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アスティへようこそ! Benvenuti ad Asti
15 Settembre 2013

  第1回 「上を向いて歩こう」


  高梨真江 



みなさん、はじめまして。北イタリア・ピエモンテ州アスティAstiで地域振興を目的とした観光の講座に通う、高梨真江(たかなしまさえ)と申します。10年ほど前に初めて訪ね、ひと目惚れしたこの土地に移り住んで約1年。日本ではまだあまり知られていないアスティとその周辺地域を、食の魅力、ライフスタイル、ぶどうと共にある暮らし、近郊編など6回にわたって紹介します。

アスティはイタリア最長のポー川に注ぎ込むタナロ川を挟んでランゲ、モンフェッラートと呼ばれるふたつの丘陵地の間に広がる、ぶどう栽培・ワイン醸造を中心とした農業の盛んな地域です。土地の人から「Cuore di Piemonte(ピエモンテのハート・心臓部)」と呼ばれ、ローマへ至る巡礼路「フランチジェーナ街道Via Francigena」と、ジェノバから遠くロンドンまで続いたと言われる商業街道の合流する要所として12世紀に大きく発展しました。  

トップ写真:@コメンティーナ塔:攻防のため築かれた凹凸
写真下左:A地上40メートルの塔「トッレ・トロイヤーナ」からの眺め:雲の高さまで届くアルプスの山並み
写真下右:B市場に並ぶダミジャーナ瓶や収穫かご


●街の見所は歴史ある高い塔
アスティは駅から街の中心まで5分と掛からず、近郊へ向かうバスターミナルとも隣接しているので色々な旅のプランが考えられるでしょう。今回は駅を起点に、一緒に街を散策する気分でご案内します。街の見どころの一つは、歴史ある高い塔の数々。またパリオの頃には目抜き通りをカラフルな旗が彩るので、ぜひ「上を見上げて」街歩きを楽しんでください。
駅を出てしばらく進むと、右手に大きな広場が。これは毎年9月の第3日曜に開かれるアスティのお祭り(競馬レース)に由来する、「Piazza Campo del Palio」。この広場では水曜と土曜に大規模な青空市が開かれ、生活必需品をはじめ、土地柄ワイン用品なども並びます。    

写真下左:Cアルフィエーリ像    写真下右:D回廊に集う人々


その先にはアスティ出身の劇作家「ヴィットリオ・アルフィエーリVittorio Alfieri」像の立つ、三角形の「アルフィエーリ広場」がつづき、ここもまた青空市の会場に。二つの広場の間に観光案内所があるので、散策を始める前にぜひ立ち寄ると良いでしょう。

●アスティの守護神をまつるサン・セコンド教会
本格的な街歩きのスタートは、アスティの守護聖人をまつる教会「サン・セコンド教会Collegiata San Secondo」から。内部には絵画のほか献上された歴代のパリオ優勝旗が展示されており、「クリプタ」と呼ばれる地下聖堂も。ときにパイプオルガン演奏に遭遇することもありますので、ぜひ耳を傾けてみてください。    

写真下左:E市庁舎と隣り合うサン・セコンド教会    写真下右:F市民が憩う教会前広場 


教会を出てメインストリート「アルフィエーリ通りCorso Alfieri」を渡り「Piazza Medici」に向かうと、12世紀に建てられた「トッレ・トロイヤーナTorre Troyana」が見えてきます。アスティで唯一上ることのできるこの塔からは、夏でも雪を冠るアルプスの山並みまで見渡せ、地上40メートルからの眺めはとにかく最高です!

写真下左:Gかっての巡礼路アルフィエーリ通りを行きかう人々:パリオが近づきカラフルな旗がたなびく   
写真下右:Hトロイヤーナ塔Torre Troyana:頂上にはピエモンテ州最古の釣鐘が  


アルフィエーリ通りに面した「ローマ広場Piazza Roma」に立つ「トッレ・コメンティーナTorre Comentina」は塔上周囲が凹凸に施されているので、また違った印象を受けるでしょう。街を貫くこの通りは、かつてパリオのコースにも使われていたため、当時はレースの合図を知らせる砲がここに設置されていたそうです。

●アスティのシンボル「トッレ・ロッサ」
通り沿いにある「Palazzo Mazzetti」は、貴族の館を改装した美術館。そしてその先右手には、イタリア王国第二代国王・ウンベルトI世の騎馬像とポプラの大木が美しい「Piazza Cairoli」が。裏手の通りを入ると、大きな時計台を背にした大聖堂が見えてきます。

写真下左:I広場に面した外壁:視線を上げると、思いがけない発見が   写真下右:J大聖堂:美しい壁画に彩られた内部も必見  


散策をしていると、通りによって異なる舗装に気づくでしょう。交通量の多い通りは、横断歩道などがはげ無い様に白いモザイクで描かれています。通りの狭い大聖堂周辺は旧道の大きな丸石の凹凸を残したり、学校周辺では人工的な障害物を設置するなど、スピードを落とす工夫がされています。

