JITRA: 市長さん、テーリオの特色を簡潔に説明してください。
テーリオTeglio は、ロンバルディア州の北部ソンドリオ県にある小さな村です。標高810メートル。ロンバルディア州の州都ミラノから北に150キロ、ブレーシャから130キロ、そして、スイス国境に近く、サン・モリッツから80キロの場所に位置しています。このあたりの地域はValtellina、ヴァルテッリーナと呼ばれる山岳地域ですが、もともと、ヴァルテッリーナは、「テーリオの峡谷」という意味があります。アルプスを背に、集落が点在し、その間を曲がりくねった小さな道がつないでいます。ソンドリオ県の中でも美しい風景で知られる名所です。
JITRA: テーリオは食文化でも非常に特色があるとうかがっていますが。
なんといっても、テーリオの「食」の最大の特色は、Pizzoccheri ピッゾケッリという、蕎麦粉でつくられたパスタ料理の存在だと思います。ピッゾケッリは、ヴァルテッリーナ地域に広く、伝統料理として普及していますが、テーリオがこのピッゾケッリの発祥の地として知られています。テーリオには、ピッゾケッリ食文化の研究・普及を目指してピッゾッケリアカデミーも設立されています。
テーリオのピッゾケッリは、蕎麦粉と小麦粉でつくったタギアッテッレに茹でたジャガイモ、キャベツ類をあわせ、溶かしバター、にんにく、地元の溶けるチーズであえたものです。熱々を食べるのがミソです。
同じ蕎麦粉を用いて、作られた Polenta ポレンタも地元の伝統料理の一つです。このポレンタには、仕上がりの最後で、バターと溶けるチーズを加えます。 さらに、Sciàttと呼ばれる中にチーズをいれた、蕎麦粉でつくった小さなパンもあります。
サラミ類もいろいろつくっていますが、特に、牛肉を塩漬けして乾燥させたブレサオラBresaola は、我々の地域でのみ作られる自慢の品です。
この地域のチーズは、「ヴァルッテリーナ・カゼーラ」Valtellina Casera, 「アルプスチーズ」Formaggio d’Alpe など。蕎麦粉料理にぴったりのチーズです。
そして、テーリオおよび、バルテリーナ地方の食文化の全体像を語るには、ポルチーニキノコに加え、リンゴ、クリ、蜂蜜を抜かすことはできません。そして、これらの果物や蜂蜜を使った、ビショーラbisciola , クーペタcupeta と呼ばれるお菓子もテーリオ独自のものです。
また、ヴァルジェッラ Valgellaという銘柄が、テーリオのワインです。ヴァルテッリーナ渓谷でとれるワインの特色はくっきりした味の赤ワインで、ヴァルテッリーナDocワインと総称されていますが、このヴァルジェッラもそのひとつです。
地元のレストランでは、どこでも、毎日のメニューの中にこれらテーリオ独特の料理が入っています。
JITRA: 食にまつわる楽しいイベントが沢山あるようですね。
はい、特に、夏と秋に様々なイベントが集中しています。
地域内の様々な村落で村祭りSagre Localiが開かれます。主な村祭りはサン・ジョヴァンニ、サン・ロッコ、プラート・ヴァレンティーノ、サン・ジャコモなどで、その際には地元の食品産物の試食会も実施されます。
また、「ピッゾッケッリ祭り」(la Festa dei Pizzoccheri)という催しもあります。テーリオの美しい松林で、ピッゾケッリをはじめとるする地元の味覚を味わう伝統的な行事です。
地域内のレストラン各店でも地元料理の普及のため、様々な企画メニューが実施されています。
「ゴールド・ピッゾケッリ」(Il Pizzocchero d’oro)の期間には、蕎麦粉を用いた様々なメニューが提供されますし、「キノコ・ウイーク」(Week-end dei Funghi)では、キノコ料理類、「野鳥・野禽ウイーク」(Week-end della Selvaggina)では、野鳥やイノシシなど野禽の料理がそろいます。さらに、「秋の味覚ウイーク」(Week-end dei sapori d’Autunno)では、市内のレストランで秋の味覚を用いた料理が提供されます。
その他、ガイドが付き添ってのハイキングの実施、バル・ベルヴィーソVal Belviso ,ヴァル・カロネッラVal Caronellaへのトレッキングや、避難小屋への宿泊なども定期的に行われています。
さらに、テーリオ市内のベスタ宮Palazzo Bestaでクラシック・コンサートや自然派の写真展など、文化的催しも随時開催されます。
JITRA: 日本の方々へのメッセージをお願いします。
日本の方々へ、「是非是非、この地にいらしてください」と申し上げたいと思います。イタリアにいらっしゃる理由は沢山あると思いますが、テーリオにいらっしゃる理由も同じようにあります。日本の皆様とテーリオの間には、「お蕎麦」という共通の食べ物があります。イタリアのお蕎麦を味わいに、是非、テーリオにおいでください。心から皆さまのいらっしゃるのをお待ちしております。
これまでにも、イタリアの蕎麦パスタ発祥の地として、日本から視察団の方に訪問していただき、「蕎麦」交流の機会を持ちました。今後も、様々な分野で、日本の方々と文化交流の輪を広げてゆきたいと思っております。
■お知らせ■
本インタビューへの回答は2003年5月1日時点のものです。
テーリオ市長のサンドロ・フェイ氏からは、「市長任期がまもなく終了し、この5月25日、26日の市長選に再出馬しないので、顔写真などの掲載は辞退させていただきたいという」申し出をいただきましたので、市長写真は今回、掲載を見送りました。
