その日はやってきました。昼食後、マックス&モニカ、彼らの娘のカミッラ、そして大親友のジャンフランコも加わり総勢5人で出発。全く文句のつけようが無い晴天に恵まれ車内も陽気な会話が繰り広げられています。“照子、大丈夫だって。初心者向けの岩場に行くからさ”ここでもまた、私の“後悔”を“不安”と勘違いした彼らが私に声をかけてくるのです。いつもだったら車から眺めるその大自然の光景にうっとりしている私。でも、今日は周囲を取り囲む壮大な光景を楽しむ余裕もなく到着したその場所は、“Plestre di arrampicata di Arnad”という岩場。
(※アオスタ市の下部に位置する谷間。国道からミラノ方面に車で30分程度。アオスタ州はLardo(ラード)が特産品の一つですが、ここの地区で産出されるラード“Lardo di Arnad”は特に有名です。)
確かこの実現の原因ともなったあのテレビで放送されていた場所。到着するとすぐにマックスはスルスルっといとも簡単に岩の中盤まで登り、そこにはめ込まれている金具の輪にロープを連結して戻ってきました。“さすがプロ!なんとも鮮やかな身のこなし。岩を登るその姿はまさに蜘蛛男(スパイダーマン)!”なんて冗談を言える余裕が出てきた私に一言。“じゃぁ、照子やってみようか。”
私は越しまわりに装備を付け、そこに今マックスが中盤の岩場に連結してきたロープの片端を結び付けてもらい、もう片端は下で指導するマックスが握る。早速、目の前にそびえたつ傾斜まるで90度(そのくらいに感じてしまった初心者心。)の岩に手をかけ、まずは始めの第一歩。足をかける極わずかに広がるスペースと岩面と岩面の重なり合う隙間など、それら全てが私の体と岩を結びつける唯一のもの。下からは容赦なくマックスの声が・・・“照子、よく周りを見てごらん。適切なPoggia(ロック・クライミングで足をかける隙間)やAppiglio(手をかける隙間)があるのに気づくから。” “大切なのは足の動き。つま先をかけ、その力で身体を押し上げる。ロープは触ってはだめだ!” もちろん最初から蜘蛛女になれるわけがない。調子よく登っては行き詰まり、立ち止まる。マックスの声を聞きながらそれを独り言として繰り返し、なんとか目的の場所まで登りあげたときは最高に気持ちがよかったぁ。周囲の光景をじっくり眺め、深呼吸をしてから、第二の関門のくだりに挑戦。これはロープと下で支えるマックス、そして自分自身への信頼をもたないととても怖くて降りれない。身体をロープに預け、足を開脚しながらバランスを保ち降りていく。本当、他人の姿を見てる限りでは簡単に見えるのに、どうして自分でやるとうまくいかないんだろう?!登りより降りに時間をかけながらどうにか私の足が地についたとき、彼らから拍手が!!!“いやぁ、初心者にしては大したもんだよ。まったく怖がらないからね。じゃぁ、試しが終わったところで本番いってみるか”・・・・・・えっ、これってProva“試し”だったの?????
写真説明
上:9月最後にシャモニーへMt.Bianco越えロープウェーに乗ったとき。この雄大な姿を見てください。
左下:ヨーロッパ最高峰!夏でもこれだけの残雪とクレパスをみせつけてくれます。
右下:これが横断ロープウェー。壮大な自然の姿を垣間見ることができます。
ここまで誉められたら私だって意地がある。しかも、以外に楽しかったのは確かです。あの日私を導いた“勘違い”は勘違いではなかったかも。私には素質があるのかしら??なんて考えをめぐらせながら当然挑戦しました。今度は3人で地上100M以上のこの岩場の上まで登ります。ジャンフランコと私のロープを持ってまずマックスが登り、そこで私たちを待つ。頂上まで3分割しながらのぼる途中、一度どうしても手足をかえる隙間を見つけられず立ち往生してしまったのです。しかも岩場はすべすべ。上ではマックスが、そして私の下にはジャンフランコが見守り、声をかけてくれるけれどもあくまでも登るのは自分。しかも既に半分以上登ってきてしまっているので降りるわけにもいかない。“あぁ、手も足もしびれてきたよ。きっとこのまま蜘蛛女の格好のまま落ちていくのね。なんて格好悪い死に方”・・・なんて弱気になりながらも、最後の気力をふりしぼってじっくり周りを見渡してみた。そのちょっと上には岩が突き出たポイントがあり、ここに手をかければ十分上体を支えられるはず。あっ、きっとこの小さな隙間ならつま先をかけることができるかも。思い切って全身を持ち上げると同時に私の身体に連結しているロープを引き上げてくれるマックスの助けも加わり、岩を引きずられるように数センチのぼることができたのです。
何とか緊急事態も乗り切り、三人そろって頂上へ。本当楽しい!!スリルはあるけどその快感がなんとも言えない。あぁ、きてよかったぁ。本当ありがとう。。。って言いながら私は岩場の両脇にある梯子に向かって歩き出した。“(二人)照子、何処行くの??今登ってきたこの岩場を降りるんだよ” “・・・あぁ、やっぱりね。”
とにかく私はロック・クライミングが大いに気に入りました。彼らのこの言葉を耳にするまでは・・・“次は冬に来よう!氷壁に挑戦だね”
写真説明
左下:これが初挑戦した岩場!岩面が非常にすべすべしてるのです。
右下:まだ余裕の笑顔。。。。でも引きつってる!