写真下左:K修道女らも行き交う大聖堂周辺   写真下右:Lトッレ・ロッサ:たたずまいも印象的なアスティのシンボル  


アルフィエーリ通りの終点に差し掛かると、16角形の「トッレ・ロッサTorre Rossa」が。レンガ色の美しいこの塔は、アスティで唯一現存する古代ローマ時代のもの。通りの終点にあるロータリー(Piazza Torino)を右に曲がると、古い城壁の点在する「Viale dei Partigiani」が始まります。さらに15分ほど散策を続け、2つ目のロータリー(Piazza V.Veneto)で突き当たる「Corso Dante」のなだらかな坂を下ると、「Piazza V.Alfieri」に戻ります。

写真下:M歴史を物語る城壁の一部     


●古い修道院を改装した「つづれ織り美術館」
さらに徒歩約30分のところには、古い修道院を改装した「つづれ織り美術館 Museo degli Arazzi Scassa」も。かつて大型客船内部を彩ったGiuseppe Capogrossiによるオリジナルデザインや、クレーらの絵画を再現した大型作品が並びます。

写真下左:N「つづれ織り」美術館入口:解放感ある建物    写真下右:O技術を受け継ぐ姉妹の制作風景:原画に合わせて緯(よこ)糸を編み込む緻密な作業がつづく    


手織りの技術は、第二次大戦後にトリノから持ち込まれたもの。最盛期には20人を超える織り子が交代制で織り進め、これまで231もの作品が生み出されました。現在その技術を守るのは、10代からこの世界に入ったKatiaさんFrancaさん姉妹。その緻密な制作風景も間近に見られる、またとない機会でしょう。

歴史ある街に息づく、人々の暮らし。発見や出会いに恵まれる、楽しい街歩きになることを願って!


アスティへようこそ!   著者プロフィール
高梨真江(Takanashi Masae)

個人旅行手配業を経て、2004年初渡伊。アスティ近郊の Costigliole d'Asti (コスティリオーレ・ド・アスティ) でひと夏を過ごし、ぶどう栽培・ワイン醸造「土地に根差して世界とつながる人々の暮らし」に、ひと目ぼれ。この地をもっと日本に紹介し案内したい夢を抱き、その後介護や通勤の合間を利用してイタリア語を独学。現在はアスティにて「地域振興を目的とした観光の講座」を受講し、その修了論文を書きながら畑を訪ね、土地の人にインタビューを重ねるなど「おもしろ地図」を広げる毎日。ある日突然「ひと目ぼれしました、よろしくお願いします!」とやって来た私を優しく受け入れてくれた地域の人々に感謝しながら、ピエモンテ弁交じりの冗談に笑い転げる今日この頃。 個人ブログ「Asti大好きーぶどうと共にある暮らし」 http://lavitaasti.exblog.jp/


データ

Dati

■アクセス情報
<電車>
Torino Porta Nuova駅から毎時1便以上(日祝減便)。「R」または「RV」で約1時間、座席指定の必要な「IC」で約40分。 Milano 中央駅からはTorino Porta NuovaまたはVogheraなどで乗り換え。いずれも約2時間。
イタリア国鉄「FS-TRENITALIA」のサイトで、時刻表が検索できます。 www.trenitalia.com

■アスティ観光案内所
Asti Turismo Ufficio Informamzioni
Piazza Alfieri, 34    Tel:0141 530 357
開館時間:9-13/14:30-18:30 (日曜午後休館) 
http://www.astiturismo.it/

Palazzo Mazzetti(美術館受付と兼務)
Corso Alfieri, 357   Tel:0141 530 403
開館時間:9:30-18:30 (月曜休館) 
http://www.palazzomazzetti.it/

■市内の主な観光名所
開館時間・入館料は、変更されることがあります。

Collegiata San Secondo  サン・セコンド教会
住所:Piazza San Secondo
開館時間:10:45-12/15:30-17:30
*ミサなどの関係で団体での見学を上記の時間帯に限定しているため、観光局などでは上記時間帯で公式に案内しているそうですが、礼拝のためであれば一般的に8時半(頃)〜18時半(頃)まで継続して入館できるそうです。

Torre Troyana  トッレ・トロイヤーナ
住所:Piazza Medici  
Tel: 0141 399 489) 
開館時間:4-10月の土・日曜:10-13/16-19 (10月の午後は、15-18) 
その他の期間:団体のみ・予約制
入館料:2.60ユーロ

Cattedrale  大聖堂
住所:Piazza Cattedrale,
開館時間:8:30-12/15-17:30

Museo degli Arazzi Scassa  「つづれ織り美術館」
住所:Via dell’Arazzeria, 6 (※2014年春、Corso Alfieri沿いに移転予定)
Tel: 0141 271 164   http://www.arazzeriascassa.com/ 
開館時間:不定休、事前予約制、
入館料:5ユーロ
順路が複雑なため、車での移動をお勧めします。タクシー:駅前、またはTel 0141 592 722で呼ぶ。 バス:駅前広場「Piazza Marconi」などから市内循環バス「ASP」の7番で「Via Marello」下車、Hotel Saleraの脇を道なりに進みParco della Certosa(チェルトーザ公園)内、門扉のインターフォンで呼出。(「Tabacchi」と呼ばれる売店で往復分の乗車券を事前購入、復路はホテル前のバス停から乗車)

■市内循環バス「ASP Asti」 
http://asp.asti.it/servizi/trasporti/trasporti.html
(イタリア語のみ。日曜祝日は、7番に変わり「LINEA A-Festival」が減便運行)  



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