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ロンバルディアの貴婦人・ベルガモ
15 marzo 2014

第3回  ドニゼッティを訪ねて

文と写真    夏海 柑


「愛の妙薬」、「ランメルムールのルチア」、「ドン・パスクアーレ」などのオペラで世界的に有名な作曲家ガエターノ・ドニゼッティはここベルガモの出身です。地元の人々は町の中心にある音楽学校や劇場に彼の名前を捧げ、この偉大な作曲家に敬意を表しました。チッタ・アルタにある彼の生家や博物館は小さいながらもきれいに整備され、訪れる人を歓迎してくれます。
今回は、皆さんと共にドニゼッティの軌跡を訪ねて行くことにしましょう。

●ドニゼッティの生涯
ガエターノ・ドニゼッティは6人兄弟の5番目として1797年11月29日に生まれました。父が質屋の番人、母親が機織り女という貧しい家庭に育ちましたが、当時ベルガモ大聖堂の終身教会楽長を務めていたドイツ人作曲家マイールの慈善授業によって音楽教育を受けることができました。そこで才能を発揮したドニゼッティは、ロッシーニの教師でもあるスタニスラオ・マッテイ神父の下、ボローニャの高等音楽学校に進みます。

こうして僅か20歳の時に最初のオペラ「ピグマリオン」を作曲し、その後30年間に85曲ものメロドラマを作曲しました。これらは、ミラノ、ローマ、ナポリと言ったイタリア国内の主要都市だけでなく、音楽の都パリやウィーンでも成功を博します。晩年は1845年頃から不治の病に罹り、パリ近郊のイヴリーにて治療を受けていましたが1847年、50歳の時に祖国に戻り翌1848年4月8日、その輝かしい生涯を遂げました。

写真トップ@サンタ・マリア・マッジョーレ教会内にあるドニゼッティの墓碑
写真上左Aボルゴ・カナーレ通り    写真上右B生家入口

●ドニゼッティの生家
前回と同じく、駅から乗ったバスを終点(Colle aperto)で降りたら、旧市街とは反対方向、つまりベルガモ・バッサの景色を右に見て進みます。左手の聖アレッサンドロ門Porta Sant’Alessandroをくぐった所にあるサン・ヴィジリオのケーブルカーfunicolare San Vigilio乗り場の前を通り過ぎ、二つ目にあるボルゴ・カナーレ通り(Via Borgo Canale)を下って行きます。(写真A) その14番地にある建物がドニゼッティの生家Casa Natale di Donizetti (1561年)です。(写真B)

写真上C生家内部の若きドニゼッティの絵  D生家内部の暖炉 


当時この界隈は、チッタ・アルタの中心部に住む大貴族や資産家に人足や馬丁、蹄鉄工、仕立てなどをして仕える貧しい人々が大人数で生活する不衛生な社会環境にありました。ドニゼッティ一家も細々と食いつなぐ状況で、1786年から1806年までの20年間をここで過ごしました。

  写真上左E生家内部のドニゼッティ劇場の模型   写真上右:F生家内部のオペラ衣裳

この建物は既に1926年1月28日付の国王勅令により国家記念物に指定されていましたが、戦禍と資金不足で長い間放置状態が続きました。2009年、民間財団の援助を得てやっと修復が完了し、現在の整備された姿となりました。
一階に受付とブックショップがあり、地下が生家、上階は展示場と会議室になっています。(写真CDEF)

写真上Gドニゼッティ博物館に通じる路 

●ドニゼッティ博物館
チッタ・アルタのヴェッキア広場、サンタ・マリア・マッジョーレ教会の裏手にあたるアレーナ通り9番地(via Arena,9)にドニゼッティに捧げられたドニゼッティ博物館Museo donizettianoがあります。(写真G) 1906年に開館したと言うこの博物館にはドニゼッティ直筆の楽譜、亡くなる直前まで使っていた家具やピアノなど、ファンにとっては見逃せない遺品の数々が展示されています。(写真HI)

