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5 Marzo 2002


第13回
パラッツォ・マンシ国立美術館

(トスカーナ州 − ルッカ)

Museo Nazionale di Palazzo Mansi
(Toscana - Lucca)




壮大な続き部屋の奥にあるアルコーヴ(寝室)


イタリア文化財省 編集協力記事
Con la collaborazione del Ministero per i Beni Culturali e le Attività Culturali


1961年に、国はルッカ市に1924年に開館したヴィッラ・グイニージVilla Guinigi美術館を補完する第二の国立美術館にする計画で、マンシMansi家の豪奢な館を購入した。前者は、地元の画家あるいはルッカのために制作を請け負った外国の美術家による、聖俗の公の注文に基づく美術作品の最大のコレクションを収蔵する美術館である。一方、パラッツォ・マンシPalazzo Mansiはその貴族の館という特徴を生かして、17〜18世紀のルッカの洗練された住居の美術館となる予定であった。ルッカの2つの国立美術館 ―ヴィッラ・グイニージとパラッツォ・マンシ― は、それぞれの特徴と相違を保ちつつ、相互に補完し合うことで、同都市の美術文化の広く明確な全体像を提供することができると思われた。個人の館であった建物に手を加えて美術館としての設備を整えた後、1977年にパラッツォ・マンシは一般公開された。

●建物
パラッツォの中心部分は以前からそこにあった建物を統合・拡張しながら1687年から1691年にかけて建設されたが、内装 ―天井や壁の装飾を含む― は、17世紀後半から18世紀に入ってなお続けられた一連の長期工事を経て、完成までにかなりの時間を要した。建物のファサードはあまり飾り気がなく、主な特徴といえるものは玄関口と規則的な窓の列 ―地階と2階では16世紀の様式を示しているが、3階の窓はより簡素で幅も狭い― だけである。各階をそれぞれの重要度に従って区切っているだけに見える外観の画一的な単調さの裏に、実は正面の各階の境界線にも窓にも従っていない、はるかに複雑に入り組んだ内部空間が隠されている。静的でおとなしいファサードに対して、広さも大きさも使用目的もまちまちの、多様な部屋がダイナミックに展開される。館の内装計画を担当したのはラファエッロ・マッツァンティRaffaello Mazzantiであった。彼はフィレンツェにおける大公の宮廷周辺の美術的環境で修業したルッカの建築家、画家、装飾家であり、マンシ家のために典型的なバロック的室内空間を実現した。こうして彼が達成したのは、ルッカでは異例ながら、同時代のフィレンツェで見られたのと同様の文化的活動であった。

●壮大な広間
地階には3部屋からなる、いわゆる「夏の居室」が用意されており、フレスコ画(「時が覆いを取る真理La verità svelata dal tempo」「ミューズたちを守るミネルヴァMinerva che difende le Muse」「真理の寓意Allegoria della Verità」)―1691年頃にフィレンツェ人ピエル・ダンディーニPier Dandiniの弟子ジョヴァンニ・マリア・チョッキGiovanni Maria Ciocchiによって描かれた― で装飾された天井は、これらの部屋に軽快で明るいイメージと、いかにもバロック風の色彩的な陽気さを与えている。 この階と、名高い続きの間のある2階との連絡は、大規模で舞台装飾的な雰囲気にあふれた大階段によってなされている。これは内部の正面に寄せて作られた一棟にあり、2階に上がると柱廊が開け、そのまま直接迎賓の間に入っていけるようになっている。この大広間は、一族の称揚に充てられた場所であり、壮大な続き部屋への豪奢な入口の役目も果たしている。部屋全体が、ルッカのマルコ・アントニオ・キアリーニMarco Antonio Chiariniによる建築背景画の中にはめ込まれたボローニャ人のジョヴァン・ジョゼッフォ・デル・ソーレGiovan Gioseffo Del Soleによる神話場面の描かれたフレスコ画 ―1687〜1688年の2年間に制作された― で装飾されている。奥の壁にはマンシ家の大きな紋章が目を引く。 この大広間より、皇帝アウレリアヌスと女王ゼノビアの物語を表したフランドルのタペストリーで覆われた3つの客間に入ることができる。これらは、1665年にルーベンスRubensの弟子ジュスト・デグモンJusste d'Egmontの下絵により、ヘラルト・プーマンスGerard Poemansのタペストリー工場で作られたものである。3つ目の客間から、花鳥模様が刺繍された繻子の布で17〜18世紀に装飾された有名な「アルコーヴの部屋Sala dell'Alcova」に威風堂々と足を踏み入れることになる。やはり刺繍入り繻子とビロードで飾られた天蓋つき寝台は、カリアティードに支えられた、浮き彫りを施した鍍金木製の間仕切りで部屋の残りの部分から隔てられている。迎賓の間の締めくくりとして配されたこの最後の部屋の手の込んだ装飾は、ルッカでも大いに称賛の的となったにちがいなく、その豪華さはいくつかの王の寝室(アルコーヴ)にも匹敵し、あるいはそれ以上のものだったかもしれない。というのも、共和国の評議会に提出するためにまとめられたある報告によると、1692年に当の館に招かれたデンマークのフレデリック4世は、「宴が終わろうとするとき、今通ってきた諸室に再び戻り、寝室でしばらく立ち止まって部屋をじっと眺めていた」ということだからである。

