22 March 2001
第2回 若い楽器博物館の厖大なコレクション (ローマ市内)
Museo degli strumenti musicali e la sua immensa collezione
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クリストーフォリ製作のピアノ
イタリア文化財省 編集協力記事
Con la collaborazione del Ministero per i Beni Culturali e le Attivita' Culturali
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楽器博物館
1974年3月に開館したこの博物館は1903年建設の「ピンデモンテ公Principe di Pindemonte」旧兵舎内に置かれ、隣接する庭よりサンタ・クローチェ・イン・ジェルザレンメ聖堂Basilica di S.Croce in Gerusalemmeに左側から入ることができる。玄関ホールに向かうアーケードは考古学的に極めて興味深い一画「セッソリウムSessorium」──発掘中のカストレンセ円形劇場anfiteatro Castrenseとヴァリアーノの円形劇場Circo Varianoを含む──に面している。
博物館の大部分の展示品は、1949年に国が買い上げたテノール歌手のエヴァン・ゴルガEvan Gorga所有のコレクションをもとにしているが、その後、これに加えて非常に価値のある「作品」を含む重要な品々が購入された──ベネデット・マルチェッロBenedetto Marcelloの所有した一群の楽器(なかでもバルトロメオ・クリストーフォリBartolomeo Cristoforiのピアノ)、バルベリーニBarberini家のハープ、ヴァイエルWeierのコルナムーティcornamuti、「クラヴィシテーリウムclaviciterio」(垂直型チェンバロ)等である。
博物館散策
楽器の展示室は建物の2階にあり、全部で18室ある。展示方法は2通りあり、年代順の場合もあれば、部門・種類別の場合もある。
第T・U室:ギリシャ・ローマなど古代の楽器──“アルオイaluoi”のような管楽器やシストラム、クロタロ、鐘などの打楽器。浅浮彫りや小彫像、ランプなどの貴重な図像資料が豊富に展示されている。
第V室:ヨーロッパ以外の地域──アフリカ、東アジア諸国、オセアニア、アメリカ──の楽器。
第W室:イタリアとヨーロッパの民族楽器。
第X室:当の楽器の発明者でもあるバルトロメオ・クリストーフォリが1722年に製作したピアノ。これは大変貴重なもので、その周囲にはヨーロッパで作られた他のピアノや17世紀末のクラヴィチェンバロが展示されている。
第Y室:行列用の小オルガン、旅行用クラヴィチェンバロといった携帯用の楽器やセレナーデを奏でるための楽器、その他辻音楽師がよく用いる楽器──砂利の中に突き立てられるように作られたハープや杖代わりになるヴァイオリンなど。
第Z・[・\室:軍隊で用いる打楽器や管楽器、公私の宗教儀式で用いられる楽器。
第]室:準備中
第]T−]X室:1461年製のトランペットと1537年にハンス・ミュラーHans Mullerがライプツィヒで製作したチェンバロを始め、17・18世紀のクラヴィチェンバロ、ハープ、オルガン、フルートなどの楽器が年代順に並べられている。
第]Y−][室:木製あるいは金属製の管のある大きなローラー式楽器からペンダント状のごく小さなオルゴールまで、実にさまざまなサイズの機械仕掛けの楽器。
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楽器博物館(MUSEO DEGLI STRUMENTI MUSICALI )
住所:Piazza Santa Croce in Gerusalemme 9A, 00185 Roma
電話:(国番号 39)06-7014796
休館日:月曜、1月1日、5月1日、12月25日
入館料:4,000リラ
開館時間:平日 9〜14時 / 日・祝日 1日2回定時の見学のみ(9:15−11:15時) 館長:アントニオ・ラタンツァAntonio LATANZA博士
交通手段:市内バス(ATAC)−9番と3番。地下鉄A線、サンジョバンニ(S.Giovanni)駅下車。
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翻訳:小林 もり子 東京都出身。東京芸術大学大学院修士課程修了(イタリア・ルネサンス美術史)。 1992年よりイタリア在住。 共訳書:「ボッティチェッリ」(西村書店) |
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