クロチェッタ館の2階の第9室と第10室には、メディチ家とトスカーナ大公家のコレクションに由来するエトルリアの石彫が展示されている。ヴォルテッラVolterraやキウージChiusiで製作されたアラバスターや石灰華でできたヘレニズム時代の骨壷が多数ある。
近年修復された第10室には墓碑や丸彫りの彫刻もあり、紀元前6世紀の半ば前に年代づけられる2体のクソアノン―楕円のブロックからなる小柱の上に置かれた女性の胸像で、哀悼の意を表して両手を胸の上で組むか、長い三つ編みを持ち上げている―が含まれる。
階段に続く長い廊下には、イタリアで最も重要なエトルリアの青銅彫刻コレクションがある。メディチ家コレクションの大ブロンズ像(「キマイラ」、「演説者」、最後の「ミネルヴァ像」は現在修復中)と、メディチ=大公コレクションの小ブロンズ彫刻である。
宝石彫刻コレクション
カメオの豪華なコレクションは、クロチェッタ館とサンティッシマ・アヌンツィアータ聖堂を結ぶ長いメディチ家回廊に沿って展示されている。コレクションの起源はきわめて古く、最初のものはコジモ・イル・ヴェッキオCosimo il Vecchioとロレンツォ・デ・メディチが所有し、ギベルティGhibertiとドナテッロDonatelloにそれらの修理・組み立て・複製作りを任せた。こうした伝統はその後も続き、一説によれば最初のケースに陳列されている少なくとも2点の作品はベンヴェヌート・チェッリーニBenvenuto Celliniが修復したという。
ギリシア=ローマ美術コレクション
クロチェッタ館の3階には大理石やブロンズの彫刻と陶器のコレクションが展示されている。ギリシアやローマの大小のブロンズ像の大半もメディチ=大公コレクションに由来する。
特に注目に値するのは、ロレンツォ・イル・マニフィコが所有していた大きな馬の頭部―おそらく等身大の騎馬像の一部だったのだろう―、コジモ1世Cosimo Iのコレクションに属していたリヴォルノのトルソTorso di LivornoとアンティノウスAntinooの肖像、1630年に大公フェルディナンド2世Ferdinando IIへの婚礼の贈り物としてフィレンツェにもたらされた通称「ペーザロの小神像Idolino di Pesaro」である。一群の大理石彫刻の中には、ミラーニMilaniが購入した紀元前530年頃のアルカイック期の2体のクーロス像およびイオニア様式の女性頭部(紀元前575−525年頃)、紀元前4世紀の墓碑の断片といった、アッティカ、ボイオティアおよび東ギリシアのオリジナル作品が含まれている。
陶器のコレクションも特筆に価するもので、とりわけアッティカの壷のコレクションは必見である。なかでも、「フランソワの壷(クラテル)cratere Francois」と呼ばれる、紀元前570年頃にアテネで製作され、1845年にキウージにある墓から出土した画家クレイティアスKleitiasと壷職人エルゴティモスErgotimosの作品はその美しさと重要さで群を抜いている。