●絵画館
マンシ家は一連の貴重なフランドルの作品を特徴とする絵画の豊富なコレクションを所蔵していた。それらの作品は、他の商人の一族と同様、フランドルとの交易を通じて入手されたものであった。しかし、この館が国の手に渡ったときには、その絵画コレクションは売買や遺産分割などによって分散してしまったあとだった。それらが飾られていた2階の諸室は、ルッカ国立絵画館蔵の83点の絵画の陳列場所としていかにもふさわしいものと思われた。16世紀初めから18世紀前半までのそれらの絵画は、19世紀半ばに同都市が最終的に自治権を失ってトスカーナ公国に組み入れられた際、フィレンツェからルッカにもたらされたものである ―レオポルド2世はこうして新しい臣下の機嫌を取ろうとし、同時に何年か前にカルロ・ルドヴィーコ・ディ・ボルボーネ(ド・ブルボン)Carlo Ludovico di Borbone公がイギリス市場で売却した同パラッツォの絵画コレクションの損失を埋め合わせようとしたのだろう。
作品群は広い範囲で多数の画派にわたってはいるものの、一貫しておりまとまりがある。それは、ヴェネツィア派(ティントレットTintoretto、ヴェロネーゼVeronese、ティツィアーノTiziano)からロンバルディア派、ローマや南部の画派から一連のフランドルの風俗画までを包括している。しかし、最も重要なのはトスカーナの画家たちによる一群の作品であろう(ベッカフーミBeccafumiの「スキピオの自制Continenza di Scipione」、ポントルモPontormoの有名な「若者の肖像Ritratto di giovanotto」をはじめ、ブロンズィーノBronzinoやアンドレア・デル・サルトAndrea del Sarto、サリンベーニSalimbeni、リゴッツィLigozzi、ヴィニャーリVignaliらの作品が挙げられる)。いわゆる「宮殿ギャラリー」風の展示は、この豪華な居室と絵画のコレクションを見事に溶け込ませ、ルッカの貴族邸宅の「完全な」見本を形作っている。

●「私的」居室
壮大な居室群と絵画館が当美術館の中心をなすとはいえ、この他にもいくつかの展示室が用意されている。同じ2階にある、長い間一家が私室として使用してきたものの、その後すっかり貧相な様相を呈していた裏側の部屋と19世紀の一翼の諸室は、この美術館が地元の貴族の趣味を理解するうえでいっそうの内容の充実をはかるという意図の下に、ルッカの調度品を購入する運動がなされたおかげで、再び家具調度を備えるようになった。家具の中には、絵画館の最初の広間に置かれたダマスク織の布を張った18世紀の2つの長椅子や刺繍の入った絹張りの椅子、あるいはトファネッリTofanelliによってセグロミーニョSegromignoのマンシ家別荘のためにデザインされた長椅子と2脚の肘掛け椅子のセット ―現在は19世紀の翼の新しい寝室に置かれている― などのように、マンシ家に由来するものもある。さらに模範的な例として、パラッツォ・グイニージ・マグリーニPalazzo Guinigi Magriniに由来する応接間の家具調度 ―長椅子、椅子、肘掛け椅子、コンソル型テーブル、ドア掛け― がまるごと購入された。これらの展示には、やはり19世紀の翼に設けられた美術館の新しい順路に沿った一室全部が充てられている。そのほか、寝台やコンソル型テーブル(ファティネッリFatinelli家に由来するかなり珍しいものが2点)や貴重な家具調度品が、それらの古い家具にふさわしい壁紙やカーテンで飾られた5つの部屋に配されている。
壁には、ルッカの美術館所蔵の絵画から慎重に選ばれた作品が飾られている。特に、フランチェスキーニFranceschini家に由来するカルヴェールトCalvaertの「ダナエDanae」や、ジュゼッペ・アントニオ・ルーキGiuseppe Antonio Luchi作の2点の神話画、ピエトロ・ノッキPietro Nocchi作「マッソーニ家の女児の肖像Ritratto di una bimba Massoni」、もとマッソーニ・コレクションにあったルカ・カルレヴァーリスLuca Carlevarisの見事な「ヴェネツィアの景観Veduta di Venezia」のように、世俗の個人蔵であったことが知れる作品が選ばれている。一方、かつてブオンヴィージBuonvisi・コレクションにあったピエトロ・パオリーニPietro Paoliniの「牧笛を吹く人Suonatore di Zufolo」やシモーネ・デル・ティントーレSimone del Tintoreの2点の静物画の大作は市場で購入された作品である。またこれらの部屋には、昔からこの館にあって散逸を免れた絵画も展示されている ―ボルBolの「イサクの犠牲Sacrificio di Isacco」、ヴァン・ダイクVan Dyck作とされる「聖家族Sacra Famiglia」、チーゴリCigoliの「聖フランチェスコSan Francesco」といった作品である。