〜Mt.Bianco(モンテビアンコ)最新情報〜
9月末にてイタリア側⇒フランス側へ横断するロープウェーの運行が終了しました。次は来年の6月からです。
☆耳より情報☆
イタリア側の頂上Punta HelbronnerにあるBar(バール)にこのたび日本語のメニューを設置しました。
モンテ・ビアンコを眺めながらのバールでのひと時がより充実しますね。
☆Mt.Bianco(モンテ・ビアンコ)〜オフシーズン〜☆
08Sep’03〜02Nov'03
*ロープウェー運行時間:08:20〜16:40(但し13:00〜14:00除く)
*往復料金 La Palud - Punta Helbronner Euro 30,50pp
5歳〜11歳 50%割引 / 12歳から15歳 25%割引 / 60歳以上 10%割引
☆お勧めレストラン☆
Ristrante 'Brasserie d'Entreves'
Entreves.Courmayeur Aosta / Tel.0165.869718 Fax.0165.89577
ロープウェー乗り場のあるLa Paludのすぐ近くにあるこのレストランは伝統的なアオスタ料理を提供してくれます。
特にお勧めなのはLa raclette, La fonduta などのアオスタ名物Fontina(フォンティーナチーズ)を使った料理やLardo(ラード:これは絶品。全くしつこくなく上品な味です)や生ハムなどの盛り合わせなど。もちろんワインも各種揃っています。この地域は白ワインが有名。是非ごお試しください。
**個人で旅行される皆様へ
現地ガイド協会及び、ツーリストインフォメーションにおいては英語かイタリア語が必要とされます。そのため、夏・冬のアクティビティに関して、または目的別レジャー(スキー&スノボー、ロック・クライミングなど)に関してプロのガイド必要とされる場合は、日本語にてガイドの依頼から紹介までお手伝いを致します。また、この地域を訪問するにあたってのご質問に対しても、できる限りご協力させていただきます。何なりとご連絡ください。(下記参照)
連絡先:市川 照子(イチカワ テルコ) mail:terurinteruteru@hotmail.com
〜これからの季節、特に下記の要望にお答えします〜
*モンブラン観光・・・お任せください!!現地Funivie Monte Bianco(ロープウェー)と唯一且つ直接的なパイプがあります。山の天気は変わりやすいとはいいますが、まさにその通り。山頂の天候など観光に必要な事前情報をお伝えできます。
*Valle Blanche (Mt.Bianco越えスキー;ガイド手配)・・・トップシーズンが始まります。ヨーロッパ最高峰Mt.Biancoをイタリア側頂上からフランス側シャモニーまで滑り降りるダイナミックなFuori Pista!スキー&酢のボー大好きな方。お問い合わせください。
【川 照子(イチカワ テルコ)日本では7年間旅行会社に勤務。主に海外(特にヨーロッパ方面)を担当。退職後、単身イタリアへ渡り、ミラノにて旅行業ランドオペレータとして勤務。現在、自身が魅せられたこの地域へ移り住み、ここの魅力を日本人観光客へ紹介するために活動中。アオスタ州La Salle在住住】
私の自然紀行 紹介データ
■クールマユールまでのアクセス
ミラノ及びトリノからアオスタ経由クールマユールまで高速バスが運行。
電車の場合。Chivasso(キバッソ)乗換えにてアオスタへ。アオスタ→クールマユール間はバスが運行。(1時間に1本程度)このバスの所要約1時間ですが、前回の記事でも書いたように途中の村中をゆっくりと巡回していきます。車で国道を通ると30分程度の距離です。
Savda (Pullman) P.le Monte Bianco 3 Tel:0165-842031 Fax:0165-841237
*ツーリストインフォメーション(Aosta)
Piazza Chanoux, 8 Tel:0165-236627 Fax:0165-34657
*ツーリストインフォメーション(Courmayeur)
Azienda di Informazione Turistica
Piazzale Monte Bianco 13 Tel:0165-842060 Fax:0165-842072
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