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ヴェネツイアのブラーノ島だより  
15 Settembre 2015

第7回  アンディアーモ・アル・マーレ、海に行こう! 


 
写真・文 宮崎 亜矢子 



●ヴェネツイアは今夏、記録的な暑さに
今年の夏は暑かった。記録的に暑かった。16年イタリアに住んでいますが、道端の電光掲示板で「40度」を見たのは今年が初めて。しかーも、「ラグーナLAGUNA=ベネト潟」の上に住んでいる身には、そこに湿気と恐ろしい数の蚊が加わり、不快指数150%! 島民の日常生活に欠かせない足である通称「バテオBATEO」こと水上バスには、かぼそいうなり声をあげ、なまぬるい風を噴き出す古いエアコンがあるだけ(そうそう、たまに結露した水が滝のように降り注ぎますので、後部上方のどでかい四角い物体の下に座る際にはご用心!)。

緑のないベネツィアの、大理石の建物と石畳が、日中はお日様を照り返し、夕方からは吸収した熱気をもわもわと排出し、ハイシーズンを迎え世界中のツーリストたちがカッレCALLE=通りを埋め尽くし、その人いきれと喧騒と熱気と、もう何か何だかわからない状況から抜け出すのは、イタリア人の大好きな「スピアッジャSPIAGGIA」、そうビーチに限るのです。

トップ写真@ラグーナで漁師さんが網を干すのに使う杭にとまるユリカモメGABBIANO
写真下左A日本のビーチに比べて人が少ない!  写真下右B週中にはひとけの無い砂浜が延々と続きます。

●夏はやっぱり「スピアッジャ」で日焼け
観光地であるというのは別として、娯楽という娯楽があんまり存在しないイタリアでは(イタリア人の一番の娯楽はテレビです)、夏のビーチは欠かせないパスタイム。美白の国ニッポンとはうらはらに、「日焼けしていなければバカンスにもいけない貧乏人だと思われる」という思い込みのあるイタリア人。春先より日焼けサロンにて入念な準備をし(仕事では計画性が無い人たちなのに、こういうときだけ中長期計画をたてられるのは不思議)、夏場になれば紫外線もものとせず朝から晩までスピアッジャにてがんがんに焼くのです。なにもその年で焼かなくてもと思われるような妙齢のシニョーラたちも、渋皮のようになった肌を(失礼)太陽にたっぷりさらして、日焼け度を競います。まあイタリア女性定番の、素足にパンプスを決めるには多少なりとも焼けた足でないと格好がつかないものですけれども。。。

写真下左Cイタリア流ビーチの楽しみかた。   写真下右D水もかなりきれい!

かくいう私めも実は日焼け派。といっても日焼けサロンに通っているからではなく、幼少からテニスに陸上にスキーにといそしんでいたため、年中白くなる暇がない。ということで、「日本人で日焼けしてる人初めて見た」と周囲のイタリア人からものめずらしく思われるのも気にせず、毎年夏場は海へとくりだします。実はベネツィア在住を決めたのも、ビーチが近いからというのも決め手のひとつ。

なんてったって公共交通機関を使ってリドLIDOのビーチにいける。またリド島東部の対面には内陸からつながっている「プンタ・サッビオーネPUNTA SABBIONE」というビーチもあります。どれも水上バスと地上バス(?)を乗りついで行けるのです。エコロジー派としてはうれしい限り。お財布にもやさしい、あっ地元住民はあの1時間7ユーロという、かなり暴利とも思われるACTVのチケットは買いません。CARTA VENEZIAという定期券のようなものを購入し、そこにチャージしたチケットを使います。ベネツィア−ブラーノは1ユーロ。 ツーリストの方は24時間券を購入したほうが、大体の場合はお得です。

●冬場は「ドロミテ・バス」で日帰りスキーも
ちなみにもうひとつの決め手は冬場のスキー。ドロミティDOLOMITI行きの「ドロミティ・バスDOLOMITI BUS」を使って、早朝ベネツィアを出発し、バスの中でパニーノを食べ、朝寝をむさぼっているうちに、10時半には白銀のドロミティに到着。まだひとけのないゲレンデで思いっきり滑って、おなかがすいたら雄大なパノラマを楽しみながら山小屋でランチを食べ、少々疲れのでる午後?R時頃スキー場からあがってホテルのサウナとジャグジーに入って着替えをし、チロリアンスタイルのバーでビールを飲んでから、夕方のバスで寝ながらベネツィアに戻ってくるという日帰りスキーも楽しめる(かなりハードですが)、日本のスキーヤーに心底羨ましがられる環境にあるのです。

ついでながらイタリア人は日帰りスキーはしません。冬場にも「セッティマーナ・ビアンカSETTIMANA BIANCA=白い一週間」というバカンスをとり、ゆっくりとスキーを楽しみます。しかしながら、この人たちはいったいいつ仕事をしているんだろうという疑問はさておき。。。世界にひとつしかない宝石箱のようなベネツィアには、こういった足がかりのよさといったプラスもあり、しかも海に囲まれていてお魚が豊富と、お得度満載!これで夏場の蚊と、冬の骨にしみとおるような湿気と、アクア・アルタACUQ ALTA(高潮)さえなければ天国なんですけど、そうはとんやがおろさない。

●砂浜の広がるビーチ「プンタ・サッビーオーネ」
さて、そのスピアッジャ。リドはベネツィア映画祭や映画「ベニスに死す」の舞台として既におなじみですので、今回ご紹介するのは、上記した「プンタ・サッビーオーネPUNTA SABBIONE」です。ちょっと鄙びた感があるローカルビーチです。ここはその名の通り(サッビアSABBIAとは砂のことです)、真っ白とは言わないまでも、砂浜が広がるビーチで、水もそこそこきれい。少なくともリド島の公共ビーチよりはずっと透明度が高いようです。しかも砂浜の幅が広く、内陸のイエゾロJESOLO(有名なビーチリゾート)方面までずっとつながっているため、ハイシーズンの日曜日でもそれほど混んでいないのがありがたい。

