nicola dei Greci などの岩窟教会で開催される大規模な彫刻展に是非、注目していただきたいと思います。本年は、彫刻家、アントニエッタ・ラファエル・マファイ Antonietta Raphael Mafai の展覧会で、7月5日にオープンします。文化企画は音楽から演劇まで様々あります。2003年12月までのプログラムは、暫定的ではありますが、私どものホームページ www.comune.mt.it をみていただければご覧いただけます。
マテーラでおすすめの食べ物や買い物などはありますか。
市長の立場上、どのレストラン、そのショップと、具体的な助言をさしあげることはできません。しかし、市内のほぼ大半のレストランで提供している多種多様な地域の味を是非、賞味していただきたいと思います。オリーブオイルからワイン、そして郷土料理の品々。そして何よりも重要なのは、「マテーラのパン」Il Pane di Materaです。このマテーラのパンは、香りも歯ごたえもこの地域唯一のもので、このパンだけは、ぜひとも味わっていただきたいと思います。
JITRA: 日本の旅行者に対して、市長からのメッセージをお願いします。
私は、日本が日本への旅行者をどれほど大切に歓迎しておられるのかよく知っております。そして、私どもも、スケールは小さいものの、日本の優れた組織力のレベルに追いつくよう努力を重ねているところです。
私どもの地域共同体は、歴史的にも、伝統的にも、オスピタリティの文化を大きな特色としていますが、まだまだ不十分な点が多々あります。人々の求める水準に達するよう、できるだけのことをしていきたいと思っています。特に、我々のマテーラまで、大変遠くからやってきてくださるお客様を幻滅させないようにつとめたいと思います。
近年、日本からの旅行者の方々の数は、大々的に増加しています。日本人の中には、仕事などで当地に住み着くことを決心した方もおられます。我々としては、いずれも大歓迎です。
サッシの街、マテーラはゆっくりと注意深く、味わっていただく都市です。マテーラは、歴史的、文化的に偉大なる美しさに恵まれた街です。強烈で忘れがたい経験を得るためには、その美しさを旅行者として賞賛するだけでなく、実際に住んでみていただく必要があるでしょう。皆様のご来訪を心からお待ちしています。
