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私の自然紀行 − 読者からの投稿記事 バックナンバー |
22 Maggio 2002 噴火中のエトナ登山に挑戦 シチリア島‐エトナ山(カターニア) Sicilia - Monte Etna(Catania) ヒライ ユリ |
![]() エトナ山1900mの地点にて |
| 昨年7月、かねてから登りたかったエトナ山に行く機会がようやく到来。ところが突然、登山予定日直前に噴火が始まったのでした。(実際のところ、エトナは活発な活火山で、ちょくちょく噴火しています。)テレビのニュースでは、「ロープウエイの到着駅のある標高2600m地点までは登山可能」と言っていました。が、私たちが登った当日は、1600mの地点で車を止められ、エトナ登山の基点のひとつ、ニコロージ Nicolosi の町から、もうひとつの基点ザフェラーナ・エトネーア Zafferana Etnea の町に抜ける車だけが通行可能のようでした。(エトナ山へは2つの地点、南はニコロージ、北はザフェラーナ・エトネーアからの登山が可能です。) 山を登るにつれて、周りの大きな樹木の姿が消えていきます。また、展望の良い所からは、カターニアの町とイオニア海がとてもきれいに見えます。むせ返るような香りの強い黄色いginestra(エニシダ)の花で一杯の標高1600m地点から、ロープウエイ始発駅のあるサピエンザ Sapienza避難所まで坂道5kmを歩くことになりました。歩き始めると、噴火の煙が良く見え始め、特に、“パタパタ、ガタガタ”と工事現場のような音がよく聞こえ出しました。これが、噴火口の中の音でした。周りは昔の黒い溶岩だらけで、植物もなかなか育たないのでしょうが、全くエニシダは強いものと感心しながら、サピエンツア避難所1900mの地点までたどり着きました。(通常カターニアからここまでバスが出ています。)やはり、噴火口の音はだんだんひどくなっているようで、時々噴火口から上がる黒い煙も回数が増えているようでした。もちろん、ロープウエイ(サピエンツア避難所から2600mの地点まで行く)は運行中止。今回、噴火口は最初2箇所、頂上近くとサピエンツア避難所近くの2200m地点で、特に2200m地点の噴火口の活動が激しく、溶岩が流れ始めていました。私たちがサピエンツア避難所に到着してから、所用を済ませているうちに、流れ出ていた溶岩はどんどん下に降りていき、ついにニコロージからザフェラーナ・エトネーアに至る道路を飲み込んでしまったのでした。状況の悪化に、警察のブルーの車がスピーカーで観光客に直ちに降りるように指示し出していました。後からニュースで聞くところによると、この日噴火口近くで噴火を見ていた観光客のひとりで、石の破片が肋骨に入り、救急車で運ばれた人がいたようでした。(厳しいようですが、こちらでは『自分の行動は自分で責任を取る』という習慣があります。噴火口傍にいた人は危険を覚悟してそこにいたということになり、怪我をしたのも誰の責任でもなく自分の判断と行動によるものとなります。) な…。
エトナ山は世界の中でも最も活動の激しい火山のひとつで、始終煙が出ており、噴火の様子も度々テレビで放映されるので、今回も始めは『いつもの噴火』と皆思っていたに違いないのです。ところが、私たちの登山後、どんどん活動は盛んになり、最終的に噴火口は8箇所となり、溶岩がロープウエイの駅を飲み込んでしまい、ニコロージの町のすぐ近くまで降りたのでした。500年来の大噴火に、ニコロージの町の人たちは気が気でないらしく、毎日のように processione (祈りの行列)を行っていたようでした。後日、夜中にカターニアからパレルモへの高速道路を走った折、エトナの真っ赤な噴火と溶岩が、ニコロージの人々の不安をよそにとてもきれいでした。 現在、状況はかなり穏やかで、観光客は安心して登れるようです。ロープウエイがなくなったため(また再建しなくてはならないのです)、サピエンツア避難所から頂上手前までは小型バスで登れるようになっているようです。ちなみに、エトナ山は標高約3400mで、一年のうち6ヶ月は雪が降り、スキー客も多いようです。(今年スキーはザフェラーナ・エトネーア側からのみ。ニコロージ側は雪が解けてしまうとか。)そのうち是非、スキーにも出かけてみたいものです。 【寄稿:ヒライ ユリ 94年よりイタリア在住。現在、ラツィオ州の自然に囲まれた片田舎にて暮らす。最近は家庭菜園にもトライ】
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