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私の自然紀行 − 読者からの投稿記事 バックナンバー |
5 Settembre 2002 「ハウスボートでラクラク運河巡り!」 ヴェネト州 - ポー川デルタ地帯(ロヴィーゴ) Veneto - Delta del Po (Rovigo) 編集室 聴涛 洋子 ※写真提供 C.A.R.D.del Po (ポー川デルタ地帯ホテル・レストラン組合) |
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| 北イタリアを横断するポー川 il Po。全長650km。大学時代に住んだトリノから見えるモンヴィーゾ山 Monviso に始まり、パダーナ平原 Pianura Padana 一帯の土地を潤し、アドリア海 Adriatico へ流れ出す。ポーは数々の小説や映画の舞台になっているイタリアを代表する川だが、そのデルタ地帯の魅力については、これまでイタリア国内でもあまり注目されて来なかった。実は、素晴らしい自然に恵まれた地帯であり、今後観光面での期待度「大」の地域なのだ。今回、幸運にもロヴィーゴ県 Provincia di Rovigo のお誘いを受け、この辺りの取材に出かけることが出来た。自然あり、歴史あり、学習あり、食あり・・・満足の2日間とおすすめコースを読者の皆様に紹介します。 ポー川デルタは、エミリア・ロマーニャ州フェッラーラ Ferrara 北からヴェネト州南部に南北80kmにも広がり、無数の支流や運河を合わせた水路の総延長は計り知れない。川の周りには独特の緑が育ち、珍しい生物の宝庫だ。湿地帯 = バードウオッチング = マニアック・・・という、なんとなく暗い(?)イメージをお持ちの方がいたら大間違い!有名な南仏のカマーグをはじめ、ヨーロッパでは湿地帯や運河網は大事な観光スポットであり、家族でハウスボートを借りて周遊したり、辺り一帯をサイクリングしたり、珍しい鳥などを子供達と観察したり、健康的で学習的なヴァカンスとして受け入れられている。事実、ポー川デルタへ来る観光客の多くがフランス人やドイツ人。日本人にはまだまだ馴染みの薄い観光プランではあるが、今年の春に日本の調査団がここを訪れ、干潟や海岸線の自然についての研究・視察をされたそうだ。視察旅行後、沖縄県中城(なかぐすく)の海岸開発計画を取りやめ、国の自然保護区域としてその地帯を保護するということが決められたらしいから、これは素晴らしいことだと思う。
●到着
●運河巡り まず最初は陸から水路を追う。それも馬車に乗って。馬のペースでのろのろ揺られながら運河沿いを散策すること30分。時よりそよぐ風が気持ちい〜い、のは確かだが、ここで大きな問題が・・・。容易に想像できることだが、湿地帯には蚊が多い。馬車に乗り合わせたメンバーの中で“無傷”で出られたのは、予めスプレーをかけてきた私だけ。あとは皆、真っ赤!にやられてしまった。特に馬が蚊を寄せ付けていたようで、馬車を降りてハウスボートに乗り込んでからは、それほど悩まされることはなかった。 ハウスボートといってもピンと来ない方は多いでしょう。私も初体験で驚いたのだが、ヨットのように下にキッチン、居間、寝室、シャワー付バスがあり、屋上(と言うか船上)はテラスのようになっていて、操縦する人を囲んで談話を楽しみながら風景を眺めることが出来る。時間の関係で、我々はポー・ディ・マイストラ Po di Maistra と言う、かつてポー川の主流だったところだけを走行した。“かつて”というのは16世紀までのこと。当時、度々起こる洪水と、特に近くにあるアディジェ川との氾濫を恐れたヴェネツィア共和国が、ポー川の流れを変更することを決定。現在、その名の通りターリオ・ディ・ポ Taglio di Po (ポーの切断)という地名がついている所から、南へ流れを変更させたのだ。1559年に始められたポー川の大改革工事は1604年に終了。それがほぼ現在の流れになっている。おかげで、かつての主流ポー・ディ・マイストラは、今は緩やかな細い一支流となっている。時折、エンジンを止めて耳を澄ますと、あちこちで鳥の鳴き声がする。一緒に同行してくれた生物学者があれこれ説明してくれるのだが、"Airone"と言われてすぐに"サギ"とも思いつかない私が、何十もの鳥を判別できる訳はない。鳥のさえずりをBGMにいよいよ偉大なるポー川下流へ! さすがに河口は広い。まさに雄大な流れ、という感じだ。我々のツアーはここで終わってしまったが、これは新しい旅の提案の貴重なヒントとなった。
●ハウスボートでヴェネツィアへ 今回の経験で分かったのだが、ハウスボートはヨットのような「住居的」構造をもっていながら、ヨットとは違って無免許で運転できる。それは、まず川や運河は海とは異なり「波がなく、危険性がない」こと。ハウスボート自体「とてものろく、スピードが出ない」こと。実際、私も運転してみたが本当に簡単。ハウスボートのタイプは4人乗り(2寝室付)〜8人乗り(4寝室付)まで様々なので、数人のグループで数日間借りて辺り一帯を旅行するのはものすごく楽しいのではないだろうか?想像したらすぐに気持ちがワクワクしてきた。回るべき水路は無数にある。あちこちのんびり渡りつないで、なんと、水の都ヴェネツィアまで到達することだってできるのだ!自分のボートで海からヴェネツィア入りなんて・・・。それに、キッチンがついているとはいえ、必ずしも食料を持ち込んで自炊しなければならないのではない。好きな町で足を陸に下ろして、レストランに寄ったり、町の観光をしたり。ジョットの町、パドヴァ Padova にも運河伝いに行けるし、魚のフライで有名なキオッジャ Chioggia はすぐそこ。そうそう、この辺の名物には、前述のポレンタ以外にうなぎ Anguilla もあり、日本人にはうれしなつかしい味が楽しめるのだ。(すぐ食べ物の話に脱線。)朝起きて、キャビンの中でエスプレッソをいれて、テラスから川の流れと緑を眺める、なんていいなあ・・・。私もそれまで知らなかったが、この辺の見どころの一つにアルバレッラ島 Isola di Albarella がある。アドリア海に面してカラフルな可愛らしい家々が並ぶ小さな島で、海水浴施設も整っているし、ゴルフ場などもある。バードウォッチングに興味がない人でも、水路からのイタリア観光は魅力的ではなかろうか。新緑の美しい春や哀愁の霧の風景がいい秋がおすすめだ。
●ロヴィーゴの町
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