JAPANITALY Travel On-line

『ローマのスケッチ散歩』 - 鈴木奈月の絵画紀行
 

  15 Novembre  2014

第4回 真実の口
絵と文  鈴木奈月



ローマのいわゆる観光地の中で好きな場所を一カ所挙げて下さい、といわれたら、私の場合、ミーハーといわれようと何といわれようとやっぱりこれ、『真実の口』!ということで、今回はローマの名所をご案内。

『真実の口』といえば、いわずもがな、オードリー・ヘップバーンとグレゴリー・ペッグの『ローマの休日』に影響されているわけですが、お互いに偽っている者同士が、恐る恐る真実の口に手を入れるシーンはなかなか印象的で、見終わった後には、素直にローマに行ってみたいなあと思ったもの。

なので、始めてローマを訪れたとき、真っ先に来たかったのがここ。でも連れに「さあ、ここだよ」といわれて車から折り、教会を目前に見たときには、え?あんなに有名なわりには、ずいぶん質素なところにあるのねえ、とちょっとがっかり。

実際、『真実の口』があるサンタ・マリア・イン・コスメディン教会は、いわゆるローマの壮麗な教会群とは異なって、ロマネスク様式の鐘楼をもった、トスカーナの田舎あたりにありそうな、レンガ造りの素朴な教会。
でもまあやっぱりちゃんと観光客が並んでいて、皆片手を口に突っ込んではポーズを作って記念撮影。順番が近づいてきたときには、私もちゃんとドキドキしたものでした。

この石の円盤は、もともとは古代ローマ時代の下水道の蓋、つまりはマンホールの蓋だったということですが、これを彫った人は、まさか先々こんなに有名になるとは思ってもいなかったでしょうねえ。彫った人の末裔が今もちゃんと残っていたら、特許を取って、今頃は大金持ち、なんて。
その昔には、ちゃんと嘘発見機として、実際裁判に使われていたというエピソードもあるのがおもしろい。

さて、真実の口に手を入れたあとは、是非噴水の反対側にも足を運んでみて下さい。
円柱に囲まれた丸い建築物、これは紀元前2世紀の末に作られた古代ローマのヘラクレス神殿。丸くて小さくて、手のひらサイズの神殿って感じで私は好きです。その奥にももうひとつ。こちらは四角いポルトゥヌス神殿。紀元前1世紀のもの。

ひさしぶりに『ローマの休日』なんぞを思い出して懐かしくなったので、今夜はワイン片手に映画鑑賞でもします!



著者プロフィール
鈴木奈月 (Suzuki Natsuki) イラストレーター、エッセイスト
89年渡伊。フィレンツェ、ミラノ、カタンザーロに暮らし、現在はローマ郊外オスティア在住。イラスト&暮らしのエッセーを、本やウエブサイトに掲載する。昨年からは、ナイーヴ系イラストレーションをローマ市内のギャラリーなどで発表し、活動の場を広げている。
Natsuki Suzuki web site: www.natsuki.deseptis.com
blog: http://peperoni.exblog.jp

主な書籍
「南イタリアお料理歳時記 マンマの味12か月」(NHK出版)
「イタリア・小さな街物語」(JTB出版)
「イタリア・パスタおいしい物語」(東京書籍)他多数

近年の主な活動
2011年4月 日本橋三越イタリアフェアー 出展
2011年4月 日伊文化交流サロン「アッティコ」パスクワのお料理教室
2011年8月 『PREMIO MASSIMO DI SOMMA』マッシモ ディ ソンマ賞 入選
2011年9月 GALLERIA DEGAS mostra collettiva
2011年10月 GALLERIA SAMAN mostra collettiva 『 IL COLORE DELL’ACQUA』


『ローマのスケッチ散歩』 - 鈴木奈月の絵画紀行
小都市を訪ねる旅 アルキーヴィオへ このページのTOPへ HOME PAGEへ

http://www.japanitalytravel.com
©  JAPAN PLUS ITALY - MILANO 2013 All rights reserved.