■ノルチャはウンブリアの美味が凝縮した町
黒トリュフの産地として有名なノルチャの町を訪れると、あちこちに猪の首が……! 実はこれ、小さな食材店。
ノルチャはまた野生の猪が獲れ、豚のプロシュットはIGP(保護指定地域表示)認定されているという、小さいながらも美食がギュッと凝縮した町。イタリアで加工肉店のことをノルチネリアと言うのは、このノルチャが由来なのだとか。
町の広場で見つけたノルチャの食材店「Boutique del Pecoraro」は、地元の猪や豚をはじめとした肉加工品、豆・穀類、チーズなどを販売。店内にはサルシッチャやサルーミが豪快にぶら下がり、木の棚にはホールのチーズがゴロンゴロン。ご主人のマルコ・テレンツィ氏お薦めを訊ねると、パンチェッタやプロシュット、そしてチーズに豆、麦もいいし……と止まらない。で、猪のパンチェッタ、穀類を購入。加工肉は真空パックにもしてくれる。
豆類はレンティッキエ(レンズ豆)、チェーチ(エジプト豆)など目移りするほど。私はマルコ氏のお薦めで「チチェルキエ」というシワシワの豆を購入。日本名はれんり草、なんとスイートピーのことだとか。家庭ではもっぱらスープにして食すが、一晩水に浸し、根気よく時間をかけて煮ること。
「Boutique del Pecoraro」
Piazza San Bebedetto, 7 Norcia(PG) TEL +39 0743 816453
■IGP認定・ノルチャのプロシュット工場へ
代々肉加工業を営んできた一族が1977年に設立した高級食材会社、レンツィーニ社のプロシュット加工を見学。ノルチャの緑深い山の上、着いたところは意外なほど大きな工場だった。
ちなみにプロシュットの豚は地元で育てられたもの、猪はこの山を駆け回っている野生。プロシュットに使う後ろ足のほか、ここではスペック(肩肉)を唐辛子漬けに加工している。
【プロシュット熟成過程(下の写真、左から順に)】
1.まずは肉を5分間プレスして血を抜き、岩塩で固める。室温1〜4℃、湿度80%にコントロール した倉庫で、まずは1週間おく。湿度が高いのは、塩を溶けやすくするため。
2.室温1〜4℃、湿度60%でさらに2週間、続いて2〜3℃、湿度80%前後で2カ月おく。
3.送風・乾燥の工程を7〜8日。塩を落として、さらに7〜8日。
4.ここまでは室温・湿度ともオートコントロールされているが、ここからは窓を開け自然の空気で 2年間ゆっくりと熟成される。
「ノルチャの気候は生ハム作りにちょうどいいんだ。夏は18℃程度、冬は5〜6℃で氷点下にはならない。湿度は低く乾燥気味で、何より山や森の質のいい空気だから」と、プロシュット職人。大事なのはサポーリ(香り)。ノルチャのプロシュットは、どこよりも香り高いのが特徴なのだそうだ。
「Renzini」
Viale Indipendenza, 28 Montecastelli Umbro (PG)
TEL +39 075 94186
http://www.renzini.it/
(終わり)
【協力/アッシジ観光協会(Sistema Turistico Locale di Assisi)、アッシジホテル組合(Consorzio Albergatori di Assisi)「いにしえのウンブリア、峡谷と山々」地区観光協会(Sistema Turistico Locale Valli e Monti dell'Umbria Antica)】
|