●19世紀の絵画
近年、当館の3階には19世紀のルッカ市における文化を背景とする絵画作品がさまざまな部門に分けて展示されるようになった。特殊なテーマ ―「宮廷の肖像画」(マリア・ブノワMaria Benoist作「エリーザ・バチョッキの肖像Ritratto di Elisa Baciocchi」、ミケーレ・リドルフィMichele Ridolfi作「カルロ・ルドヴィーコ・ディ・ボルボーネの肖像Carlo Ludovico di Borbone」)や「ルッカの著名人」(ジェッリGelli作「プッチーニの肖像Ritratto di Puccini」)」)― をもつ作品もあるが、多くは年代順に並んでおり、ポンペオ・バトーニPompeo Batoniが先触れし、ベルナルディーノBernardinoおよびピエトロ・ノッキPietro Nocchiが確立した新古典主義的傾向など、地元の美術の隆盛期を示している。

●古い布のコレクション
別館には、古い布の展示が準備中である。中世以来、貴重な織物の生産で重要な位置を占めていたにもかかわらず、現在のルッカにはイタリアはじめ諸外国の他の美術館に見られるような、そうした古い製品の証拠が残っていない。本コレクションは16世紀末から19世紀にいたる作例からなっている。その大半は、前世紀に廃止された教会からもたらされた典礼用の品と、聖ルカ病院より美術館に寄贈された多数の聖具類からなっている。これらのものと並んで、地元で生産された織物の種類を示すために1909年に購入された約80の断片からなる布見本が展示される予定である。さらに、購入あるいは寄贈によって美術館に入った世俗の衣類もあり、特に18世紀末の男性の服を集めたガルツォーニGarzoni氏寄贈コレクションは注目される。

●ニーマック工房と見学者のための施設
地階の、かつて台所があった場所に、珍しい貴重な遺品が残っている。マリア・ニーマックMaria Niemackの織物工房である。彼女は1940年代にルッカの手織工業の伝統を再興しようとした人であった。この工房は今なお活動中で、美術館の教育活動の中心にもなっている。地階には、そのほか講演会や特別展のためのホール ―美術館の新収蔵品はまずここで展示されてから常設の陳列に加えられる― と、各種の教室や見学者用の施設、ブックショップなどがある。



MUSEO NAZIONALE DI PALAZZO MANSI (パラッツォ・マンシ国立美術館)

住所:Via Galli Tassi, 43 - 55100, Lucca
電話番号:(国番号39)0583-55570 Fax: 0583-312221
開館時間:平日9:00〜19:00、日曜祝日9:00〜14:00
休館日:月曜、1月1日、5月1日、12月25日
入館料:4.13ユーロ(8000リラ)、共通入館券6.20ユーロ(12,000 リラ)(3日間有効)


 翻訳:小林 もり子
 東京都出身。東京芸術大学大学院修士課程修了(イタリア・ルネサンス美術史)。
 1992年よりイタリア在住。 共訳書:「ボッティチェッリ」(西村書店)


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