写真上左Hドニゼッティの使用した椅子と晩年の肖像  写真上右:Iドニゼッティが亡くなる直前まで使っていたピアノ

●ドニゼッティの墓(サンタ・マリア・マッジョーレ教会内部)
1848年、パリ郊外の精神病院からベルガモに戻ったドニゼッティは僅か数カ月後に亡くなってしまいます。現在その遺骸は、生涯の恩師マイール(写真J)と共に、サンタ・マリア・マッジョーレ教会の中に祭られています。(写真@)

  写真上J恩師マイールの墓碑

●ドニゼッティ劇場と傍の記念碑
チッタ・バッサの中心地カヴール広場(Piazza Cavour,15)にあるこのドニゼッティ劇場Teatro Donizetti (1800年)は1897年、ドニゼッティ生誕100周年記念の年にこの偉大なるオペラ作曲家の名を取って命名されました。

写真上左Kドニゼッティ劇場      写真上右Lドニゼッティの記念碑

劇場の傍にある公園にはドニゼッティの記念碑が立てられています。毎年冬季に公演されるオペラやオペレッタの他、ベルガモ・ジャズフェスティバル、国際ピアノフェスティバルなど様々な催しが行われ、今も市民の文化活動の拠り所となっています。(写真KL)

●ここらで一服  「ドニゼッティのお菓子」
チッタ・アルタからバッサまで、ドニゼッティの軌跡を見て回った後は、バールに入って一服しましょう。ドニゼッティ劇場の向かい側にある「BALZER」は、マリア・カラスや指揮者ガヴァッゼーニ、マストロヤンニやガスマンなど、クラシック界や映画界の大物も訪れたベルガモで最も由緒のあるカフェ。

写真上左Mドニゼッティ劇場の向かい側にある由緒あるカフェ「BALZER」  写真上右N名物ケーキ「トルタ・ドニゼッティ」

色んなパティスリーに加え、何と「ドニゼッティ」と名の付く名物ケーキがあります。リング状のパウンドケーキに干しパインの刻んだものが入った、それはシンプルなお菓子ですが、ドニゼッティ巡りを締めくくるのに最適ではないでしょうか。(写真MN)


著者プロフィール夏海 柑(なつみ かん)
ベルガモ近郊に住み、ミラノへ電車通勤を始めて早○○年。かつては突然の運行停止や1時間以上の遅れがザラだった国鉄ベルガモ-ミラノ間も最近は努力が実り、人並みの正確さに到達したようです。お蔭様で筆者も通勤中「ユネスコ世界遺産」の景観を楽しむ余裕が出てきました。


ロンバルディアの貴婦人・ベルガモ データ
Dati
ドニゼッティの生家 Casa Natale di Donizetti
入場料:無料
見学時間:土日のみ (10:00-13:00 / 15:00-18:00)  その他の日は予約制

ドニゼッティ博物館 Museo donizettiano
入場料:3ユーロ(18歳未満無料)
見学時間:火-金 (9:30-17:30)  土日祝日(9:30-19:00) 

ドニゼッティの墓  
サンタ・マリア・マッジョーレ教会内部  Basilica di Santa Maria Maggiore

入場料:無料
見学時間:
11月-3月 (月-金: 9.00-12.30; 14.30 ? 17.00/ 土: 9.00-12.30 e 14.30-18.00 / 
日曜祝日 9.00-12.45 e 15.00 ? 18.00)
4月-10月(月-日: 9.00-12.30 e 14.30-18.00 )  
 (ミサの挙行中を除く)

ドニゼッティ劇場 Teatro Donizetti
見学:予約制 (Tel.:035-4160614 )

※ベルガモへの交通アクセスや一般的な観光情報などは、第1回 ベルガモ・アルタの魅力のデータ部分をご参照ください。



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