写真下左E日曜日ともなると、バルカでいっぱいになります。後ろに見えるのはFARO(灯台)。   
写真下右Fビーチの裏方には自然保護区がひろがります。

プンタ・サッビーオーネへのアクセスとしては、フォンダメンタ・ノーヴェFONDAMENTA NOVEからブラーノ方面に向かう12番の水上バスか、サンマルコ広場からリド島を通り、直行(夏場のみ運行)で行ける14番を使えば簡単にたどりつきます。プンタ・サッビーオーネの水上バス乗り場からは、イタリアにおける今世紀最大の公共建築、おそらく未完成のまま終わるのではないかとも噂が飛び交う、高潮からベネツィアを守ってくれるはずであろうモゼMOSEという超巨大ダムのようなものの脇をひやかしながらビーチまで散歩してもよし、歩くのが面倒という方には行き先がそのものずばりの「SPIAGGIA」と書かれたバスに乗っていくこともできます。

●犬好きにはたまらない「ドッグビーチ」も
イエゾロは若い人たちが繰り出すため、ビーチパラソルとビーチチェアーがぎっちり並び、近くのバールからはかなりボリュームの高いラテンミュージックが流れているため、静けさを求める方にはお勧めできませんが、ここプンタ・サッビオーネは一軒しかバールがなく、家族連れが多いフリービーチなため、静かな一時を過ごしたい方にお勧めです。

写真下左Gドッグビーチの看板。国際的なツーリストが多いのを反映して英語とドイツ語でも表示有り   
写真下右H犬連れのビーチ客でいっぱい。

そしてこのビーチのもうひとつの特徴は、ドッグビーチがあること。犬好きな方は目がハートマークになってしまいます。この近辺は砂浜に沿ってキャンプ場が連なっているため、ヨーロッパ中から集まった犬連れのキャンパー達がこのドッグビーチに集まってくるのです。

写真下IJ犬も家族の一員。

イタリア人は海に来てもほとんど泳ぐことは無く、一日中トドのように寝そべり日焼けをするか 水に入ったとしても膝までつかっておしゃべりするのが普通ですが、夕方になり少し気温が下がると、やっと活動を始め、浜辺をおしゃべりしながらのんびりと散歩をするのが常。私もこのお散歩タイムはドッグビーチに行き、様々な犬種が飼い主さんと嬉しそうに遊んでいる姿を堪能します。

写真下左Kサイクリングも楽しめます。  写真下右LクロイチゴMOREも色づき始めます。とっても甘い。収穫してジャムにします。 

●独特な植生や野鳥の姿も楽しめる「ラグーナ」
8月も半ばを過ぎるとクラゲが大発生するのがこのビーチの難。私達は通常バルキンBARCHIN(ベネツィア弁で小さいボートのこと)で海からビーチに向かうのですが、先日などはボートを停めたら周りがクラゲに囲まれており、砂浜までたどりつくのに戦々恐々。この時期からはラグーナのほうが安心です。

写真下左Mラグーナの典型的な風景。   写真下右Nここだけにしかない草花が見かけられます。 

ラグーナは、ベネト潟と訳されるように、浅い干潟になっています。ここにはクラゲも入ってこず、様々な野鳥が観察できるのもいいところ。ただ干潟というだけあって、下は泥。バルカから水にはいると、足がずぶずぶと泥の中に埋まってしまいます。その感触がなんともいえず、水に入るのはちょっと勇気がいります。砂浜も無く、陸地といっても干潟なのであがって寝そべることはできず、バルカで行くしかないのですが、おかげで静けさ満点。独特な植生と野鳥の姿を眺めながらのんびり読書をするには最高です。

写真下左O優雅なシラサギ=GARZA   写真下右P航路をしめす杭にとまるカモメ=COCAL

8月も末となると、日も短くなり、朝夕は早くも涼しい風がたちはじめ、北イタリアの早い秋の訪れが感じられ、少々寂しい気分になるもの。もう少しだけ美しいラグーナの自然の中でお日様を浴びておいて、どんよりとしたグレーの空が広がる、ながーい冬に備えておかないと。。。

写真下Q日もすっかり短くなって。夕景が美しいブラーノ。  


ヴェネツイアのブラーノ島だより案内人プロフィール
宮崎 亜矢子(Miyazaki Ayako)

イタリア在住15年、ナポリ、ローマ、ミラノ、ヴェネツィアと流れ流れて行き着いた先が、ヴェネツィア人からも「ISOLA CHE NON C'E (存在しない島)」と呼ばれる、人口3000人を切る小さな漁師の島ブラーノ島。ヴェネツィアはサンマルコ広場の超有名ブランド宝飾店勤務から、島で唯一の魚屋の妻兼経理担当として、生粋のブラネッロらしく超のんびりな夫を叱咤激励しつつ、時に前掛けつけて売り場にも立つブラネッラに、華麗なる転身をとげました。元スチュワーデスとして世界中を旅行した経験を生かし、ホームステイのおっかさん役+個人旅アドバイザーとしても活躍中。21世紀とは思えぬゆるーい時間の流れる島の生活を、毎日更新のブログで綴ります。
B&Bサイト:http://ayaburano.web.fc2.com/   http://ameblo.jp/ayadiburano/ 


関連データ 
 

DOLOMITI BUS ドロミティ・バスの情報はこちら

www.dolomitibus.it


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